登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

北八ヶ岳 高見石小屋

標高2,300mの小屋。
高見石小屋*ランプと星空の山小屋


通年営業しています。
真冬は室内でもマイナス15℃だそう。

これからの季節に欠かせない薪が積んであります。

ランプがすてきです。
小屋の中の雰囲気もいいなぁ。

揚げパンが人気のようです。
くつろいでいたら、後から到着する人がみんな「揚げパン!」と注文していたので。

今日はけっこう混んでいる、とのことでしたが20名ほど。
もちろん布団は1人1枚だし、隣ともスペースあり。
羽毛布団!
軽くて暖かい。

トイレは外ですが、夜間(夕食後から)は小専用ですが、寝ているスペースの横に設けられています。
よかった…小屋に着いたら、歩いている間は絶対水分が足りていないので、意識して多めに飲んでいます。
絶対、夜中に行きたくなるだろうから。

それにしても、水が無料ってありがたいけれど…有料にしていいと思います。
ここは山の中。
簡単に水道がひけるわけではありません。
沢からひくにしろ、天水にしろ、手がかかっているのですから。

大部屋でしたが、足元に棚があり、ザックなどを置けるのが良かった。
布団の上に汚かったり濡れていたりするザックを置かれるのを避けるためか、「ザックは廊下に」としている山小屋もけっこうあります。
お金は身に着けていますが、他にも大事なものがザックには詰まってるじゃないですか。
廊下って…完全に視界から離れるし、不安です。
10年近く前ですが山小屋で、歩くのにいちばん大切な登山靴を盗まれているから、なおさらそう思うのかもしれません(間違いではなく、完全に意識して履いていかれました。残っていた登山靴は、私のものとは全く似ていない古い登山靴だったからです)。
必要だから持ってきているわけですから、全部が貴重。
山を歩く人、全員が善人だなんて思っていません。
その点、心配はゼロではないけれど、足元に置けるのがいちばん安心できます。

日の出日の入り、ともに小屋の裏手の高見石に登れば見ることができました。
高見石は、岩を登ります。。
何度も往復しましたが、岩を歩くいい練習になりますね。
上まで5分かからずに行けるのですが、いつもと違うところから登ってみようとすると行き詰ったり。
眼下には白駒池。
明日はまず、あそこまで下ります。

夕食まで岩の上で過ごしました。
のんびり景色を眺めながら音楽を聴き、うとうと。
日陰なのでダウンにくるまれてました。
気持ちいい…

夕食はカボチャとさつまいものシチュゥ。
おかわりできます。
フライは、熱々のサクサク。

日の入りは、夕食をゆっくり食べていたら間に合わなかった…でも、そのあとの空の染まり具合が見事でした。
橙色がどんどん濃くなり、あたりの空が燃えました。
その色が木々の間から見えるのです。

夜は、小屋の仕事が終わってからではありますが、星の鑑賞会があります。
この日の夜は19時15分から30分ほど。
月が明るかったので、満天の星! とはいきませんでしたが、みんなでテラスで星を見上げてから眠りにつきました。

5時過ぎに目を覚まし、岩の上へ。
夜明け前の色は、やっぱり美しい。

この日の朝は冷えこまなかったので、ずっと見ていられました。
オコジョがいましたが、すばしっこい。
岩と岩の間からひょっこり顔を出しては、すぐに隠れてしまう。
誰もカメラをかまえませんでした。
追えないわ…あの動きじゃ。
早送りのようでした。

朝食は日の出を見たあとの6時過ぎから。
山小屋としては少し遅めですが、日の出と時間をずらしてくれるのが嬉しい。
でもパンとは思わなかったなぁ…3つ食べても、あまりお腹いっぱいにならない。
米と味噌汁がいいな、やっぱり。

