山小屋の今の営業状況、これからの営業予定がだんだんと分かってきました。
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八ヶ岳は硫黄岳山荘など6月から登山者を受け入れてくれる山小屋もありますが、行者小屋や赤岳鉱泉は今シーズンの休業が決まりました。
南アルプスの南部の山小屋すべても同様に休業です。
北部の仙丈小屋と馬の背ヒュッテも。
北アルプスの槍ヶ岳や穂高岳周辺は7月半ばからとなつています。
しかし、大好きな笠ヶ岳直下にある笠ヶ岳山荘は今シーズンの休業をすでに決めています。
富士山はすべての登山道の閉鎖が決まっています。
2019年、23万人が登った富士山。
今年は誰も登ることができないんだ…私の周囲にも、計画をたててた人が何人かいたのですが。
奥多摩の雲取山荘は、物資の荷揚げができておらず、一旦営業を中断して7月半ばから再開とのこと。
山小屋が営業しない、ということは…
水や食べ物の補給をできない。
トイレの使用ができない可能性がある。
テント場も閉鎖のことも。
それに、登山道の整備がされない可能性が高いです。
倒木などによる障害、道迷い、などさまざまな面で難易度が上がるでしょう。
休業する山小屋がすでにこれだけあるのです。
緊急事態宣言中のパチンコ屋と同じで、山小屋が営業している山域に登山者が集中してしまうのだろうと思います。
営業する山小屋も、今までのように「混んでいるからひとつの布団に3人」などといった詰め込みは3密ですし、できないでしょう。
泊まれる人数が格段に減ります。
山小屋によって、10人以上なら予約、予約は一切付与不要、などさまざまなルールがありましたが、今シーズンに限っては完全に予約制になる山小屋も出てきています。
ただ、山小屋で働いていて&山小屋を利用していて思ったこと。
海の日の連休やお盆、シルバーウィークなどやはり混む日は決まってきます。
予約の電話をしてくださった方に
「その日は混雑しているため、日にちを変えていただけませんか」
と、お願いすることもあります。
しかし、電話をせずに山小屋に到着する方もいるわけです。
山小屋はその性質上、暗くなってからの到着や天候悪化時に到着した方を断るわけにいきません。
命が危険にさらされてしまうからです。
では、電話して断られた方は?
日にちを変えられるなら、もともとそうしていると思うのです。
誰だって、混んでいると分かっている土日にあえて計画しないですよ。
だから電話して断られた人が不公平な気がしてしまうのです。
6月下旬から県をまたいだ移動をしてもよい、となるはずですが…どうしよう。
山の上で見る夕焼け、星空、ご来光…本当に大好きな時間で、それらを楽しみに長い長い道のりを歩くのです。
でも今年の山小屋は、初めてのことで混乱もあるでしょう。
スタッフの方々も、ただでさえ街と違う苦労があるうえに、気にかけなくてはいけないことも増えるでしょう。
日帰りか、麓の宿に泊まって深夜から登り始めてご来光を見る、しか思いつきません。
深夜に登るとしたら、何度も登ったことのある山でないと不安です。
富士山のように、登山者がたくさんいるわけではありませんから。
それに、
①山で働く方々にうつしてしまうかもしれないリスク(具合が悪くなってもすぐ病院になんていけません)
②遭難して、(自覚症状がないから登っているのですか)もし自分が感染していた場合、救助にあたる方々にうつしてしまうかもしれないリスク
③その場合、救助にあたった方々の陰性が確認されるまで救助に出られないので、その間、他の救助隊にかかる負担
④これがいちばん大きいです。
たとえ感染していなくても、遭難して怪我をして病院に行けば、ギリギリのところでもちこたえている医療従事者の方々に、かけなくていい負担をかけてしまう
山は大好きな場所だけれど、やっぱり不要不急なのです。
山に登っているから元気でいられるとしても。
ほんとは今すぐにでも行きたい。
でも、毎日の暮らしを安定させてこその楽しみ。
行きたい気持ちが大きくてそれを忘れてしまいそうになるけれど、自分の暮らしはたくさんの人に支えられていることを忘れずに、もうしばらくガマンしようと思います。
そして、仕事をしているからこそ休みが待ち遠しい。
仕事ができる感謝も忘れずにいたいです。
休みに山へ行ける日常が、戻りますように。
不要不急のことが、人生を楽しくしてくれるのです。