登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

景信山~陣馬山(陣場山)~藤野駅へ

珍しく、平日以外のお休みでした。

高尾山は激混みでしょうから、行かなーい。

景信山スタートにします。

高尾駅から小仏バス停へ。

ズラリと並んでいましたが、バスが2台出たため、全員着席できました。

 

8:55

小仏バス停から緩やかな上りです。

ウォーミングアップがてらゆっくり歩いて、10分ほどで登山口へ。

 

本当に歩きやすい道〜。

高尾山から陣馬山の山々では、景信山がいちばん好きです。

 

降り注ぐ陽の光。

すでに汗びっしょりですが、なんだか気持ちいい。

 

もうすぐ山頂〜。

 

10:00

登山口からの標高差は、400mちょいです。

 

「もう、餅つきに来ないの〜?」

と、茶屋のお兄さんたちに声をかけられました。

 

予約するために汗だくで登ってきたのがよっぽどインパクトあったようで、1年に一度くらいしか茶屋がやっている(土日祝)日には来られないのに、覚えててくださるんです。

 

天ぷら、今日はお休みですか?

注文がひっきりなしに入るので、いつもこの看板の下にお母さんがいらっしゃる印象でしたが、甥っ子さんの結婚式で今日は山に上がってこないとのこと。

モミジの天ぷら、食べたかったなぁ〜。

 

でも、モツ煮となめこうどんがある。

やっぱり、うまーい。

甘めの味付けが好みです。

持参したプチトマトと、山梨県の道の駅で買ったシャインマスカットとともに。

 

この日はガスっていましたが、景信山は眺望がいいのです。

ベンチもたくさんありますし、ゆっくりできます。

 

10:35

さてと…

城山へ行ってかき氷を食べて、相模湖駅へ下山しようと思ってたけど、もうちょい歩こうかな。

陣馬山方面へ。

本当は「陣場山」という漢字が正しいようですが、山頂に馬の像もあるし、「馬」の方がしっくりくるので、陣馬山と書かせていただきます。

陣場山と陣馬山 どっちが正しいの~高尾通信

 

 

このあたりで、猿は何度も遭遇したことがあるけれど…

熊はないなぁ。

 

葉っぱ、かわいい〜。

 

ずっと、いい道です。

 

まき道があれば、まく!

20代の頃の自分に、鼻で笑われそうです。

そんなだから体力落ちんだよ、って。

 

この木だけ、周りと違う。

 

混ざりあった色も好きです。

 

11:55

明王(みょうおう)峠

 

高尾山だけじゃ、もったいないです。

ずっと道は続いています。

 

12:40 陣馬山

標高は855mで、景信山より100mちょっと高いです。

 

茶屋のハシゴだ〜。

2軒あるけど、どっちにする?

景色が良さそうな茶屋にしよう。

注文して待っている間、テラス席から景色を堪能します。

グラデーションがいいなぁ…

 

シャインマスカット、残しておいてよかった。

山で果物をいただくと、とてもリッチな気分になります。

山菜きのこそばは具沢山!

さつま揚げも入っていました。

 

もう1軒の茶屋には、手ぬぐいがあります。

 

13:20

トイレをすませて出発。

タヌキとキツネの絵がかわいい!

 

来た道を戻り、この分岐から藤野駅へ。

栃谷尾根を下山します。

 

この道、初めてかも。

 

けっこう急坂。

若者がスピードを出して下っていましたが、膝を痛めてしまったようで…

仲間が心配そうでした。

膝と爪先を同じ向きにして歩かないと、痛めます。

 

でっかいスズメバチがいました。

こわいっ。

遭遇率は、熊より蜂の方がずっと高いですよね。

 

梅干しとキゥイが、今の流行りなのか。

この組み合わせ、多数。

 

のどか〜。

 

梅干しとキゥイ以外を発見!

 

14:20

まだ、4kmもあるの〜?

