歩いた人だけが行ける、山奥の秘湯へ。
那須岳のひとつ、茶臼岳山頂へは那須ロープウェイも運行しています。
標高差300メートルを一気に稼げますが、最短の山頂ではつまらないので歩きます。
ロープウェイだと、下りるとすぐに石ころだらけの滑りやすく歩きづらい道です。
山歩きをあまりしない人と行ったとき、そんな感想でした。
登りはいいのですが、下りでは滑って転んでる方もいました。
晴れていれば関東平野を一望できます。
山頂には祠があり、噴煙を眺めることもできます。
噴煙の音が、飛行機が離陸するときの音のように大きくてビックリ。
ここも4月は完全に雪山で、5月半ばでも踏み跡はあるものの雪渓が残り、歩きづらい箇所もあります。
季節を選びましょう。
途中の「ひょうたん池」は訪れた5月はまだ氷が張っていましたが、紅葉シーズンだと池が赤や黄をうつして見事だそうです。
いつか行ってみたい。でも混んでそう…こうやって行かない場所がけっこうあるんですよね。
途中で、ザックに松やにがくっついてベタベタになってしまい、ちょっと落ち込みはしましたが、大黒屋さんに到着。
予約時に「16時までに到着してください」と言われますが、山の中の小屋なら当然の時間です。
私が山小屋で勤務していたときも、当たり前のように(遅いと思っていないようです)19時過ぎてから到着される方がいましたが、予約が入っている場合は探しに行くんですよ。
山小屋まですぐそこ、というところで真っ暗になり、ヘッドランプを持参していないために全く歩けなくなる登山者もいるので、予約時に控えた行程を参考に従業員が見に行くんです。
何度も電話をかけて、やっと電話がつながったと思ったら「あー、キャンセルで」と言われると「到着しないと心配するってことが、想像できないのかな」とチクリと思ったりもします。
この温泉には、大黒屋を含めて2軒の宿がならんでいます。
山小屋というより、民宿に近いです。
個室でしたが、襖が隔てているのみで鍵はナシ。
温泉は1時間ごとの男女交代制。
なんと、その日は女性客が私だけだったので常に貸切状態。
のびのびと体をのばして、光が差し込む気持ちの良いお風呂に何度も入りました。
湯温はぬるめや熱めなどあるので、誰でもリラックスできるのではないでしょうか。
朝風呂までありました。
トイレは水洗できれい。
食事は部屋食。お膳が運ばれてきます。
米、うま!
ランプの宿なので、21時の消灯後はランプの柔らかい灯りに。
温泉でたっぷり暖まり、清潔な羽毛布団にくるまれて「ここが山の中なんて…」とぽわ~んとしながら、ぐっすり眠れました。
宿の方も感じが良かったです。
出発時も「水場がないから、いっぱい持って行っていいからね」と、おいしい水をたくさん水筒に持たせてくれました。
冷たくておいしく、最後まで元気に歩けました。