登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

山歩きに必要な3点セット

高価ですが快適に歩くために必要な3点セットをご紹介します。

年始には各メーカーが福袋も販売していたりするので、見に行ってみるのもいいかもしれません。

最初は好きなデザインを買ってみてもいいですよね。

 

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「上下が分かれたレインウェア」

山では雨風が横からも下からも吹きつけます。

ポンチョタイプは、ザックもすっぽり覆えるし、下から蒸れを逃すことができるので、森の中を歩くにはいいですが、周りに木もなにもない!というところでは風でまくれ上がり、すぐに濡れてしまうでしょう。

 

体にフィットした上下別を持っていきます。

いちばん上に着るものですので、サイズ選びは念入りに。

冬でも着られるように、中に重ね着をして最後に着ます。

フードの角度もいろいろです。

視界の確保も大切ですので、フードをかぶり、顔を動かしてみてください。

 

雨を防ぐレインウェアは、もちろん風も防ぎます。

ウィンドブレーカーを別に持っていく方がいますが、レインウェアで兼ねることができ荷物を減らせます。

 

レインウェアかそうでないかは、裏地を見れば分かります。

シーム処理といって、縫い目を裾上げテープのような幅のテープが覆っています。

全ての縫い目に対してその処理がされているのです。

だから縫い目から雨も風も入ってこない。

体を動かしやすくするために、体のカーブに沿った裁断がされているウェアは当然シーム処理をする箇所が増えますので、お値段もアップします。

 

あとは生地です。

素材はゴアテックスでないとダメなのか、とよく聞かれますが実際はそんなことありません。

手入れをされていないゴアテックスと手入れされているゴアテックス以外のもの、この場合はもちろん、きちんと手入れされている方に軍配が上がります。

ゴアテックスだろうと、汚れればメンテナンス(使用後は洗ったり撥水加工をしたり)は必要です。

水を弾かなくなれば、そこからじわぁっと水が染みてきます。

 

また、蒸れを発散できるかの違いもあります。

自分の汗で濡れているのか、雨が入ってきて濡れているのか…どちらにしろ冷えてしまいます。

冷えた体を風でさらに冷やす。

最悪の場合、歩けなくなることもあります。

蒸れの発散を数値化したものを透湿性といいますが、この数値によってもお値段は大きく変わります。

ゴアテックスは耐久性と透湿性のバランスが優れているため、人気なのです。

 

ゴアテックスは、ますます高価になってきたため、今は各メーカーでオリジナル素材を開発しています。

2000メートル以下の山をのんびり歩く方と、3000メートルの岩壁をガシガシ登る方とでは、必要な生地の強度が違います。

人によっては、着心地を重視してもいいと思うのです。

 

尖っている枝や岩に注意して歩ければ、破れずに数年はもちます。

もちろん手入れは必要です。

私は8年もちましたが、なんと山ではなく、下山後に寄った温泉で破いてしまい買い換えました。

破けなければ、まだ着続けられたと思います。

 

試着してみて

  • 肩や肘などが突っ張らないか
  • ザックを背負ったときにポケットが干渉しない位置にあるか
  • 膝の曲げ伸ばしはどうか
  • 上下とも長さが充分か(下は登山靴と合わせて試着してほしいです。普通の靴と比べ大きいので、短いとその間から靴に雨が入ってきてしまいます)
  • 股上の深さが合っているか(ザックで上がずり上がることがあり、背中が出やすいため、下はすっぽり丈にしてくださいね)
  • 手入れ方法を店員さんに確認

をチェックしてください。

出番が少ないにこしたことはないレインウェアですが、悪天候でも命を守ってくれる大切なものです。

雨でも楽しく歩けるように、お気に入りのカラーと着心地のものを見つけてください。

 

 

「登山用のザック」

街歩き用とは違います。

細部まで登山のことを考えて作られています。

生地が丈夫であったり、歩いている最中に使いやすいような小物ポケットだったり。

または、引っかけないように全くポケットのないシンプルな形だったり。

背面も大量にかく汗を抜けやすくしたり、乾きやすい素材です。

 

各メーカー、色やデザインもさまざまですが、気に入ったザックがその人の背中に合うとは限りません。

同じメーカーでも、シリーズが違えば全く背中が合わない場合もあります。

必ず試してほしいです。

 

余談ですが、お店で試して「ネットで買えばポイントがつくから」と帰ったお客様…

数日後、「ネットで安く買えてラッキーと思ったら、今シーズンのものではなく(改良されていたんですね)背中も合わなかったし、色も思っていたのと違っていた」とのことで、改めて買って行かれました。