名物の揚げパン、次に来たときはおやつに食べようっと。

北八ヶ岳へ その2

天狗岳へ向かう前に、まずはヒカリゴケの観察。
玄関を出て、建物に沿って右にぐるっとまわります。

ヒカリゴケ…?
いまいち不明。
正直そんなに興味がなかったので、ま、いっか。

源泉がどんな色か興味があったので、そちらへ移動。
建物を背にして、左へ進むと小さな建物があり、その目の前にあります。
おぉ、きれい。

秋色のザックを背負い、唐沢鉱泉を出発です。
天狗岳までは登るだけ。
アップダウンがないとラクチンです。

森の中を歩くので風を全く感じません。
6℃なのに半袖、やっぱりおかしいのでしょうか。
ペースが速くなりすぎないように、鼻歌。

赤リボンが頻繁にありますが、きっと冬用ですね。
道が雪に埋もれてしまえば、歩くところを選ばない反面、道迷いにつながります。
黒百合ヒュッテや高見石小屋など、通年営業しているので、冬も入山する人が多いのでしょう。
夏は少し先をしっかり見て歩けば、迷うようなところはなさそうです。
この森は八ヶ岳っぽいなぁと思いながら、のんびり歩きます。

あー、天気いいから早く稜線に出たい!

第一展望台に着く前のぱぁーっと開けた場所が、個人的にはいちばん眺めがいいような…ここが第一展望台だと思っていたら、そのすぐあとに第一展望台に着いたので、あれ?さっきのとこじゃなかったの?と思ってしまいました。
ここでおにぎり食べたい。
でも持ってないし、混雑しているので景色をぐるっと眺めておしまい。
御嶽山や、槍ヶ岳から穂高岳の稜線までバッチリ見えます。
左には、黄色いスタンプをポンポンと押したような柔らかな色の森。

そのあとの第二展望台は、座って休憩! というような場所ではないため、第ゼロ展望台(名前がないみたいだから、勝手につけました)か第一展望台での休憩がオススメです。

第二展望台を過ぎて、しばらく歩けば稜線へ。
岩をガシガシ登って高度を上げていきます。
頭上には雲ひとつない、真っ青な空。
硫黄岳の爆裂火口も、上の部分だけ見えています。

唐沢鉱泉を出発して2時間と少し。
西天狗に到着。
ここから少し下り、下った分だけ登れば東天狗。
東天狗は縦走ルート上にあるので、少し混みあっていました。

硫黄岳や赤岳方面とは反対に進みます。
すりばち池を経て、黒百合ヒュッテを目指します。
何がすりばち池なのか、今回も分からないままでした。
ポンポンとテンポよく進めるガレ場が好きなので、楽しく歩きました。
道が広くなるので、ルートの見失いと浮石だけには注意します。
白い〇を目印にします。

日陰には霜柱がちらほら。
黄葉の最盛期はまだまだのようですが、気温はだいぶ朝晩は下がってきているようですね。

黒百合ヒュッテに到着。
おお、布団干し!
今日泊まる方は、ふかふかですね。

ここでランチを、と考えていたのですが、今日お世話になる高見石小屋の方と
「15時までに到着します」
と約束したので、間に合うとは思いましたがトイレだけお借りして先に進みました。
きれいなトイレ!
ベンチはぽかぽかで気持ちいいし…あー、昼寝したい!
ビーフシチュゥも食べたかったなぁ。

中山峠を過ぎたあたりから、ぬかるみ地獄の始まりでした。
完全に「これ、池でしょ」レベルもあります。
生物いないか、探しちゃいましたよ。

中山展望台もいい眺め~。
今日はいい眺めばかり。
写真ばかり撮って先に進まない!

この季節は特に、日なたと日陰で全く体感温度が違います。
といってもずっと半袖なんですけどね。
日陰だと涼しいなぁ、くらいなんですが…なぜか前からいらっしゃる方や追い抜く方は薄手のダウンを着ている…どうしてだろう。
これからくる更年期が心配でなりません。
もっと暑がりになったらどうしよう。

最後の下り、なぜか渋滞中。
苔を眺めます。
あ、芽みたいのが出てる。

約束の時間より前に到着できました。

今日もいい景色をいっぱい見たなぁ。
楽しかった!