舗装路になると、途端にテンションが下がります…

 

トンネルの中では、ちびまる子ちゃんの歌を大声で歌いました。

響いて、とっても気持ちいいんですもん。

たまに車は通りますが、歩行者はいませんし。

 

15:20

藤野駅に到着〜。

舗装路が約1時間でした。

長かった!

 

駅前に、お菓子などを売っているお店があります。

ゴマのクッキーや、味噌おやきを買いました。

電車が来るまで30分近くある。

いただきまーす。

クッキーが特においしかったです。

ここを通るときがあれば、また買いたい。

 

 

高尾の紅葉は、これから。

低山歩きが楽しい季節がやってきました。

 

 

川浦温泉 山県(やまがた)館

甲武信ヶ岳から、徳ちゃん新道を下って西沢渓谷の入口に到着。

登山口から30分もかかってしまった。

信じられない。

ツレが迎えに来てくれていました。

感動の再会を演出すべく駆け寄りたいのですが、よちよち歩きの赤ちゃんみたいにしか歩けない。

ツレが撮った写真を見たら、山小屋でよく眠れなかったから顔はむくんでるし、手だけ前に出てるし、キョンシーみたい…

我ながらしょぼい!

 

お腹すいたー。

ほうとうを食べに行きます。

山梨・河口湖・山中湖のほうとう専門店『歩成』

フルーツライン店へ。

里芋のからあげをまず、パクリ。

甘じょっぱくて、ねっとりとしていておいしい~。

ここは1品料理がけっこう好みなのです。

ほうとうは、きのこにしました。

 

温泉に1泊していきます。

何度目だろう、ここにとまるの。

川浦温泉 山県館 【公式サイト】 源泉100%かけ流しの宿

シャワーも源泉です。

湯船から湯があふれています。

露天風呂はかなり、ぬるめ。

私たちがこの宿に来るのは、秋までなのです。

冬は露天風呂の温度が低すぎて温まれないので…

 

秋は食べ物がほんとにおいしいですね~。

今回は、どれもおいしかった。

むかごとくわいの天ぷら。

うまーい。

 

ふかふかの布団で、ぱたりと寝ました。

昨日はドスンドスンという振動で、寝た気がしない。

 

スッキリ目覚めて、朝風呂へ。

混浴のでかい露天風呂にします。

夜は大声でしゃべる人たちがいたのでやめましたが、朝は空いていました。

ここも、適温で入れるのはひとつだけ。

あとは、ぬるい&冷たい…

 

朝ごはんに出てくる、温泉で炊いたお粥が大好きです。

すごく温まります。

温泉ってすごいなぁ、と改めて思うのです。

おかわり!

 

 

道の駅花かげの郷まきおか

私はシャインマスカットが好きですが、お高い。

毎日、気軽に買える果物ではありません。

ツレが「すごく安いシャインマスカットがあったよ」と、私と会う前に下見してくれていました。

チェックイン前に買って、試食済み。

皮がパツッ!

甘い!

これで600円?

信じられません…

帰る日にいっぱい買って、お土産にしました。

 

シイタケの大きさにビックリしたので、写真はシイタケがメインになりました。

 

あれ?

脚の疲れは、どこいっちゃったんだろ?

筋肉痛にもならず。

温泉効果だ、きっと。

 

乾徳山など、このあたりには日帰りできる山がいくつもあります。

そして温泉に泊まる。

最高!

 

金峰山~甲武信ヶ岳へ その4

7:00 

出発~。

下山したときに、生まれたての小鹿になってないといいけど…

昨日の疲れが、まだ脚に残っています。

 

そういえば、甲武信ヶ岳周辺には熊が出るのだろうか?

