登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

視力回復手術ICL(眼内レンズ挿入術)を受けました

小学2年生のとき、薄暗い押し入れでドラえもんの漫画を読破したことが原因で、視力が0.1になり眼鏡生活が始まりました。

「眼鏡のレンズが分厚くてかっこ悪いからイヤ!」と、中学生でコンタクトレンズに。

埃では死なない、が持論のためコンタクトレンズの洗浄も大雑把。

汚いレンズを装着したことで目に炎症が起きて何度も眼科に駆け込み、怖い先生(怖いけれどいつも学校に行く前に寄れるように、と8時前から診察をしてくれていたのです。先生、ありがとう)に怒られてばかりいました。

高校生になり、ソフトボール部に。

下手くそだったため顔面に打球を受け、もちろん目にも。

充血では済まない事態にもなったことが何度もありました。

その頃からハードレンズを装着すると強い痛みを感じるようになり、ソフトレンズに。

ハードレンズ以上に洗浄が面倒で、すぐにワンデー(割高…だけれど面倒臭さには勝てませんでした。目の健康もありますし→言い訳)にしました。

 

それから20年以上、眼鏡とコンタクトレンズの併用を続けてきました。

眼鏡での運動(登山を含めて)は遠近感がつかめず、怖いのでできません。

技術の進歩で眼鏡のレンズも以前より薄くなりましたが、なにせ視力がとても悪いので初対面の人に「眼鏡、分厚いねー」と言われてばかり。

 

28歳くらいだったと思います。

その頃、レーシック手術が話題になりました。

張り切って検査に向かいましたが

「角膜が薄すぎるし、視力が悪すぎて手術はできません」

ガックリ。

角膜を削って残す厚さよりすでに薄いらしく、削る余地がないので視力が悪すぎなかったとしても手術はできなかったとのこと。

角膜が薄いのは遺伝であることが多いそうです。

妹も同じ理由でできませんでした。

 

でも、そのときの医師が

「違う方法が今、研究されているから10年後くらいにもう一度調べてみたら?」

と教えてくれました。

最近になってそれを唐突に思い出し、いくつかある術式を比べて新宿の「近視クリニック」で眼内レンズ挿入術を受けました。

目の老化のため、この手術は45歳くらいまでだそうです。

 

手術中に痛みは感じず、以下のような少しの不快感で済みました。

例えるなら、綿棒のような柔らかいもので黒目を押されている感じ。

これは黒目の際を切ってレンズを挿入し、レンズの位置を調整しているときに感じました。

あとは横を向いて目を洗浄するときに少し刺激を感じたくらい。

 

レーシック手術の検査のときに、目に針を刺されたことを思えば全然怖くなかった。

麻酔がかかっているから痛くないのは分かっているのに、近づいてくる針に焦点が合ったときの怖さったら…忘れられません。

麻酔などもほとんどが点眼で済みますし、進歩はすごいですね。

 

手術後は翌日、翌々日と検査を受けます。

抗生物質を3日分と痛み止めをいただきました。

痛み止めは私には不要でした。

1日4回、3~4種類の目薬をそれぞれ5分以上あけて点眼するのがちょっと大変。仕事していると、ひとつめの目薬をさしてから30分以上たっていることもあり…。

あとは洗髪のときに目に入らないように、とか洗顔は一週間後(今は拭き取りシートがますから大丈夫)とか、目の周りの化粧は一週間後(だったかな…しないのでどうでもいいやと覚えていません)とか、思いつくような不都合くらいしかないので、手術を受けるのをためらることはありません!!

 

眼を保護するため、透明のプラスチックの眼帯を一週間、毎晩紙テープでくっつけたのですがその顔が笑える。顔にふたつ白いバッテンがあるんですもん。

手術の翌朝、パチッと目が覚めてプラスチック眼帯を取り去り、ゆっくりと目をあけました。

見える…本当に見える…不思議。

コンタクトレンズをしたまま眠ってしまったようだ。でも不快な貼り付き感はないし、痛みもない。

習慣で枕元の眼鏡を探してしまうかと思ったけれど、寝ぼけることなく、周りをキョロキョロ。

視界良好! 朝から静かに感激していました。

 

料金は73万円ほど。

両方とも乱視ですが、度が強い右目だけ乱視のレンズにしたのでプラス5万円(レンズの取り寄せに2~3週間ほどかかりました)。

高いです、確かに(レーシック手術はもっと安いです)。

年齢を考えればすぐ老眼になってしまうかもしれない。

でも、してよかったと思います。

私は黒目が小さいため、コンタクトレンズが目にかける負担が大きいらしく、いつも白目が充血していました。それもなくなりました。

 

今は両目とも1.5です(2~3日は見え方が落ち着きませんでしたし、今でも少し眩しさというか、光の周りに輪っかが見えます)。

信じられない。

これから山にも海にも旅行にも、コンタクトレンズと眼鏡を持って行かなくていいんだ!

