なんてすてきな場所にあるんだろう。
玄関を出れば、黄金色に輝く景色が視界いっぱいに広がります。
昨日、到着後すぐに雨が強くなりました。
頑丈な小屋の中にいられるありがたみを改めて感じます。
乾燥室でカラカラに乾いた衣類も、嬉しくて抱きしめてしまいます。
乾いた服を着られることを当たり前と思っちゃいけません。
同室になった30歳の女の子。
6人部屋に2人きりでした。
全体でも宿泊人数は20人以下。
紅葉シーズンにしては少ないような…天候に左右される山小屋の経営は、厳しいですよね。
室堂のある小屋も、240人の予約が入っていたのに、150人キャンセルになってしまったそう。
用意していた食材など…室堂は営業終了まで1ヶ月以上ありますから使い切れるかもしれませんが、小屋閉めが間近にせまっている稜線の山小屋はどうするのだろう。
彼女は
「テント泊の予定だったけれど、初日からテントを濡らしたくないから!」
と小屋泊まりを決めたようです。
確かに寝袋が濡れちゃうと、ちょっとイヤだよね。
保温も落ちるし、重いし。
室堂で昨日まで働いていて、地元に帰る前に薬師岳~雲ノ平~双六岳まで縦走し、新穂高へ下山するとのこと。
私は2日かけて薬師岳へ行くけれど、彼女はテント装備を背負って、その距離を1日で行く。
11時間30分かけて、薬師岳からまだ先のテント場へ着いたら、テント場を管理している太郎平小屋へ30分往復するのか…
薬師岳へはアップダウンの連続です。
300m下ってまた登り返す、といったような。
あまり初対面の人とは話さないけれど、2人きりだったこともあり、私も昨年は山小屋で働いていたのでその話で盛り上がりました。
大丈夫だったかな。
その日は本当に疲れただろうな。
アルファ米などしか持ってないと言っていたけれど、ちゃんと食べてから寝たかな。
寒くなかったかな(3℃まで冷え込んだと聞いたので)。
憧れだと言っていた雲ノ平を歩くとき、天気は良かったかな。
名前も知らないその子のことを、帰りの新幹線で思いました。
ここの小屋の部屋割りに感激しました。
小屋のスタッフからしてみたら、掃除が楽になりますから、使用する部屋は少ない方がいいはずです。
6人部屋なのだから、5人グループなんて1部屋にしても文句は出ないと思うんですよ。
それなのに、2部屋に分けてあげている。
混んでいるときはできないけれど、すいているときはゆっくり過ごしてください。
ということでしょうか。
1人だけの部屋もありました。
温かいご飯と味噌汁。
山ではこれが本当にごちそう。
味噌汁をたっぷりいただけば、体を水分が巡っていくのが分かります。
おいしく塩分補給もできます。
味噌汁は必ずおかわり!
気温がかなり下がっているので、もう水道は使えないとのことでした。
煮沸できるなら天水を分けていただけますし、お湯もポットに有料で入れてもらえます。
ペットボトルの水も販売しています。
台湾人のグループがいました。
飛行機代が高いから、なかなか日本に来られない。
だから今回、たくさん歩くんだ! とみんな笑顔でした。
無事に歩いてほしい。
日本の山を歩くのを楽しみにしてくれている。
みんな、いろいろな思いを持ってアルプスの短いシーズン、歩きに来ます。