小屋番さんに聞いてみると「このあたりでは、見たことないなぁ」

そうなんだ~。

でも今年は出没情報が本当に多いですし、西沢渓谷へ向けて下るので熊鈴をつけていきます。

 

昨日も思ったけれど、苔がきれいです。

雨の季節、北八ヶ岳を歩く人は多いかもしれませんが、甲武信ヶ岳もいいかも。

でも急坂を登らないと、ここに着かないし。

 

7:15

右の看板にあるとおり「戸渡尾根/徳ちゃん新道」方面へ登ります。

 

5分後、戸渡尾根へ

長い長い下りの始まりです。

この分岐の標高は2440m。

ここから1000m以上、下っていきます。

 

15分下ったところで、この景色!

ダムも見えています。

下ったら、ダムの先にある温泉に行くのが楽しみです。

このグラデーション、なんともいえないなぁ…

はっ!

もう、20分たってるじゃん。

7:55 出発しよう。

 

足を入れやすいくぼみです。

 

苔の品評会のよう。

素人目に見ても、たくさんの種類の苔がついています。

芸術品みたい。

 

けっこう下ったかな?

あれー、まだ2000mきってないのか…

テンション、ダウン。

 

9:05

徳ちゃん新道の始まりです。

急坂を下っていきます。

 

色づいた森の急坂を下りながら、今回の計画を振り返ります。

いつもは「次にどこの山いこっかな~」なんですが、今回は反省をこめて…

本当は、金峰山甲武信ヶ岳笠取山雲取山、とつなげて一気に歩くつもりでした。

1週間もいい天気が続くって、あまりないよなぁ、と思って分けたのです。

無理でした。

今回にプラス3日ですもん。

歩きとおせなかったと思います。

その計画にしなかっただけでもヨシとするか。

鍛え直して、来年は雲取山笠取山を歩いてみようかな。

地図と相談。

 

視界いっぱい、いい色です。

 

 

昨日と違って、下った分を登り返さなくていい。

それだけで気持ちがラク

急坂もありますが、思いのほか色づいている葉が美しく、ルンルン下ります。

 

暑いなぁ。

小屋が寒かったのでウッカリして、タイツをはいたまま歩き始めてしまったのです。

脱ぎたい…

でも、ここでパンツ一丁になるのもね…

ちょくちょく、下から登って来るんです。

バスしか入れない登山口であれば、だいたい皆さんかたまって登ってきますが、ここの登山口のように駐車場があると、車で来る登山者の方が多いでしょうから、バラバラ。

タイツを脱ぐなんて1分ほどあればすむことが分かっていますが、なかなか「ここで脱ぐ」という決心がつきません。

 

10:05

確かに、このロープがないと直進してしまいそうです。

 

緑とのミックスもきれい。

 

徳ちゃん新道って、こんなに急坂だった?

妹とここを往復したとき、疲れなかったんですよね。

若さでしょうか。

そういうことにします。

30代前半だもんな。

 

4月末、小屋明け直後の残雪シーズンでした。

まだまだ雪が積もっていたし、気温も低かったのでレインウェアの下を着て、下山を始めました。

でも暑がりなので、徳ちゃん新道に入った頃に

「今まで転んでないし、暑いから脱ぐ」

と妹に宣言し、脱ぎました。

脱いで3歩目、尻もち。

お尻をついたところだけ、土と雪でドロドロ…

妹にメソメソしたら

「食べきれないほど、お菓子を持ってるからこうなるんだよ! 次からお菓子は300円までね!!」

えぇっ!