八ヶ岳 唐沢鉱泉

送迎車が走り出し、酔いそうなのですぐ眠りました。
20分が過ぎた頃でしょうか、未舗装の道になりガタガタ揺れています。
道の両側は、葉っぱの緑色が淡い木々に囲まれており、きれい。
気温が下がったのでしょう、車内の窓が曇っています。

40分ほどで到着。
森全体がけぶっており、いい雰囲気。
玄関の温度計は11℃、どうりで涼しいわけです。
標高は1870m。

八ヶ岳名湯 唐沢鉱泉


登山口にある旅館らしく、登山届を入れるポストもあります。

館内には、ドライフラワーや動物の剥製がたくさんありました。
空気が乾燥しているので、ドライフラワーがきれいにできるそうですよ。
剥製は…こんな数を見たのは初めてです。
鹿やら熊やら鳥やら。

室内にトイレと洗面所はありません。
ひとりで使うには広い個室。
テレビもあります。
スマホの充電はもちろんできます。
auは圏外でしたが、Wi-Fiあり。


登山の前後泊に利用する方も多いようで、少し安めの登山プランがあります。
料金は11,000円ほど、大部屋で食事内容も違うそうです。
プラス4,000円(ひとり利用の割増料金含む)くらいでしたが、個室利用の通常プランにしました。
ここは温泉旅館です。
山小屋ではありません。
チェックインしたあと温泉に入ったりして、のんびりと長い時間を過ごせるわけです。
浴衣やタオルがあれば、温泉で汗をかいても、少ない着替えを気にすることもありません。

さっそく、布団をちゃっちゃと敷いて温泉へ。
布団がセルフサービスっていいですよね〜。
温泉のあとは、すぐごろんしたいもん。

談話室には、たくさんの本、漫画、山の雑誌があり、夕食までの時間も飽きません。

立ち寄り湯(700円)の営業中なので「誰かいるかなぁ」と思いましたが、いませんでした。
6人ほどでいっぱいの熱めの湯と、3人でいっぱいのぬるめの湯。

苔や葉っぱがいい感じです。
洗い場は5つ。
秘湯シャンプーって…。

打たせ水(湯、ではありません)と、熱めの湯とぬるめの湯の間に出ているツボに注がれている水の2ヶ所が源泉です。
温度は10℃。

源泉だから冷たいって分かっていたけど、打たれてみたら思った以上に冷たかった。
すぐに熱めの湯へ飛び込みました。
熱めといっても、普段入ってる温度プラスちょっとくらいの熱さです。
余裕で10分は大丈夫。
こちらで温まってからでないど、特にこれからの季節、ぬるめの湯だけじゃ耐えられないと思われます。
ぬるめというか…私にとっては冷ため。
宿の方は、こちらにゆっくりつかると疲れがとれると教えてくれたのですが…私にはムリっぽいです。
炭酸泉とのことですが、今までいくつか行った炭酸泉と違って、泡がたくさんつくわけではありません。
苔むした岩を見ながら、2つの湯を交互にのんびり入りました。

ひとつ注意です。
浴槽の内側、側面の金属の穴に体をくっつけないようにしましょう!
熱湯(と思うくらい熱い)と冷水が出てきます。
ビックリします。
そのとき出ていなくても、いずれ出ます。

入浴時間は、7時から22時まで。
普段の登山なら、すでに歩いている時間ですが、明日は朝まで風が残る予報だったため、歩行時間を6時間未満と短くしてあるのです。
やったぁ!
朝風呂も入れる!

夕食は、17時30分から。
とってもおいしかった。
おかずがいっぱい〜。
川魚の甘露煮は、頭からしっぽまで全部食べました。
汁物が最高!
きのこ類がたっぷりで、おかわりしたいくらいでした。

夜、館内はストーブがついていました。
確かに食後は暖かったけれど、夜は浴衣1枚じゃ冷えます。
明日の朝は、茅野市の最低気温が9℃。
ここの標高を考えると、相当冷え込みそうです。
空気、澄んでるかな。
楽しみだな。

また温泉はいろーっと。
こんな山旅もいいなぁ。
贅沢になっちゃうなぁ。

下山後に泊まるのも贅沢ですが、ここに泊まって不要な荷物は置いて山を歩き、宿に戻れば温泉にいれてもらえるし、また茅野駅まで送ってくれます。

お土産コーナーには、間違いなくおいしいだろうと思われるジャムが。
でも重いから買えない。
残念だ。

明日、山に登るとは思えないほどくつろいでいました。

朝の気温は6℃でした。
朝食も期待どおりのおいしさ!

おいしいご飯で重くなった体で、天狗岳へ向けて出発します。

続きはまた…

北八ヶ岳へ その1

アルプスの秋は短い。
そしてこの美しい季節は、秋雨前線や台風で雨が多い。
9月下旬に有給をとってあったものの、保険をかけて10月上旬にも有給をとっておきました。

どちらかは行けたらいいな、と思っていたのに…9月は室堂から薬師岳まで快晴で山歩きを満喫したのに…欲張りになっていました。
10月もやっぱり行きたい!