もし、お店で充分に試し店員さんの知識をたくさんいただき役立ったなら、私はお店で買います。

ネットで買うと確かにポイントもつくし、家まで配送してくれるしラクチンです。

でも実際の店舗が無くなってしまったら困るのです。

特に山のものは、たくさん試して買いたいものが多いので。

 

日帰りから1泊では、30リットル前後をおススメしていますので、そのサイズで気に入ったザックを全て背負ってみる!くらいでいいと思います。

時間がかかります。

お休みの日に気合いれてお店へどうぞ。

いくつか背負うと分かると思います。

「あれ?これはすごくしっくりくる」というザックにきっと出会えます。

出会えなければ、もっと背負ってみてください。

 

ザックは、大体5ステップが必要です。

慣れれば目をつぶってでもできる手順ですが、最初は順番がこんがらがるかもしれません。

この手順を守ると、各部をゆるめたまま背負った瞬間には分からなかったフィット感になります。

手順を守ってもフィットしなければ、背面の長さが合っていない、肩幅が合っていないなど理由が考えられます。

女性が男性のザックを背負うと胸のふくらみに干渉して痛いこともあります。

女性用はそのため、肩から腰にかけてが男性用よりカーブしておらず当たりにくいです。

私が山歩きを始めた頃は、男女差をはっきりさせたザックを見つけられなかったため、毎回アザになるのを我慢して背負っていました。

本当に痛かった。

今は快適で「山ガールブームがきて、この点は良かったなぁ」と思っています。

 

逆に華奢な男性、小柄な男性が女性用を背負ってぴったりくることもあります。

肩のライン、腰の幅など女性用の方が小さく作られていることが多いですから。

いくつか試したけどダメだったという方は、女性用を是非お試しください。

カラーも男性用にはないカラーがあることも!

 

ザックの重さは肩で背負うのではなく、腰で支えます。

腰のベルトが合うかも重要です。

腰骨に当たって痛ければ、結局荷物の重さを腰で支えられません。

どこかが当たる…痛い…だと使わなくなってしまいます。

背中や腰が快適だと疲れも違いますよ。

 

お店には、5キロや10キロの重りがあります。

入れてみると、合うザックと合わないザックでは同じ10キロでも重さの感じ方が違います。

是非、比べてみてください。

 

何時間も、何日も必要な荷物を入れて共に歩くのです。

自分で背負える重さしか、山へは持っていけないのです。

ザックが合うか、本当に大切です。

  

私は以下のザックを愛用しています。

日帰り~小屋3泊くらい

 

テント泊や、1週間の小屋泊で食材を持っていくなど荷物が多い時

男性だと「バルトロ」です。 

 

レインカバーがついていない場合もあります。

別売りしていますので、サイズを確認して一緒に購入してくださいね。

悪天候で使うことがほとんどですので、目立つカラーがいいですよ。

 

 

「登山靴」

これもザックと同じで、合う靴に出会えるまで試し履きを繰り返すしかないです。

お店にはウールの靴下も置いてありますので、その分厚い靴下を履いてから靴に足を入れます。

この時点で当たる、など違和感がある靴は完全にアウトです。

お店で試してピッタリでも、山で歩くと痛いということがあるものなので、最初からダメなものは諦めましょう。

気のすむまで試しましょう。

夕方、足がむくんでるくらいの時間がいいかもしれません。

山歩きも、足がむくむことがあるのです。

 

軽いハイキングなのに、最初からガッチリした靴は必要ないと私は思っています。

痛ければそれだけで、山を歩くのが大嫌いになってしまいそうです。

雨に濡れないハイキング程度であれば、底がつるっつるでない履き慣れたスニーカーでいいです。

 

底がしっかりしていると、滑りにくいし、木の根を踏んでも痛くなかったり、小さな足がかりしかないような場所でも体を支えられたりします。

スニーカーじゃ歩けない山にも行ってみたいと思ったら買って、足が痛くなったらすぐに帰れる低い山で履き慣らしていけばいいのです。

まずは歩くことを好きに、楽しみになっていただきたいです。

 

職場の人たちが山歩きを始める際にすすめて、誰も靴擦れがなく快適に歩けたそうなので、どの靴から履いてみようか迷ったらお試しください。

キャラバンは日本のメーカーですが、海外の靴でも日本人の足に合うように足型を工夫しているメーカーもあります。

キャラバン – 登山靴のキャラバン公式サイト – 株式会社キャラバン