2020年の富士山は、登山者がぐっと減りそうです。
訪れる登山者の8割近くが歩くと言われている富士吉田口には、五合目より上に16軒の山小屋がありますが、今年度の休業をすでに決定しています。
山小屋が営業しないということは、水分の補給はもちろん、トイレの使用もできないと思われます。
標準コースタイムで登り6時間ですからね、トイレなしはムリでしょう。
五合目の「みはらし」も、今夏の宿泊営業はしないとホームページで知らせています。
宿泊営業、とありますのでお土産屋さんやレストランは3密にならないようにして営業するのではないでしょうか。
五合目は、富士山に登らない人も訪れる一大観光地ですから。
「雲上閣」は、状況をみての営業になるようです。
山小屋は、どう注意しても3密になってしまいます。
山小屋の標高が高ければ高いほど、夏でも外気温はヒトケタ、氷点下のときもあります。
そんな気温で窓や扉を開放していれば、外にいるのと変わらなくなってしまう。
特に雨や風が強い日に開放しては、なんのために室内にいるのか分からない。
室内がめちやくちゃになるでしょう。
山は、普段暮らしているところより、もろに風の影響をうけます。
それに、限られたスペースにたくさんの人が滞在します。
富士山の山小屋だけではありませんが、繁忙期にはひとつの布団に3人、なんて寝返りもうてない状態のこともあるのです。
すごい人口密度ですよね。
3密のうち、
「至近距離での会話」
「大声で会話しない」
くらいしか、私たちで注意できることはありません。
ということは、山小屋で働く方たちも危険にさらされてしまいます。
アルプスには登山口まで歩いて2日かかるような、山奥深くにある小屋もあります。
具合が悪くなってもすぐに病院に行くことができません。
山で救助に携わる方たちにも、同じことが言えます。
救助した人がもしコロナ陽性だった場合、関わったすべての救助隊員が陰性を確認されるまで、自宅待機となります。
先月、八ヶ岳で起きた遭難事故がそうでした。
そうなった場合、ほかの事故が起きたらどうなるでしょう。
こんなときに山に入って遭難しても救助なんか呼ぶな! と世間はなりそうですが。
37.5℃の熱なんて、すぐに出ます。
咳きこむことだってあります。
でも今はそれを「風邪ひいちゃった〜」と、軽く考えられない状況ですし、風邪かを確かめるための検査なんてできません。
私も山に行きたいです。
とくに、今日のように快晴ならばなおさら。
でも今は、
「まだ花粉がいっぱい飛んでる」
と、脳に思い込ませて我慢しています。
ひとりならいいかな、と「行っちゃおうかな…」と毎日思ってますよ。
それでも何回もそう思うけど思い直してます。
普段なら山に向かってしまう天気や風の日でも、
「北風強いし」
とか、なんとか理由をつけて家で過ごしています。
きっと、また山を楽しく歩ける日がきます。
それまで、踏み台昇降などで太ももを鍛えておこうっと!
5月20日追記:
山梨側の吉田ルートだけでなく、静岡側の3本のルート(御殿場、須走、富士宮)も閉鎖が決まりました。
期間は7月10日〜9月10日までとなり、今夏の富士山は閉山です。
登山道の補修や落石対策を行うそうです。
山小屋が休業ということは、トイレも使えませんし、水分の補給もできません。
2020年は、富士山はガマンの年ですね。