立山から入って、称名滝〜大日岳〜剱岳別山立山三山〜黒部ダムを歩きたいなぁ。
なんて計画をたてていました。

夜勤の明け休みを入れて5日間の休み。
ところが、3日目まで雨や雪予報。
あきらめました。
もう長期の休みはとってないし、中旬以降は雪が降りだすだろうし、12月からは立山黒部アルペンルートが冬季休業になります。
また来年のお楽しみにします。

でも、せっかくのこんな長い休みですから、どこか行きたい。
気象庁の週間天気予報を参考にすると、いいのは九州だけ。
九州にも登りたい山はあるけれど、直前だから安いツアーも申し込めないしなぁ。
往復の交通費が高すぎる。

考えこんでいるうちに、休みが始まりました。
どうしよどうしよ。
困ったときの北八ヶ岳、雨でも楽しめるここに決めました。
雨でも苔が美しいから歩いていて楽しいし、ルートを選べば森の中を歩けるので、風が強くても危なくない。

今日はまだ雨と曇の予報だったので、のんびり移動日にしました。
バスタ新宿から出ている岡谷駅行きに乗り込みます。
順調にいけば、3時間ほどで「中央道茅野」バス停。
そこから20分ほど歩いて、茅野駅に到着。

茅野駅周辺には、たくさん食事ができる店があります。
あずさで来たなら、駅構内の立ち食いそばにするんだけれど…ありすぎて迷っちゃって、駅ビルのカフェにしてしまった。
やっぱり蕎麦だったよな。
なんでカフェにしちゃったかなぁ…。
雨のなか、高速道路のバス停から歩いてきて座りたかったんだな…。
寒天をつかった抹茶パフェにしましたが、寒天が多いわけでもなくフツウ。

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あぁ、大事な1食を…後悔が大きいです。
その土地のおいしいものを食べたいのに!

茅野駅には、「かんてんぱぱ」のお土産がたくさんありました。
かんてんぱぱは伊那ですが…茅野でも、かんてんは名産品のようです。
見たことない品数でおもしろい。
以前、八ヶ岳を歩いて茅野駅へ戻るときは、寒天料理を食べてから帰っていましたが、何年か前に閉店してしまいました。

13時、茅野駅西口の交番前、唐沢鉱泉の車が迎えに来てくれました。

送迎車に乗り込み、他の方を待ちます。
山の格好をした女性が続々と到着。
フシギ。
なんで、あずさに乗って茅野駅に来ただけなのに、熊鈴をリンリン鳴らしているんでしょう。
お仲間の方、注意してほしいです。
慣れすぎていて気にならないのかもしれませんが、本当に耳障り。
うるさい。
あずさの中でも鳴らしていたんでしょうねー。
ここに熊はいないけど?

今宵の宿へ向けて出発です。

続きは明日…

増上寺へお散歩

紅白歌合戦のあとの「ゆく年くる年」。
ハイテンションな紅白から一瞬にして、おごそかな新年を迎える雰囲気に。
ここ数年は、紅白歌合戦を観戦(観戦でいいのでしょうか? 男女に分かれて戦う意味が未だに分かりません)することもなく、すでに寝ていて除夜の鐘で目が覚めるという生活なのですが、昔はこの番組、好きでした。

都営大江戸線の大門駅前で下車。
目指すのは、たまたま目が覚めて「ゆく年くる年」で見た「増上寺」。

その前に、芝大神宮があります。

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なんでしょう、生姜塚って…初めて見ました。

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この日、増上寺前は2020年のオリンピックのマラソン代表の選考会を兼ねたレースの日で、警備中。

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ぜひ奥までお進みください。
赤い帽子をかぶったかわいらしいお地蔵さまがたくさんいます。

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ほんとに都心にあるんだなって気づきます。

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壁には見事な龍が。

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先月、日光東照宮に行ったので、芝東照宮を目指します。

途中に仁王像。
好きなんですよね。
足の先まで力強い。


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あ、おみこし!

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夜勤明けで眠くなってきてしまいました。
新宿でご飯でも、と思っていましたが帰ることにします。
都会のお散歩もいいものです。
たった半日、いつもと違う場所を歩くだけでとっても楽しい。