温泉の段差で転ぶこともない!

バスや電車でうたた寝ができる!

好きな山 ベスト5

まだまだ全国の山を登っていないのに、知らない山にも登ってみたいのに、何度も通ってしまう山がいくつかあります。

これからもっとたくさん登っていけば、順位も変わるでしょう。

東北や九州の山も1週間、いやもうちょっと長い時間をかけて登ってみたいなぁ。

 

1位:北アルプス 笠ヶ岳

2位:北アルプス 三俣蓮華岳

3位:南アルプス 鳳凰三山地蔵岳

4位:南アルプス 間ノ岳

5位:北アルプス 黒部五郎岳

 

笠ヶ岳は遠くから見ても分かります。

よく笠をかぶせたような、という形容詞がつくのですが私には甘食(パン)に見えています。

風が強いのですが、気持ちいのでつい長居をしてしまう山頂です。

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右奥が笠ヶ岳です。この道サイコウ!


三俣蓮華岳の山頂はそんなに広くないのですが、おとなりの鷲羽岳の眺めや岐阜県と長野県と富山県の県境がここに…と思うと、なんだか嬉しくて。

何が嬉しいのか分かりませんが、普段は県境なんて、車で走っていて頭上に「神奈川県」などとあるのをを見るくらいで強く意識しないのに、ここにはひしめき合っている三角点があるおかげで主張してくるんですよ。

平坦な道路ではなく、こんな高い場所に県境?

そう決めたのもすごいなぁ、なんて思いながら昼寝をしているのです。

体がすっぽりとおさまる好きな隙間がありまして。

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どれが何県の?

 

地蔵岳は、大切なものをもっともっと大切にしようと思える場所です。

たくさん並ぶお地蔵さま、誰がいつどんな思いでここまで…と考えるのです。

オベリスクが合掌しているように見えることもあり、静かな気持ちになります。

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ここに来ると2~3時間、ぼぉっとしています

 

間ノ岳のだだっぴろい山頂が本当に好きです。

どこに座ろうか迷う。

そして正面には富士山。

富士山と1対1で見つめあっているような気持になります。

ここで好きな本を読みながら、顔を上げると富士山。

贅沢なくつろぎの場所です。

こんなにステキな場所なのに、素通りする人ばかりなのが残念でなりません。

おとなりの北岳にはいつも人がいっぱいなのに。

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気持ちい~

 

黒部五郎岳は、絵のような完成された風景だなと思います。

山の地形の美しさを毎回楽しみにしています。

山頂は狭いのですが、不思議なことに誰かとかち合ったことがなく、いつも独占状態。

8時までに到着するのがおススメです。

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美しいです…

 

テントの花咲く涸沢へ

春、といってもアルプスの山々には、まだ何メートルもの雪が積もっています。

 

今年の5月は行こうかな、どうしようかなと考え始めるのも今頃。

新宿から上高地直通バスの運転が始まると、山の計画をあれこれ考えワクワクします。

 

この夜行バスのおかげで、2日しか休みがなくても槍ヶ岳穂高に行けるのです。

少しの金額の違いですから、空いていれば3列シートのグリーンカーを予約しましょう。

座席が広いですし、リクライニングの角度も全然違います。

金額の差以上の価値がありますよ。

 

 

涸沢へ向かうなら、上高地での時間も満喫していただきたいです。

ステキな場所ですから。

http://www.kamikochi.or.jp/

ピストンで上高地に戻るなら、下山後にゆっくりするのいいですよね。

徳澤園で以前、上空から上高地を眺めたような小さなマップを買いました。

山々の位置関係がよく分かります。

 

バスを下車したあと、用意しておいた朝食をとり、河童橋~明神~徳沢~横尾と続く、

気持のよい道を、木漏れ日を浴びながら歩いていきます。

春は水たまりにカエルがけっこういますねー。

苦手な人はイヤかも。

観光客も多い散歩道ですから、のんびりと歩きましょう。

 

横尾で身支度を整え、お腹がすいていれば何か食べておきます。

丸太が並ぶこの場所も気持ちがよく、ついつい長居してしまいますが…

 