意味不明なお叱りを受けました…

お菓子の重量でコケたわけではないと思うけれど。

でも、300円ってさぁ。

小学生の遠足じゃないんだからさぁ。

「先生、バナナはお菓子ですか?」って挙手する子、いたなー。

今、思う。

バナナは重いよ。

チョコボールにしときなよ。

 

下山し、帰りのバスで座らずに立っていたら、行きと同じ運転手さんでした。

「どうしたの? 座らないの?」

と聞かれ、

「尻もちついちゃって、ズボンが汚れてるから立ってます」

「座席にビニール敷いてあるから大丈夫だよ。あとで拭くから座りな~」

妹のお叱りのあとなので、余計にしみました。

 

やっぱり下りは苦手。

葉っぱを見ながら、写真を撮りながら、が理由にならないくらい遅れてますね~。

下りが遅いことは自覚しているので、下りのときは地図のコースタイムにプラスした計画をたてるようにしています。

 

標高が1300mをきった頃、水の流れる音が大きくなってきました。

西沢渓谷は近い。

太ももがプルプルしてきた。

 

10:50 登山口

着いた…

 

ここから舗装路です。

ツレが待っている駐車場の先まで、とぼとぼ歩きます。

 

疲れたわー。

でも、やっぱり思います。

登ってよかった。

 

泊まりながら山をつないで歩くのは、今年はこれで最後かな。

丹沢へ行きたいなぁ。

あと、御在所岳も!

青春18きっぷで愛知まで行くか~。

 

続きます。

 

 

奥秩父 甲武信(こぶし)小屋

トップページ - 甲武信小屋

懐かしい。

この看板、変わってないや。

小屋への到着は16時を過ぎてしまいましたが、山頂でゆっくりしての到着なのでヨシとします。

このルートは、しばらくいいや…

 

2食付きで8500円。

mont-bellカードやアプリの提示で、250円引いていただけます。

水も湯も、100円です。

雨水ではなく、下の沢からひいているそうです。

 

ここもトイレがきれいでした。

使用した紙は、壁の小さなドアを開けてゴミ箱へ落とします。

食堂や寝床と別棟なので、全く臭いません。

屋根があり、雨でも濡れずに行けます。

テント泊や通過のときは、外から入れます。

トイレ棟の気温は8℃でした。

ストーブがついている1階は暖かいですが、2階にある寝床はヒエビエしています。

吐く息は白い。

乾燥室はありませんが、頭上に渡してあるロープに脱いだものを引っかけることはできます。

壁にくっつけて干すと、衣類がヒンヤリしてしまうのでご注意を。

そうやって干していた人のダウンが、湿っていました。

濡れると保温力を発揮できないものもあります。

 

オープンな台所。

ここに並んで受け取ります。

 

17:00

二晩続いて、カレーでした。

でも、味が全然違うので飽きません。

甲武信岳のカレーは、私にとってはかなりスパイシーです。

でもパクパクいけちゃう。

温まりました~。

右奥はブドウゼリーです。

 

この日は、おかわりナシでした。

もっと盛ってもらえばよかったなー。

足りない。

 

20:00 消灯

消灯後も、トイレなど行きやすいようにでしょう。

いくつか灯りがついたままです。

私はアイマスクをしていたので気になりませんが、みなさん毛布を顔まで上げていました。

それより!

トイレ棟へ行く際に開閉する扉の音!

ドアが最後までちゃんと閉まるように、重りがついています。

最後までノブを持てば静かにしめられるのに、手を離してサッサといってしまうと…

誰か階段を転げ落ちたか?

くらいの振動が寝ている体に、どんっと響く。

何度かビクッと目覚めました。

途中から慣れましたけどね…

起きていれば、ただの大きい音で済みますが、寝てるとこんなにも響くんだ。

夜中は普通、そっと閉めるもんだと思いますけどね。

 

そして、朝早く出発する人の物音で4時前に目が覚めました…

朝ごはんは5:30なんです。

早すぎるので、お布団でゴロゴロ。

 

暖炉って、あたたかい。

体だけでなく、目にも。

 

日の出の時間に甲武信ヶ岳の山頂へ行けば、美しい光景を目にすることができます。

山頂までたったの25分、それでも今日は登る元気が出ませんでした。

それくらい、疲れてしまった。

久々です、こんなの。

鳳凰三山のときは、1時間かけて薬師岳へ行くのが全く苦にならなかったのになぁ。

その前日に10時間以上歩いていたのだけれど。

 

