登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

東北ひとり旅 その1

sage body

きっと梅雨明けしているに違いない、と勝手な予想をして取得した有給休暇。
外れた。
気象庁の週間天気予報をみても、南アルプス北アルプスがある県は、雲や傘のマークばかり。
あーあ…
晴れは奄美那覇だけかぁ。
あれ?
秋田や青森、北海道は太陽のマークがついているじゃないか!
でも、蔵王八甲田山など山は強風と雨予想かぁ。

前日まで山の支度をしていましたが、当日の朝、夜勤明けで制服から着替えている最中に決めました。
青森に行く!
 
 
20年ほど前、何度も何度もお世話になったJRの普通列車が乗り放題になる「青春18切符
この切符で、いくつの知らない景色に出逢いに行っただろう。
都心から離れて、座席が向かい合わせの4人がけになるあたりから、窓側でぼんやり肘をついて、後ろに流れていく景色をただ見ていただけ。
横に長いシートだと、前の人と目が合っちゃうから、なんだかのんびりできない。
今回は、けっこう遠くまでいっても4人掛けにならないからどうしようと思ったけど、今はみーんなスマホみてるから、心おきなく車窓を楽しみました。
車内で人が入れ替わるたびに耳に入ってくる話し声。
東京から離れていくにつれ、言葉が、語感がかわっていく。
のどかな気持ちになる。

電車の旅はだから好き。
飛行機や新幹線は、あっという間に現地。
高速バスはメンツが変わらずに現地。

初日は、東京からの天気をずっと引きずっているような曇天だったけれど、夕暮れ時になったらダイナミックな雲の隙間から燃えるような橙色が…見とれました。
 
 
何歳でも使えるこの切符、販売時期が限定されていますが移動を楽しむ旅にはもってこいですよ!
気になる駅があれば、何度だって途中下車できるんですから!
本数が少ない駅では、次の電車の時刻だけは必ず確認して、それまで名物を食べたり、ぷらぷらと散歩したり。
 
5枚セットで11,850円です。
破格ですよね!
みどりの窓口に並ばずとも、券売機でも買えます。
ビューカードではないクレジットカードも使えます。
昔は並んだよなぁ…便利になったなぁ…
その日に初めて乗るJRの駅で、日付のスタンプが押されます。
1人で使っても、5人で使っても。
複数人で使用の場合は同一行程のみです。
2人で2枚ずつ使って余れば1人で日帰り旅行へ。
詳しい使い方はこちら。
 
高校生のとき、鳥取に住んでいたおばあちゃんに、この切符をつかって夜行列車の「ムーンライトながら」で遊びに行きました。
ムーンライトながらに乗るためには、日をまたぐので(深夜に出発のため30分ほどしか乗らないのに、1日分の切符を使ってはもったいないですよね)最初の停車駅になる小田原までの乗車券+指定席券が別に必要だったですが、それらを合わせても3000円ほどで東京から鳥取へ。
それを告げたときの、おばあちゃんの「ひぇ〜」と驚いた顔が忘れられません。
 
話が長くなってしまいました。
ともかく、11,850÷5=2,370
1日、この金額でどこでも行けるんですよ?
今年は切符を使えるのが7/20からでしたので、急いで帰宅し、山のザックではなく、20リットルの日常使いのリュックに、日数分の下着とTシャツ1枚と化粧品とノートと、あと会社から帰り際に図書館で借りたガイドブックを突っ込みました。
服装は…山に行く格好に、足元がキーンのサンダルになっただけ。
山の服装はいいんですよ~。
汗をかいても、宿で洗って干しておけば、翌日には乾いているんですから。
だから予備のTシャツ1枚のみなんです。
山の靴を入れるか迷いましたが、入れるとなると、30リットルのザックにしなくては。
旅にそのザックはなぁ…腰のベルトが重さを支えてくれて楽ちんだけど、身軽じゃなくなるからなぁ。
今回はすっぱり山はあきらめ、山ではないひとり旅を満喫することにしました。
 
 
20年前は必需品だった時刻表、今はいらないんですね。
あの頃は、みんなが小さな時刻表を眺めていたので、青春18切符を使って旅をしている人はすぐ分かりました。
新幹線の人は、あんなに必死に時刻表を見て乗り換えませんから。
時刻表を見慣れてきて、いい経路を発見したときは嬉しかったなぁ。
 
300km以上を6時間半ほどかけて移動。
運賃は、新宿から2,370円のみ。
新宿への到着が遅れてダメかと思ったら、湘南新宿ラインの特快にギリギリ乗れて大宮でお目当ての電車に追いつき、そこからは乗り継ぎが良すぎて仙台まで一気に行ってしまった。
青森までは本日中に到着は難しいので、車内から今宵の宿を予約。
便利ですよね、電話をかけることなく予約が成立してしまうんですもん。
一度泊まってみたかったカプセルホテルを予約しました。
 

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仙台駅に到着
牛タンを食べる気満々だったけど、ガイドブックによると冷やし中華は仙台名物だそうで。
でもお腹ふくれないよなぁ、急いできたから昼ご飯食べてないし、乗り継ぎ良すぎて途中でおにぎりも買えなかったし。
やっぱり牛タンだな。
ご飯もたらふく食べたい。
駅周辺を探索します。
牛タンの店はやはり多い。
すごく混んでいるところに、1人で入るのもなぁ。
ガヤガヤは苦手。
駅から5分ほどのところに「備前」というお店を発見。
中は覗けないけれど人がいるのは分かる、が混んでなさそう。
シンプルな焼きだけでなく、ちょっとアレンジした牛タン料理が外のメニューにある。
席について、メニューを見れば見るほど迷うので…
「牛タンでチーズをはさんだフライ」「牛タンの麻婆豆腐丼」
にしました。
 

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フライは、タンというよりコンビーフではさんであるような触感。
麻婆豆腐もがっつり食べられましたが、タンかどうかは…うーん、分からない。
 
10年以上前、やはりこの青春18切符をつかって旅行をしていて1枚余ったので、仙台へ牛タンを食べる日帰り旅行をしたことを思い出しました。
あんなに厚切りの牛タンを食べたことなくて、すごくおいしかった。
ということで、次回からはやっぱりシンプルな食べ方にしよう!
 
カプセルホテルを目指します。
備前の女将さんが言っていたのですが、楽天の試合がある日は仙台の安いホテルはほぼ満室になるそうです。
カプセルホテルも確か残室1だったよな、良かった~。
迷いに迷ってやっと着いた。
思っていた通りの室内。
寝台列車のような感じ。でもカーテンがあるだけで個室感ありますよね。
女性専用フロアがあり、禁煙でした。
テレビがあるとは思わなかった。見ずに寝てしまったけど。
シャワーだけでなく、浴槽があるのも驚き。
これで3,500円なんてすごい。
 
続きは次回…