涸沢より上、北穂高岳奥穂高岳へは10本爪以上のアイゼンとピッケルの装備が必要ですが、涸沢までなら軽アイゼンとストックで歩けています。

山小屋のHPでも登山道の情報を更新していますので、自分のレベルと照らし合わせてください。

行ってみて「ここは下れない」と思ったら登るのをやめて引き返せばいいのです。 

誰にでも「初めて」があります。

初めてのことを避けてばかりいたら、いつまでも違う季節の山を歩くことはできません。

少しでも安心して歩くために、夏のシーズンに一度コースを確かめておくのもいいと思います。

 

年々、雪が緩くなるのが早まっている気がします。

1歩進むたびに「ずぼっ」と太ももまで埋まる。

その脚を手で持ち上げる。

次の1歩がまた埋まる…

ずっとではありませんが、これが続くと疲れます。

 

途中で脚が埋まっている体格のいい男性を抜いたのですが、その方が山小屋の受付に到着したのが、私の4時間以上も後でした。

私の倍以上の時間がかかっているのです。

その方はテント泊だったので、ザックの重量も相当なものだったのでしょう。

 

ずぼっと踏み抜いた下が、たとえ足がつかずに浮いていても地面ならいいのですが、雪が積もっている季節は普段の登山道が見えなくなっています。

ありがたいことに、山小屋の方がリボンや赤いスプレーで道を示してくれてはいますが、そこから外れて川の上の雪道を歩いていたら大変ですよね。

踏み抜いて、雪解け水に落ちたら…と思うとぞっとします。

  

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地形的に雪崩の巣です

 真っ白な雪面に、色とりどりのテントが設置されている様子は本当に花のようです。

「テントじゃ寒くて眠れない!」

「テントなんて持っていない!」

という方でも大丈夫。

涸沢ヒュッテと涸沢小屋がGWから営業を開始しています。

   

夜も早朝も、かなり冷え込みます。

真っ白な雪や岩肌が桃色に染まってゆくモルゲンロートをゆっくり眺められるよう、防寒具を忘れずに!

 

山の落とし物

山でいちばん見る落とし物…飴の袋。

ピリッと割いて2つに分けてしまうからか、小さい方だけ落ちていたり。

少しだけ開ければ(ゴミもひとつだし)口に入るのに…ポケットに入れたつもりでも落ちてしまうんでしょうね、小さいから。

善人ぶるわけではありませんが、目についたら拾うよう心がけています。

もしかしたら私も気づかないうちに落としていて、誰かが拾ってくれているかもしれませんし。

そのための小さなビニール袋を、ウェスト部分に付けられている小さなポケットに入れています。下山する頃には握りこぶしくらいに膨らみます。

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すてきな道なのですから

ゴミでいっぱいの登山道を歩きたい人はいません。

今のように山小屋のトイレが整備されていなかったときは、そこかしこにティッシュの花が咲いていたそうです。

真っ白い花かと近づくと使用済みのティッシュ…想像するだけで気分が悪くなります。

その山には二度と行かなくなりそうです。

誰か一人が汚してしまえば、続く人はたくさんいるのでしょう。

たったひとつの落書きが商店街全部のシャッターへと広がってしまうことを考えても、意図しなかったにしても「そこにひとつのゴミがある」ことで「ゴミを捨てる」という行為のハードルは下がります。

 

ゴミでない落とし物でよく見かけるのは、帽子とタオル・手ぬぐい類でしょうか。

帽子は飛ばされてしまったのか、休憩時にとってそのまま置いてきてしまったのか。

タオル類や上着をザックにくくりつけて(乾かしているつもりなのか、今は使わないからちょっと引っかけているのか分かりませんが)いて、緩んでいる人を見かけます。

木々に引っかければ転倒の原因にもなりますし、ザックからはみ出していない方がいいでしょう。

落ちたのに気づかなければ、必要だと思って持ってきているのにない状態で過ごさなくてはなりません。

私は、また着るかもしれないと思ったら、ザックの雨蓋部分に挟み込んでいます。

デイパック型は雨蓋がありませんが、30リットル以上のザックですと雨蓋があるものが多いです。

例えば「30+10リットル」表記のザックは、雨蓋部分のストラップをのばすと10リットル容量が増えます、ということです。

これも便利なんですよね。

下山してお土産を買ったり、登山靴からビーチサンダルに履き替えて帰りますので、荷物が増えますがここに入ります。

 

 