小屋の前から、夜明けを。

いい色~。

 

5:30

茶碗蒸しと漬物がおかずです。

食堂から、刻々と変わる空の色が見えます。

 

食べ終えた頃には、明るくなっていました。

山頂へ行けたらよかったな。

残念。

でも今日は長い下りが待っています。

無理はしない。

 

「標高差がそこそこあるし、急坂の徳ちゃん新道を歩荷(ぼっか)するのは大変だろうな」

と思ったら、レースに参加する方が足慣らしのためにやってくれることもあるそうです。

小規模な小屋はヘリではなく、歩荷で毎日の食材などを運びます。

歩荷 | 登山の用語集-ヤマレコ

 

ぼちぼち、出発しよう。

ツレが下で待っていてくれています。

 

続きます。

 

金峰山~甲武信ヶ岳へ その3

なんて、手がかかった階段なのでしょう…

脚を高く上げなくてもいいように、真ん中が削られている。

これだけの階段を設置するの、大変だったろうな。

階段か、木道か。

30分、ミックスの状態です。

階段は同じ高さでの足上げが続くので、疲れてしまう。

苦手です。

歩きやすい階段にしてくださっていることに感謝しつつ、とぼとぼ歩きます。

 

夢の庭園ですって。

これから歩く道とあまり変わらないような気もしますが、こっちへいっても登山道に合流できるので歩いてみました。

 

やったー。

夢の庭園の先は、山っぽい道になりました。

 

展望がひらけると、急に元気が出ます。

 

10:00 前国師岳 △2570

 

10:10 国師ヶ岳 △2591.9

 

富士山はもちろん美しいですが、富士山の手前にある山々のグラデーションが本当にきれいです。

灰色がかった水色の濃淡が好き。

 

シラビソの香りでしょうか。

甘い香りが森の中に漂っています。

南アルプスの香りを追い求めて|十山株式会社

 

トンボのような影が、石にうつっていました。

シャクナゲの葉っぱです。

 

ピンクテープの目印がこれでもか、というくらいあります。

結局、この日、大弛峠から甲武信ヶ岳まで誰ひとり会いませんでした。

いつでも迷わずにいたいものですが、ずっとひとりのときはなおさら。

不安になったら、何度も振り返って景色を覚える。

覚えられなければ、スマホでパチリ。

ここの登山道のようにピンクテープがあれば、行く先にテープがあるかを確認しながら歩く。

見えなければ、後ろのテープの位置を確認しながら進めば、間違えてもすぐに戻れます。

奥多摩の山では、山歩きを始めた頃によく迷いましたもん。

どうしても分からなくって、戻って下山して温泉に行っただけになった日もありました。

北アルプスなどでは「ここしか歩けない」というところに道がつけられていることが多いですが、里山は登山道だけでなく、山菜をとる人が歩く道、林業に従事している方が使う道もあります。

 

ぐんぐん下ります。

地図では「倒木多い」となっていましたが、切ってあって整備されていました。

またいだり、くぐったりは時間がかかるなぁ、と思っていたのでホッ。

えー、まだ下るの?

もう、標高差400m以上、下ってるけど…

展望もないので、テンションがどんどん下がっていきます。

そういえば、いい香りもいつの間にかしなくなってるし。

 

11:40 国師のタル △2145.6

タルってことは、ここが底ね。

コル | 登山の用語集-ヤマレコ

もう下りたくないよぅ。

 

はいはい、登りですね。

がんばろー。

 

12:00 三角点

 

これは、こぶ?

こんな大きいこぶがついていて、木は大丈夫なのだろうか。

「こぶは菌にやられたあとのカサブタみたいなもの」とも聞いたことがありますが…

それにしても、でかすぎやしませんか?

