登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

南アルプス 北岳肩の小屋

標高3000メートルを超えているこんな場所でご飯が炊けるんだ…というのが初めて泊まったときの感想でした。

山歩きを始めて1年くらいで登っているんです。

技術が必要な山は、たくさん登って慣れてからにしようと思いましたが、歩き続ける体力がつけば登れる山にはどんどん登ろうと思っていましたから。

 

お盆過ぎての平日。

部屋は、大部屋1つのみです。

大部屋というか大広間というか。

到着順に寝床が割り振られ、両側には大柄な男性。

寝返りすらうてず。

直立不動の寝ているバージョン。

宿泊人数が多く満杯であったなら、致し方ない。

それなら納得します。

が…部屋の面積の4分の1も使っていなかったんですよ。

それくらい宿泊人数が少ない日だったのです。

大変な仕事だと思いますし、文句を言ってはいけない…掃除の手間とかもあるしな、とか今ならいろいろ思えますが、そのときは「なんで?」と思ってしまいました。

夕方、もう到着する人はいないだろうとなる時間に、せめて寝返りをうてるくらいのスペースを各人に割り振れるよう場所を変えてもらえたら印象は全然違っていたのにな。

 

他の山小屋(例えば北アルプスの鏡平山荘)では、こういう大部屋でも女性の隣は夫婦(そうすると奥さんが私の隣になってくれます)、とかそんな割り振りにしてくれるところが多いので、ここだけでした。

両側に2列になるのですから、「男性のみ」と「男女」「女性のみ」で割り振れば、どちらも快適だと思ってしまうのですが。 

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シンプルな配色の絵のようです

初めてのブロッケン現象や、まるで絵のような富士山を見ることができた、いい思い出の多い小屋なので、そこだけが残念です。

 

トイレは外で、臭いはきつめです。

 

北岳山荘と肩の小屋、北岳の山頂を挟んで建てられているこの2つの山小屋。

どちらも山頂から50分~1時間。

もう山頂を堪能して広河原へ下山するなら、こちらが近いです。

ただ寝場所が…もうちょっと配慮していただけないものかと思ってしまうので、私は最初に2回泊まってからは、ずっと北岳山荘を選んでいます。

大好きな間ノ岳(日本標高3位)への散歩も、北岳山荘の方が近いという理由もありますが。