山小屋での忘れ物、いちばんは小銭だそうです。

敷いてある布団の隙間や、玄関のスノコの下などなど。

次は衣類。乾燥室に干しっぱなしにしてそのまま(私もやりました)や、トイレで脱いでそのままだったり、布団の間に入っていたり。

ストックも多いそうですから、明日も使うとしても短くしてザックに入れておくのがいいかもしれませんね。

そうすれば間違えて持って行かれる心配もありませんし。

朝は寝ぼけてますからね~。

登山靴も、間違われたら本当に嫌(以前、これは故意だろうという現場を目撃したことがあります。サイズは同じだったようですが色もメーカーも全く違うボロい登山靴がぽつんと残されていて、その方は途方に暮れていました。山に来た楽しい気持ちが台無しだし、合わない靴で歩き続けることなんてできませんよね)なので、私は袋に入れてザックにしまっています。

自分で防げることは防ごうと思っています。

山を歩くとき、心がけているちょっとしたこと

「休憩を頻繁にとらない」

景色のよい「ここだ!」という場所で、ご飯タイムにしています。

基本的に3~5時間に一度、という感覚です。

ちゃんと保温着で体を冷やさないようにしてから、ご飯です。

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景色のいい場所での、のんびりが最高

休憩は確かに必要です。

しかし「1時間歩いたら10分の休憩」など目安としている本もありますが、休憩したくなったらでいいのです。

特に登り始めの30分は体がまだ慣れていなくてキツく感じます。

「あの急坂を登り切ったら」とか「もう少しで景色がいいところに出るはず」を最初の頃は目標にしていました。

時間で区切ったことは一度もありません。

どうしても休憩しなくてはならないことはありません。

せっかくいいペースで登っているのなら、無理に休まなくていいのです。

立ち止まって時間がたつと急激に体が冷えてくるので、休憩時には必ず保温着を着ます。

保温着で暑いなら、せめて1枚プラスします。

標高の高い山や風が強い日は、特に休憩時の冷えに注意です。

 

私はすれ違う人に「ごゆっくり~」と道を譲りながら、ちょこちょこ「立ち休憩」をしています。

そのときに少しずつ水分補給もしています。

1人でも、誰かと歩くにしても、話しながら歩ける速度というのが体に負担がないように思います。

ウサギとカメですよ。

富士山でよく見かける光景ですが、ガーっと私を追い抜いたその人は少し先で倒れ込むように休んでいる。

「大丈夫ですか?」と声をかけると「歩くとすぐ疲れるから、少しでも遠くまで行けるように急いで歩いている」とのこと。

5分歩くと20分休憩しなくちゃいけない、そんな歩き方は疲れるでしょう。

体もつらいはず。

カメの方が早く目的地に着きますよ。それにきっと楽しい。

山を歩くのですから疲れないわけではありません。

ただ「自分が長く歩き続けられるスピード」というのは個人差があり、山を長く歩いているうちに自然と速くなります。

そのスピードで歩けばいいのです。

 

桜が咲き始める春、このとき登る低山でも驚くほどの汗をかきます。

人間の体はいっぺんに水分をとると負担がかかります。

休憩よりも、こまめな水分補給の方が重要です。

ハイドレーションは、ザックの肩付近に飲み口を取り付けておけますので、いちいちボトルを出す手間がなく水分補給ができます。

これはとっても便利なのですが、私はこのホースを毎回洗うのが面倒くさくて1年ほど使用してやめました。

今では岩場などの危険個所以外(こういう場所では必ずザックにしまいます。落として下にいる方に当ててしまわないように)では、ザックのサイドのポケットに入れて、さらに落下防止のためカラビナを引っかけています。

ザックを購入するとき、背負ったままサイドのポケットに手が届くと嬉しくなります。

肩の可動域にもよるのでしょうが「いい角度だなぁ~」と。

今ではすっかり慣れまして、立ち休憩時にザックを背負ったままカラビナをパチンと外して、ポケットからボトルを取り出し飲めています。

 

 

 

もう1点、当たり前だと思われることですが

「忘れ物・落とし物をしない」

あ!忘れたと気づいてもすぐに取りに行けること、少ないと思います。

数時間歩いてしまっていたら尚更。

休憩でも、素晴らしい景色を写真に撮るのに夢中になってしまった後も、その場を立ち去るときは必ず後ろを振り返ります。

忘れ物・落とし物をしていないか。

このクセは日常でも役に立ちます。

 

そして、休憩後の1歩目のふらつきにご注意を。

いきなり大きな1歩を出すのではなく、少し足踏みなどしてから歩き始めるとスムーズです。