 

ペースが落ちているのが分かる。

明るいうちに着けるだろうか。

不安になってきちゃった。

でも、さっき歩いていたよりも明るい森で、ちょっと元気がでてきました。

 

12:20 東梓 △2271.8

地図にあるコースタイムより、やっぱり遅いや。

2時間のところ、2時間10分かかっています。

ちょっとイヤだな。

がんばらないと。

 

倒木をくぐったり、こえたりを数回。

ルンルン歩いていたら、やっぱり下り始めたー。

地図で分かっていたけれども…

そして、また登るー。

 

展望がひらければ、元気でるんです。

だから、お願い!

13:10

やったー。

山々がまとう、秋の色の暖かさ。

きれいだなぁ。

でも、ここも10分以上オーバーしてる…

さっきは2時間のところを10分オーバーでしたが、ここは40分のところ。

そこを10分オーバーって。

計算がずれていく。

さっきのオーバーより、ずっとまずい。

 

本当は少し休みたい。

いつも地図のコースタイムの6~8割で歩いているので、すごくビビっています。

気持ちがツライ。

 

まだ、アップダウンが続きます。

脚を動かせるのは自分だけ。

前に出せていれば、必ず甲武信ヶ岳へ着ける。

無心で歩きます。

焦らず、急ぐ。

1歩を焦れば、事故のもと。

 

13:40 

ほんとですか?

2時間で着きますか?

 

13:43 富士見 △2373

富士山が見えないのに「富士見」ってついているところ、いっぱいあるなぁ。

富士山どころか、なんも見えない。

この計画、もともとダメだったんだ。

いつも、昼過ぎには到着する計画にしているのに。

金峰山をもっと早く出発していなければならなかった。

初めて歩く道だったので、暗い時間に歩くのを躊躇したのです。

 

お腹がなってる。

パンを食べながら歩き続けます。

苔、きれいだなぁ。

雨の日、歩きたい。

でもアップダウンは、いやや…

 

1歩が重い。

でも、振り返って歩いてきた道を見下ろすと、さっきここを見上げた場所は、とっくに見えなくなっているのです。

ちゃんと進めてる。

がんばれがんばれ。

自分の選んだ道。

 

14:30 水師 △2396

 

14:35

また富士山が見えました。

風が気持ちいい。

アップダウン続きで汗をかいていました。

 

14:40 源流への分岐

「最初の1滴」や「源流」って好きなんです。

でも今日は行けない。

 

ザレ場になりました。

疲れた脚には歩きにくいですが、景色がいいのが嬉しくて。

 

え?

あれ?

着いた。

甲武信ヶ岳に、着いた。

15:05 △2475

地図のコースタイムどおりなのですが、なんか信じらない。

富士見から2時間かかるところを、1時間30分かからずに着きました。

さっきオーバーした以上を、ここで取り返せたってこと?

13:40頃通過したところに「甲武信ヶ岳まで2時間」とありましたが、そこから1時間30分でした。

 

この写真の真ん中、いっぱい拡大しないと見えないのですが、金峰山の五丈石のでっぱりがあるのです。

涙があふれました。

これから歩く道が見えるのもいいけれど、歩いてきた道が見えるのは本当に嬉しい。

あんなところから歩いてこれたの?

信じられないです。

来てよかった。

がんばれてよかった。

心が、ぐぅぅぅぅっと震えています。

ちょっとゆっくりしよう。

この景色を忘れずにいられるように。

「できるだけ早く小屋へ着かなければ」と思っていたけれど、今はここにいたい。

 

大弛峠からこっちで、初めて座りました。

16時過ぎてしまう(ツアーの団体さん20人が17:30着でした。すでに真っ暗です)かも、と思ってたからホッとした。

 

15:45

小屋へ向けて出発

下りで20分弱です。

 

良かった、麦茶が足りて。

途中で補給できませんでしたからね。

大弛峠には自販機とかあったのかな。

 

16:05 △2380

甲武信小屋に到着しました。

 

続きます。