登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

北アルプス 笠ヶ岳山荘

初めて雷を近くで感じました。

山小屋から10分ほどの笠ヶ岳山頂で昼寝を楽しんでいたら、急に涼しく感じて目を開けると、すぐ向こうの空が暗くなっていました。

虫の羽音のような低いブブッという音がしたかと思ったら、髪が下敷きでこすって静電気を起こしたようにふわぁっとなりました。

体に触れると、お風呂屋さんにある電気風呂のように軽くピリピリと刺激を感じます。

「ヤバい」

一瞬で目が覚め、裸足になっていたので靴下と登山靴をはき、山小屋へ向けて一目散に駆け下りました。

幸い、数分で山小屋へ駆け込め安心ましたが、槍ヶ岳では小屋番さんの言葉を聞かずに外へ出て亡くなった方もいたそうです。

 

雷、本当に美しいと思いました。

槍ヶ岳から穂高岳への稜線をパパッと照らす青白い光。

言葉が出ませんでした。

時間にして20~30分だったのでしょうか、ずっと見つめていました。

動画を撮れば良かった。

この写真も、見とれていてハッと気づいて撮ったもの。

たった1枚だけ。

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パッと辺りを照らす青白い光



ある年にいた(それからはお会いできていません)男性の小屋番さんの天気予報がすごくて…夏から秋まで山小屋で働き、冬はその年の気分で選ぶ日本各地のスキー場でアルバイトをしているとのこと。

双六小屋から大好きな道をルンルン気分で到着。

おいしい昼ご飯をいただき、山頂まで行こうとすると黒い雲。

あーあ、と思っていたら「すぐやむよ。30分くらいしたら出る準備しておくといいよ」

え、時間まで分かっちゃうの?

…その通りでした。

案内された部屋でザックの中身を整理して、30分ほどで登山靴を履き始めたらぱぁーっと。虹まで。

「良かったね、もう降らないから(山頂で)ゆっくりしてきて大丈夫だよ。いってらっしゃい」

何者ですか?

その能力、ぜひとも欲しいです…。ザックに入れて運びたい。

 

水は、雨水を無料でいただけます。

私は平気ですが(お腹をこわしたこともありません)気になる方は煮沸をしたり、ペットボトルの水を購入しましょう。

食事もおいしいですよ。

初めて泊まったとき夕食がおいしかったので、それからは到着時にお昼ご飯+2食+お弁当もいただいています。

 

私が笠ヶ岳から下山する日、いっつも雨なんです。

笠新道(けっこう急登)をゼェゼェ登ってくるみなさんと挨拶を交わしながら標高を下げていくと、いつも半分くらい下ったところでパァーっと晴れるのですが、最初から晴れていたことがない。

その前日は毎回晴れて絶景を眺められているからいいのですが、いつになったら晴れの下山を楽しめるか。

それを楽しみに大好きな笠ヶ岳へ今年も登りたいと思っています。

 

鏡平山荘と双六小屋からの道はステキな散歩道です。

秩父平あたりにお気に入りの岩があり、そこでいつも昼寝をしています。

そこから30分ほど歩けば、笠ヶ岳までずーっと見える稜線へ。本当に気分がいい!

景色がきれいで全然進めないんですよ。

ニヤニヤがとまらず、困りますね~。

こんな道をどこまでも自分の足で歩いて行けるんだと思うと、本当に幸せな気持ちになります。

ですので登りか下り、どちらかをその道にしてみてくださいね。

オススメは登りです。

クリヤ谷は歩く人が少ない(一人も会わないこともあり)長時間のルートです。

沢を4回渡渉、1回は幅が広くおそらく濡れます。

熊が出ることも多い。

地図に書かれているコースタイム以上に時間がかかることが予想されます(8時間以上)。

初心者だけで歩くのは控えた方がいいと思います。