登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

太陽のめぐみ

6月30日になると、外は雨でも「山のシーズンだ」とワクワクしだすのですが…今年の富士山の山開きはいつもと違いました。

例年ですと、登山者がダントツで多い吉田口が7月1日に山開きするのですが、2018年の台風24号の影響で、山頂手前の溶岩の石積みが崩れており、山開きまでには復旧を終える予定だったようですが、今月半ばに積雪があったために間に合わなくなったとのことです。

山開きをしても、復旧が終わるまでは8.5合目までしか登れません。

山頂まで登るのがすべてではない、と思っていますが、富士山はなぁ…「途中でいいや」と終えられる登山ではない気がします。

山登り自体が初めての方も多いですし、やはり山頂に立ってこそ、なのでしょう。

静岡県側にも3つのルートがありますが、こちらは7月10日が山開き。

今年が特別遅いわけではなく、例年通りといった感じです。

そのうちの1つ、須走口は途中で吉田口からのルートと合流して山頂を目指すため、10日までに復旧が終わっていなければ、山頂へは行けないルートとなってしまいます。

須走ルート、好きなんだけどなぁ。オススメなんだけどなぁ。

 

さて、梅雨の真っただ中です。

週間天気予報をみても、ずっと灰色か青のマークばかり。

太陽が見えないと恋しくなるものです。

 

そして、山にいるといつも以上に思うんです。

「太陽ってすごいなぁ、あったかいなぁ」と。

 

山にいなければ、真夏の太陽に対しての思いは

「暑い…」のみ。

これでもかーっとギラギラ照りつけ、汗で顔も体もどろどろ。

2018年には「災害級の暑さ」なんていう言葉も出たほどです。

日陰が恋しい、早く夜になってくれないかな、なんて思います。

 

真夏に太陽といられることを心から喜ぶ人って…

きっと、山にいる人、海にいる人、プールにいる人。

あと、ビールをおいしく飲む人?

農家の人もでしょうか。

 

例年ですと、真夏でも標高の高い山小屋では、朝晩ストーブをつけるほど寒いのです。

そんな気温の中、外でじーっとご来光を待ちます。

太陽が出る瞬間ももちろんドラマチックですが、その前のマジックアワーがいちばん好きなひとときです。

 

太陽がまだ見えていないのに、空は暖かな橙色に染まり始めます。

 

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まもなく雲海から…

この橙色との境界線が淡いグレーだったり紫色だったり藍色だったり…

その日によって違います。

毎日だって見飽きないです、ほんとに。

山小屋で働いているときは、4時からの勤務が多かったので毎朝みられるわけではありませんでしたが、至福の時でした…。

信じられないくらい、幸せな時間を過ごせたと今でも思っています。 

 

でも太陽を待っている間は…当たり前ですが寒いんですよ!

しかし、太陽は姿を見せ始めればあっという間です。

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たちまち黄金色の光で世界を染めます。

同じようにこの瞬間を待っていた人たちも染まっています。

そして直視できないほどの光を放ちながら太陽が昇りきると、体がぽかぽかと暖かくなります。

あったかいな、幸せだなと思えます。

すごいと思いませんか?

 

一気に世界をかえてしまうのです。

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