登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

中央アルプス 頂上木曽小屋

なんて、素晴らしい立地でしょう。


写真の左下の赤い屋根が山小屋です。

小屋の前から、御嶽山のあたりに沈む夕陽を、10分で登れる山頂からはご来光を見ることができる。

住みたい。

そして…
なんといっても、おじちゃんが優しい!
あんな話し方というか、表情というか、雰囲気を身につけたいです…
優しいってことがすぐ分かる。
到着したばかりなのに、またここに泊まろう!と心に決めていました。

決められた布団の脇にザックを置いたら、お茶を用意して待っていてくださいました。
「ゆっくりしてね」
昨年、山小屋で働いてから、こういった小さい山小屋にはお菓子を差し入れするようにしています。
大きな山小屋は、何人働いているかがちょっと分からないので無理ですが、これくらいの山小屋なら数人ですから、ここになさそうなお菓子を少しだけあげると、とても喜んでもらえるので。

少しお話してから、山頂へ。
2時間ほど昼寝をしたり、景色をぼぉーっと眺めたり。
寒くない今だからこそできる、贅沢なひとときです。
数年前までは、夏でも3000mでは寒かったんですけどね。
フリースのベストを重ねるだけで、のんびりできました。

トイレに行きたくなれば山小屋へ下り、また山頂へ。
以上、繰り返し。
なんせ、11時過ぎに着いてしまったので、時間はたっぷり。
山頂から、馬ノ背方面へ少し散歩してみたり。
トイレが近くにある安心感は、ほんと最強です。

14時を過ぎた頃、気づいたら山頂には私ひとり。
そうか〜、日帰りだともう下り始めないと、ロープウェイの時間があるもんなぁ。

このあと、数組が山頂へ来ましたが、頂上山荘のテント場か、頂上木曽小屋に泊まる人だけ。

またトイレのため山小屋へ戻ると、ちょうどおやつの時間。
梅の砂糖漬けをいただきました。
うまい!
3つ、勢いよく食べてしまい、我に返りました。
恥ずかしい。
でも、初対面の人たちと、
「どこから来ましたか?」
「どのコースですか?」
「明日はどちらに?」
など会話するのが苦痛なため、お茶をぐいっと飲み、さっさと再び山頂へ。
おじちゃん、ごめんなさい。

トータル6時間ほどを山頂で過ごして山小屋へ戻ると、
「よく歩くねぇ。いい散歩できた?」
はい! 
とっても楽しかったです。

晴れていたので乾燥室の有無は不明ですが、更衣室は2ヶ所用意されていました。
私は更衣室がなくてもいいように、ロングスカートを持参していますが、あれば更衣室を利用します。

夕食は、写真には撮りませんでしたが、
①熱々つゆだくの肉じゃがを汁物がわりに
②ごはんをどんぶり2杯いただき
③サバと紅生姜
④キャベツと海藻サラダ
⑤フルーツ缶を少々

隣で食べていた若い男性二人組が
「こんな場所で、あったかいものを食べられるだけでありがたいよな」
聞いていて嬉しくなり、涙が出そうでした。

この環境で毎日の食事を用意することがどんなに大変かを想像できる、そして感謝できる。
こんなお客さんばかりなら、山小屋もどんなに楽だろうと思います。
山小屋のいろんなことを非難する人に言いたくなるときがあります。
「じゃあ、テントも寝袋もトイレも水も食料も、全て自分で背負って山を歩いたらいいのに」
文句を言う相手もいなくなるでしょう。
自分がかつげる分しか持てないのだから。

夕食時に案内がありましたが、お湯とお茶は無料、水はおそらく天水のみのため「購入してください」とのことでした。

朝食も、味噌汁がおいしくて…
食べて寝ただけなのに、ご飯をまたどんぶり2杯!


また行きたい小屋です。