朝もご飯を2杯食べ、長い長い笠新道で下山します。
この稜線でよくライチョウを見るので、朝も探しましたが見つからず。
けっこう急な下り坂なので、足が靴の中で滑らないように、靴ひもをしっかり締めなおして下山します。

左に見える雲をまとっている山が、さっきまでいた笠ヶ岳です。
もう、遠くなってしまった。
花がたくさん咲いています。
すれ違うみなさんの会話には、花の名前がたくさん出てきており、高山植物を好きな人って多いんだなと思います。
私でも知っているニッコウキスゲが咲いていましたが、日光で見たより山吹色が淡い。
このあたりで、私の花の知識は限界です。
暑い。
無風。
長い。
え?
まだ標高2200メートルなの?
あと1000メートル以上下るのかぁ。
じりじりと肌が焼かれていくのが分かります。
これじゃあ、誰かと歩いていても無言になってしまいそう。
カニを食べるときと一緒です。
まだ〇〇メートルか…
この嘆きを何度も繰り返して、ようやく川の音が聞こえてきました。
登ってきたのは30人ほど。
年配の方も多く、尊敬します。
笠新道を登りに選ぶ体力…
60歳になったとき、私にもあるだろうか。

やっと着いた…
脚がぷるぷるする。
すでに筋肉痛が始まっています。
1日目、夜通し歩いたのもきているのでしょう。
とくに今回は、内ももにきています。
一昨日、バスを降りた「新穂高ロープウェイ」バス停まで、標高差1800mほどを一気に下る笠新道。
長かった。
でも下ってしまうと、いつもさみしい。
そして、次の山のことを考えます。
笠ヶ岳山荘では、宿泊者に無料で天水を分けてくれます。
今回は2リットルでは全然足りず…
笠新道を登りで歩いたら、何リットル必要なんだろう。
「ここから笠新道」と登りが始まるところに、おいしい水がホースからジャンジャン出ています。
そこから笠ヶ岳山荘までコースタイムにして8時間ほどですが、途中に水場はありません。
水場だけでなく、トイレもありません。
でも心配いりません。
夏は汗で全部出てしまう。
下りでも、です。
私は今回、5:30に笠ヶ岳山荘でトイレに行って、次にトイレへ行きたくなったのは20時間後でした。
脱水です、完全に。
飲んでも飲んでも、足りなかった。
新穂高ロープウェイの自販機で何本も買ってガバガバ飲みましたが、一気に飲んでも吸収できないんだってば。
帰りの高速バスでも1リットル以上飲んだので、下山してから3リットル以上飲んでも出ませんでした。
手足のしびれも少々あったので、軽い熱中症になっていたのだと思われます。
翌日の仕事中も意識して水分摂取しているのに、家を出るときに行って次が12時間後。
しかも検尿のコップ半分も出ていない。
普段通りの尿意になったのは、山から下りて丸2日以上たってからでした。
本当に反省しなくては。
平湯バスターミナルから歩いてすぐ(これは本当にすぐ! 3分かからない)の「ひらゆの森」で汗を流します。
奥飛騨温泉郷平湯温泉「ひらゆの森」大自然の中の露天風呂・宿泊・コテージ
たくさんの湯の花が浮いた、源泉かけ流しの硫黄の匂いが漂う露天風呂。
湯船はいくつもあるので、みなさんお好みの温度でくつろいでいます。
だけど、蜂が多くてね…
そして、暑くてね…
今回は長湯できませんでした。
楽しかったな。
次に、笠ヶ岳へ登りに来るのはいつだろう。
また来たい。
でも、登りたい山はたくさんあって。