登山口にあるポストに登山届を入れたこと、ありますか?
今は、個人情報の観点と利便性からインターネットでの提出もできます。
登山届を作成することで、漠然としていた計画もよりしっかりとしたものになります。
「エスケープルートは?」
「装備品は?」
といったことにも目を向けるからです。
エスケープルートとは
「天候や体調が悪化した際に、途中で下山できるルートはありますか?」
ということです。
下山できる道がないのであれば「ナシ」です。
私は「名前、住所、緊急連絡先、装備」など毎回かわらない部分をA4に印刷しておいて、日付やメンバー、歩くコースだけを記入して登山口のポストに出しています。
日帰りのときも、何日も山にいるときの最終日も
〇〇時になったら下山を開始するというルールを設けています。
余裕をもった計画であれば
「あと山頂まで10分なのに…」
くらいならおまけしてしまいますが、1時間に1本しかないバス、しかも最終バスの発車時刻に合わせての計画だとしたら?
下山を急ぐといいことありません。
もともと最終バスを予定していましたが、少し足を速めれば最終より1本早い(2時間ほど前の)バスに乗れるのではないか。
そうすれば甲府でゆっくり、鶏モツと蕎麦を食べられる~。
欲が出てしまいました。
大きめの石がずっと続くガレ場。
歩いて2日目なので体も軽く、ぽーんぽーんと軽快に石の上を跳ねていきます。
半分走っているようなものなので、歩くより断然速い。
「これならバス乗れる~」
浮石には気をつけていたはずですが、ウキウキしすぎて注意散漫だったのでしょう。
足元がグラっとし、慌てて違う石に足を移しましたがそれも浮石。
無理に態勢を変えたことによって、手より先に、左上半身を石に叩きつけてしまいました。
息が吸えない、と焦ったほどの痛みでした。
しばらくしてなんとか立ち上がれたので、救助を呼ぶことは考えませんでした。
歩けそうだし、救助ヘリは数少ないですし、こんなことで呼べない。
それに、救助を呼んでも今感じている痛みは減りません。
念のために持っているストックを出してみましたが、ストックを突くと激痛。
あきらめて再び収納します。
よたよたと歩き続けます。
1本前のバスはとっくにあきらめていますが、最終のバスはあきらめたくない。
バスなら2000円が、タクシーで帰ったら1万円オーバーですから。
バス乗り場が見えたときの安心感。
息を吸うのもやっとなのに、鶏モツ食べるなんて無理。
翌日、仕事帰りに医者へ行ったら肋骨折れてました。