登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

落花生

毎年毎年、日本を襲う台風。
堤防の決壊、河川の氾濫、家屋などへの浸水、泥水に浸かった農作物や壊れた機械…
それらにカメラが向けられるたびに、心がきゅっとなります。
映像を見ていられなくなり、耳だけで情報を得ようとしてしまいます。
目からは、それほどに多くの情報を一瞬で吸収するのだと改めて感じます。

大切な日常を過ごす場所を奪われてしまった方々の気持ちを想像することしかできませんが、本当につらく苦しいことだと思います。

毎日おいしくご飯を食べ、仕事をし、布団で眠る。
仕事で叱られたり失敗したり、楽しいことばかりではない毎日かもしれないけれど、大切な日常です。
早く日常を取り戻せますように。

私にはいくつか散歩コースがあります。
台風19号が過ぎ去ったあと、中央高速道路の上にかかる道を歩きました。
車がさぁー、っと通り抜ける音を聞くのが好きなのです。

八王子〜大月が土砂の流入で通行止めの影響だったのでしょう。
車の通行量も少ないですが、高速バスが1台も通りません。
中央高速バスのホームページを見たら、全便運休とのこと。

数日たって、上高地行きが走っていたのを見たときは嬉しかった。
1週間たって通行止め区間が開通したあと、飛騨高山や駒ヶ根、白馬や甲府など、幾度となくお世話になっている高速バスが次々に走っているのを見たとき、とても嬉しかった。

まだまだ道が泥に埋もれている場所もあり、堤防を必死に埋め立てている河川もあります。
家から泥を掻き出し、使えなくなった家財道具を運ぶ車の列。

まだまだ日常に戻ることは、当事者の方は想像もできないのでしょう。
避難所で過ごす夜は、雨や風はしのげても、家の布団で眠るより、緊張しっぱなしで疲れがたまっていくであろうことは想像できます。

でも、道路が復旧し、バスや物流トラックがきちんとヒトやモノを運んでいるのを見ると、こうやって立ち直っていくんだと思いました。
東日本大震災当時の三陸鉄道も、きっとその象徴だったのでしょう。


山は紅葉シーズン。
休みのたびに出かける計画でしたが、そんな気持ちになれません。
山へ続く道が何ヶ所も崩落したから行けない、というのではなく、被災した人がいる場所へ楽しみに行ってはいけないと思うからです。

道が崩壊したため、営業を早くやめる小屋もありました。
秋の連休のために仕入れた食料などもあったでしょう。
自然の恩恵をうけて営業する山小屋は、自然の影響をもろにうけてしまいます。
また来年行けるのを楽しみにしようと思いました。


ブログの題名が「落花生」。
昨日、職場で育てた落花生を収穫しました。
育てた、と言っても私ではなく所長なのですが…

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私、知らなかったです。
芋のように、根っこにまとまってできるんだと思っていました。
落花生はその名のとおり、花が咲いたあと地面に刺さります。
そして実になるんです。
太い茎から、細い茎がいくつも地面に刺さっていました。
引っこ抜くと、一緒くたになっているように見えるのですが。

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引っこ抜いてすぐに、たっぷりの塩を入れて茹でました。

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温かいうちに、ぱきっ。
甘い。
とってもとってもおいしかった。
所長、育ててくれてありがとうございました〜。
このとき収穫したものを数個乾かして、それが来年の種になります。

こんなふうに日々を過ごせることが、やっぱり幸せなんだと思いました。