登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

再び北アルプス 燕岳〜大天井岳へ その4

4:30に目が覚めました。
今日の日の出は5時過ぎ。
昨日のうちに、「ここで朝陽を見よう!」と目星をつけていたところまで、寝起きですが、すぐに登ります。

小屋の前からもご来光は見えますが、昨日歩いてきた稜線もなるべくきれいに見えるように、とここを選びました。
以前赤く染まったのを見たことがあるのですが、本当にきれいだったので。
登っていれば暑いけれど、立ち止まると風もあって寒いのでダウンを着込みます。
あ、手袋忘れた。

富士山や南アルプス八ヶ岳浅間山なども雲の上にぽかりと頂をのぞかせています。
剱岳鹿島槍ヶ岳も。
鹿島槍ヶ岳は、マンタの口元のような特徴的な形の双耳峰(ふたつ山頂があること)です。

きた。
目が金色の光に射抜かれます。
声が出ません。
何度見てもいい。
いつもきれいだと思う。

小屋で朝食の人はすぐに下りていきますが、私はここでいただきます。
はぁ~、なんて贅沢な時間だろう。

いい景色でした。
出発の支度をします。

6:40
出発したらすぐに、荷揚げのヘリが飛んできました。
スムーズに下ろし、昨日まとめてあった荷を引っ掛け、あっという間に飛び立っていきました。
岩が多いところだから、私が働いた小屋みたいにもぅもぅと砂埃たたないのか!
いいなぁ!
建物内に入り込んだ砂を雑巾で拭くのが、すごく大変だった記憶が。

1分で、何事もなかったかのようです。
何往復するのかな。
しばらく音が聞こえていました。

ずっと天空の散歩道。
速く歩くなんて、もったいない!
ゆっくり行こっと。
東向きの道だから、こんなに晴れた日はサングラス必ず!
日焼けは目から、と言いますから。

12年前だったような気がします。
初めての北アルプスが、初めてのテント泊でした。
そのとき、妹夫婦と歩いた道を、今日はひとりで歩いている。
ザックや装備、衣類は格段に進歩しました。
体力は落ちました。
でも「山が楽しい!」と思う気持ちは、ずっとかわらない。
あのとき、常念岳の山頂手前で見た、どこまでも続く薄水色の雲海にぽっかり浮かぶピンク色の玉(ご来光)を見ていなかったら、登山を続けていたのだろうか。

8:40 常念小屋
おかしい…3時間のはずが2時間で着いてしまった。
なぜ?
地図、まちがってるな。
苦手な下りで、こんな早いわけない。
しかもいい道でもったいなくて、ゆっくり歩いてきたのに。
常念岳、そびえたってるなぁ。
400mも上がるのか…
ザックを置いて往復しようかと思ったのですが、帰りのバスに余裕をもちたい(蕎麦も食べたい!)ので、あっさりやめました。
今度、蝶ヶ岳を通って上高地まで下るときに歩けばいいや。
すぐラクな方へ流れます。

常念小屋付近では、docomo以外はつながらない(小屋を見下ろすところでは、つながったのですが…)ので、小屋の人に下山時刻などを伝え(100円お支払い)れば、タクシーを呼んでおいてもらいます。

トイレ掃除をしている女性に心から「おつかれさまです」を言いました。
フェイスシールドをして、ビニールのつなぎを着ています。
暑いでしょう。
トイレ掃除、大キライでした。
本当にありがとうございます。

常念小屋へのルートは、私が下っている道のほかにもあります。
そのひとつである三股ルートは、疲労で救助を呼ぶ人多いそうです。
水場もなく、オススメしないと常念小屋に書いてありました。

水は重いです。
今日は下りですので1.5リットル。
昨日は登りだったので3リットル。
水場があるルートがあるなら、そちらを選びたい。

さて下山です。
9:30 常念乗越
槍ヶ岳穂高にサヨナラをする。
また来ます、必ず。

大天荘がほぼ標高2900m、一の沢が1300m。
1600mも下るのかぁ。
少しアップダウンもしたしなぁ。
今回は、筋肉痛になりませんように(なりませんでした)。

2460mから2000mまで日陰がない。
夏はここ登るのキツイなぁ。

10:20 胸突八丁 2090m

水、つめたーい!
手ぬぐいをひたし、何度も顔や腕をぬぐう。
気持ちよか〜。
飛び込みたい!

登山道が沢のようです。
石を選んで歩けば、靴が濡れるほどの深さはありません。
水の流れる音が気持ちいい。
深い流れがあるたびに、手ぬぐいをひたします。

10:55 笠原沢 1900m

11:35 大滝

12:10 古池
きれいな池。

12:20 山ノ神

12:30 一の沢に到着。
終わっちゃった、と思うと同時に長かったなぁ、とも思います。
下りは飽きちゃう。
気温は27℃。
山の上も暑かったけれど、違う暑さでした。

タクシーは余裕をもって13:00に予約していましたが、すでに待っていてくださいました。
良かった〜、暑い中待つのかぁと思っていたので。

タクシーで穂高神社近くの「一休」へ。
蕎麦〜。
サーモン丼のセットで!
これじゃ足りない…
大盛にすべきだったか?
そのあと隣のテーブルにきた大盛をみたら、すごい量!
よかった、しなくて。

10日前に行った「ひつじ家」は、水木が休みだったし。
高速バス出発までの2時間、どうしよう…と、お店の女性に相談すると、ひつじ家を紹介してくれたのですが…
「水木が休みみたいなんです」
と言うと、
「さっき通ったとき、やってるみたいでしたよ?」
え!
行ってみます、ありがとう!

やってました。
しかもランチタイムに間に合った。
今月だけ、休みは木曜日のみにしたそうです。
うれしい〜。
またカレーうどん
すいかジュースはきた瞬間、半分近く一気に飲んでしまいました。
おいしい〜。
このメニュー、秋や冬にあるとは思えない。
あるうちに、また来れて良かった!

結論を申し上げますと、10日前に歩いたからといって、全く軽い足取りではありませんでした。
暑さとザックの重さと…
そしてこれがきっと最大の理由、体重です。
バテました〜。

それはそれ。
とってもとっても楽しかった。