コポコポと音を立ててゆっくり落ちていくコーヒー。
それを待つ大人たち。
優雅だなぁ。
ドレスじゃないけれど。
大好きな山を目の前に飲むコーヒーは、きっとおいしいんでしょうね。
私は香りだけ、いただきます!
夕食には、北アルプスで増えすぎている鹿の肉が入ったシチューが提供されました。
鹿肉に抵抗はありませんが、これは熱々ならおいしいと思います。
その日は混雑しており、私は夕食が2回目(食堂に一度に全員入りきらないので、夕食を希望した順に割り振られる)でした。
お腹を空かせて並んでいる私たちの横を、1回目のお客さんたちが引き上げていきます。
「あのシチュー、冷めていて食えたもんじゃないな」
という声が聞こえ、
「シチューなんだ。今日は冷えるから温かいと良かったなー」
と思いながら食卓に向かいましたが、熱々でおいしかった。
濃厚なシチューとご飯がよく合いました。
苦手な方は、メニューを確認してからの方がいいかもしれませんね。
「黒部の山賊」という本が置いてあります。
この著者が、三俣山荘を拓きました。
おもしろいですよ。
本棚にあればぜひ読んでみてください。
ぽつぽつ窓をたたく雨音に耳を傾けながら、暖かな小屋の中で本を読む。
非日常の贅沢です。
1週間も山を歩いていれば、毎日が晴れということはありません。
雨が降っても山は美しいし、山小屋でこんな時間を過ごせるのも私は嬉しいんです。
今降っている雨も、夕方にやめば幻想的な日没を見られますし、翌朝にやんでいれば空気がきれいになっていて清々しく歩けます。
ところで私は鼻がよくありません。
それでも雨が降り出す前の湿った匂いは分かります。
匂いのほかに雲を見て分かることもあります。
湿った香りがしてきたら…
山小屋までもうすぐならダッシュします。
間一髪、土砂降りになる前に山小屋へ入れたこと、何度もあります。
全く間に合わないなら仕方ありません。
それでもレインウェアを着ておいたり準備ができます。
ザックカバーもかぶせておけますし、防水ではないカメラならしまっておきます。
レインウェアも、降り出す前に着ることができれば、気温にもよりますがウェアは濡らさずに済みます(夏だと汗で濡れてしまうことも)からね。
濡れて艶やかです。