登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

染まる山

空としては、毎日同じことを繰り返しているだけなのに、山で空を眺めているとなぜか涙がでちゃうんですよね。


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今年は冬らしいキーンとした寒さを感じないまま2月になってしまいましたが、先日登った黒斑山では冬を体感できて良かったです。

陽の光をたくさん浴び無風だったため、氷点下なのに長袖1枚でしたが、それでも雪で真っ白な道をスノーシューでキュッキュッと踏みしめて歩くのはとても楽しかったです。


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やっぱり山を歩くのっていいな、と改めて思いました。

雪がない季節、紫がかった茶色い浅間山は見たことがありますし、活動中の火山なのでいくつかライブカメラも設置されています。

雪の積もり具合を確認するために、行く前にその映像は見たので、どれだけ白いかも分かっていました。


それでも…視界がひらけて、いきなり目の前に現れた浅間山

浅間山を見るためにずっと歩いてきたのに、白い姿を知っていたはずなのに、とても衝撃を受けました。

本当にきれいで。


早く全部が見える場所まで行きたいと思いました。

それまでのんびり歩いていたのに、気づかないうちに息が上がる手前くらいまで、速足になっていました。

そしてトーミの頭という、浅間山の絶好の展望台に着き、じっと見つめていたら静かに感動している自分に気づきました。

体の中から、ほわぁ〜んとあたたかくなる感覚というか…

子供の頃はいちいち「わぁっ」って思っていたことも、大人になると初めてのことは少なくなるし、感動することって減っているような気がします。

でも山を歩くと、山頂(山頂でなくても目的地)まであきらめずに歩ききった自分をまず褒めるし、景色にもちろん感動します。

パッと見、分かってもらえないですが、心の中では激しく感動しています、毎回。

心の振れ幅は大きいのです。

無表情なのが私の欠点ですが、ひとりで百面相していたら、それはそれでちょっと怖い?


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毎年のように登る山もあります。

景色は知っている。

ここを曲がれば、何が見えるか分かってもいる。

けれど、いつだって同じではないんです。

夕焼けだって、橙色が鮮やかなときもあれば、濃紺と桃色がシマシマになっていたり、淡い橙色とグレーのグラデーションだったり。

空の色が違えば、景色は変わる。

どの季節に登るかによっても変わる。

そのときの自分の心によっても変わる。


最近は天気が安定していて、柔らかな桃色に染まった富士山を6時過ぎに見ることができ、とても気分がいいです。

私の行動圏ですと、高速道路の上にかかる橋からしか見えないのが残念ですが。

自宅から見えるって人がいて羨ましい!

山の朝がいちばん好きです。


そして、この柔らかな桃色は、雪で山が白くなっている季節だけです。

5月に涸沢に行こうかな。

雪で真っ白なカールが朝焼けに染まるのも、とても美しいんですよ。