登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

北アルプス ヒュッテ西岳

台風が通過する予定の翌日に宿泊する予約を入れるため、電話をしました。

私1人で泊まる旨をお伝えすると、どこから登るか聞かれたので「上高地です」。

この山域を登るとき、いつも新宿を22時30分頃に出発する夜行バスを利用して上高地へ向かっています。

 

「ムリしないで」と…なかなか電話を切らせてもらえません。

いつも10時間ほど歩いているので大丈夫、と伝えても「到着できないと思ったら、電話もらえればそれでいいので」

槍ヶ岳山荘にも1日で歩いているのですが…」

うーん、信じてもらえない。泊まりたいのにやんわり拒否?

無理して着こうと遭難してしまう(遭難って道迷いだけでなく、疲労やケガで行動不能になることも含まれます)ことを心配してくれているんだよなぁ。

まぁ、いいや。行こ。

 

当日、天気予報は当たり登山道はガラガラです。

このエリアが晴れているのにこんなにすいているなんて、初めてのことです。

ラッキー♪

すいているから自分のペースでどんどん歩けたので、予定していた時間よりもずっと早くお昼ご飯予定の場所へ着いてしまいました。

そこで話のおもしろいおじさんと出会いまして、今までに歩いた地図に載っていない道の話を聞いたりして楽しくお昼ご飯休憩。

そしてヒュッテ西岳へ向かいました。

 

 中房温泉 公式Webサイト 日本秘湯を守る会・源泉湯宿を守る会々員の宿|殺生ヒュッテ・ヒュッテ西岳のご案内

 

受付でおずおずと申し出ると「え? 本当に上高地から来たの?」

はい。

「今日は昨日までの台風で歩いている人も少ないだろうから、何かあったらと思ってね」と。

これくらい山小屋の方は心配してくださるんですよ。

距離が長ければ「無理な計画を立てずに考え直してみては? 無事に着けたなら泊まってね」を、違う言葉で伝えようとしてくれるのです。

 夏山は午後に雷雨があることも多いですし、秋は日暮れが本当に早くあっという間に暗くなります。

山岳遭難の話を何度か聞いたことがありますし、実際に近くの川で人が流されて山小屋の方が装備を持って出動していく様子を見たこともあります。

山小屋の方々は毎日そんな気持ちで働いているんですよ。

「おつかれさまでした」には、「無事に着いてくれて嬉しい」という気持ちが込められていると思います。

心配をかけないよう、探しに行った方々が遭難してしまう二次遭難にならないよう、16時までには必ず山小屋へ到着する計画をたて、そうできるようにしたいものです。

 

ここの山小屋も景色がいいですよ。

そして宿泊人数が5人に届かないと聞いて、夕食をいただきました。

おいしい…定食屋より品数が多い。

テント場も平らで寝心地良さそう。いいなぁ。

f:id:yueguang:20190307221458j:plain

ブロッケン現象はいつ見ても嬉しいです