登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

さぁ、槍へ! その1

山歩きをしていると

「次はどこの山に登ろうかな」

さっき辿り着いた山頂から見えたあの山へ次は行こう、など

想像するだけでワクワクします。

 

私もそうでしたが、鋭く尖った槍ヶ岳の姿が目に飛び込んでこない人はいないのではないでしょうか。

槍ヶ岳はその特徴ある形から、ほとんどの登山者が「見れば分かる」山だと思います。

山に登らない人にとっての富士山のような。

 

槍ヶ岳に向かうルートはいくつもあります。

富山県側からもありますが、普通に歩けば槍ヶ岳に着くだけで3日ほどかかりますし、都心からのアクセスのしやすさを考えると、これからご紹介する「上高地」か「中房温泉」かだと思います。

この2つのルートは、歩き続ける体力さえあれば、そんなに難所はなく槍ヶ岳の肩の部分まで辿り着けます。

肩から山頂へは、狭い足場やほとんど垂直の梯子があるので、十分に注意してください。

 

私は中房温泉からが好きです。

ずーぅっと槍ヶ岳を右側に見ながら天空の散歩道を歩けますから。

ただ、中房温泉からだと1日で槍ヶ岳には到着できません(トレランをやっている方は着いてしまうと思いますが)。

上高地からであれば、早朝に出発できるなら頑張れば1日で着けますので、休みが限られている方は体力をつけて挑戦してみてください。

 

上高地を早朝に出発するには

バスタ新宿から22:25に出発する夜行バスで5:30頃に到着

上高地~横尾のどこかに前泊する

の方法があります。

 

①の場合は、2000円ほど料金が高くなってしまいますが、3列シートがおススメです。

疲れ方が全く違う。

身長160cmほどの私がそう思うのですから、背の高い方ならもっと実感できるかと。

座席の大きさや、リクライニングの角度、足元の広さ、どれをとっても4列シートとは金額の差以上の価値があります。

私は3列シートの予約がとれなかったら上高地に夜行バスでは行きません。

中央高速バスの「新宿~上高地線」で予約できます。

高速バスのハイウェイバスドットコム 全国の高速バスを簡単予約

 

②の場合、前泊するなら7:14にバスタ新宿を出発するバスに乗れば、昼過ぎに到着予定なので、ホテル特製のケーキを食べたり、避暑地の雰囲気を満喫しながら先まで歩いてしまいましょう。

明神、徳澤、横尾、いずれも山小屋タイプの宿泊施設があります。

予約をしておいた方が安心です。

この時間のバスは4列シートですが、睡眠重視ではないので気にしていません。

ほかにも上高地へのアクセス方法はありますが、

上高地へのアクセス | 上高地公式ウェブサイト

せっかく乗り換えなしの直行バスがあるのですから…乗り換えの電車の時間など気にしなくていいんですよ~、ラクチン。ありがたい!

道路渋滞だけがネックですけれど、電車も遅れたりしますからね。

大きなザックは肩身が狭かったりしますし。

 

さて、上高地から横尾までは、観光客が手ぶら&スニーカーで歩いているくらい、気持ちのいい森林の道が続きます。

アップダウンもほとんどなく、何回も歩くようになると、とても長く感じる道です…

「まだ登山口(横尾)じゃないのか…」

最初の頃は「鳥の声と風の音しか聞こえない~、気持ちいい~」とウキウキしていたのに、慣れってイヤですね。

 

横尾に到着です。

ここから左へ涸沢に向かう人、右へ蝶ヶ岳に向かう人、そして真っすぐ槍ヶ岳に向かう人に分かれます。

腹ごしらえやトイレを済ませる方が多いです。

といっても真っすぐ進む私たち(涸沢や蝶ヶ岳へは、ここから目的地までトイレも水場もありません)は、ほどなく槍沢ロッヂに到着ですので、水の補給もたっぷりでなくて大丈夫です。

槍沢の水は、おいしいですよ~。

疲れていなければ横尾を素通りして、槍沢で休憩でいいと思います。

槍沢までは森の中を歩いていくだけです。

 

さて槍沢ロッヂでここからの水分もしっかりと補充させてもらいます。

歩き始めると「急な登りだな」と感じると思います。

今までが楽でしたから。

どんどん視界が開けてきます。

夏だと太陽も照り付けます(日陰はありません)ので、水分補給は少しずつしっかりと。

ボーイスカウトの子たちは、槍沢ロッヂで宿泊して翌日、軽い荷物で槍ヶ岳を往復しているようした。

背中のザックが重く感じるようなら、そんな日程もいいですよね。

 

もし、2回目の槍ヶ岳で日にちに余裕があるなら、槍沢ロッヂを過ぎて天狗原分岐から天狗池へ向かい、池に鏡のように映る槍ヶ岳を眺めながらのんびりして、南岳小屋に1泊。

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翌日、大喰(おおばみ)岳を通って槍ヶ岳へ向かうルートも気持ちがいい道です。

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大曲(おおまがり)を過ぎ、天狗原分岐を過ぎると雪渓が残っています。

ビクビク踏み出すと、つるん!っといきますので、足の裏全体で雪をぎゅっと踏みつけましょう。

ストックをお持ちならそれを支えに。

長い距離ではないのですので、慎重に。大して時間はかかりませんから焦らないで。

殺生ヒュッテまで行ければあと少し。

槍ヶ岳は大きく見えているのに、思ったより時間がかかるのはなぜでしょう。

 

さて、肩に到着しました。

大きな山小屋、槍ヶ岳山荘で一息入れます。

焼きたてパンが有名な山小屋です。

ここで宿泊予定で、天気がもちそうなら、手続きをしてザックを運んでしまいましょう。

天気が崩れそうなら、先に山頂でもいいですし、無理せず翌日でもいいと思います。

「山は天気が全て」最優先事項です。

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梯子もいくつかありますので、できれば雨で濡れていないときに。

景色も楽しめませんしね。

上の梯子は、ほぼ垂直に感じますので、上りはいいのですが下るとき注意!

後ろを向いての1歩目を、なかなか出せない人もいました。

 

山頂に祠がありますので、そこで記念撮影を。

素晴らしい景色が見られますように。