ご来光や夕陽を見ることはできないけれど、この山小屋が好きなんです。
薬師沢と黒部川が出合う場所。
小屋に着いてからの時間が贅沢〜。
小屋のすぐ前にある、しっかりした梯子を下り、水のそばへ。
ぼけーっと、ただ水が流れるのを眺めながら音楽を聴いていると2時間以上たっていました。
キラキラしてるなぁ、水が。
足と手を同時に浸すと、すぐに寒くなるくらい、キーンと冷たい。
釣りをする人、沢登りから帰ってくる人、それぞれに静かな時間が流れます。
それにしてもこの橋、こんなに高かったっけ?
人の記憶ってあてにならないですね…
揺れて足元がスケスケなところが怖い人は、心して渡ってください。
男性が何度も往復して、練習していました。
橋を渡り、向こうの河原へ下ります。
明日歩く道の最初のところだけ予習をしておくと、スムーズに出発できます。
ここのように一本道なら迷わないですが、何本もの登山道が交差する場所に建っている山小屋だと、特に早朝の暗い時間に出発するときに踏み出す1歩を間違えて、目的地から遠回りになってしまったり、全く別の方向に進んでしまうこともありますから。
この標識、センスあるよなぁ。
変わっていなくて嬉しい。
温泉に期待が高まります。
本日の泊り客は10人いないから、とまさかの個室。
そんな幸せあっていいのですか!
女性が1人だったからでした。
着替えもゴロゴロも、気兼ねなくできる〜。
窓枠からの景色が絵のようです。
懐かしい…
この傾斜を計るの。
寝るときに頭の向きに注意しないと酔いますよ。
あと、これこれ!
階段の入り口に書いてある「最後の急登」
2段ベッドの梯子とか、ほんとそう思う。
いい時間を過ごしているうちに、夕食の時間。
食卓が一緒になった、群馬から来たという40代の男性。
「ここで釣りをするのと、雲ノ平にテントを張るのが夢だったんです」
今回、ふたつとも夢が叶っちゃうんですね。
今日は釣り、明日はテント。
釣り竿をストックの間に収納し、折れないようにぐるぐる巻いて丁寧に持ってきたそうです。
岩魚を何匹も釣ることができたそうで良かったですね~。
山ですてきな景色に出会う、すてきな時間を過ごす。
みんな、それが叶えば本当に幸せです。
ご飯もおいしく炊けていて、お腹いっぱい食べました。
ここのご飯がなぜ、おいしいのか?
富山県産コシヒカリと、黒部源流の水のおかげでは? とのこと。
ひいている沢の水は、雲ノ平から400m以上の高低差を何年もかけて濾過された天然水だそうです。
私が山小屋で働いていたときもそうでしたが、標高が高い山では沸点が低いので芯までしっかり炊けるよう、圧力釜を使っていました。
大量のお米が炊きあがる、甘い匂いが懐かしい。
そりゃあ、家で炊いてもあの匂いはします。
でも量がケタ違いですから。
それに、冷たくおいしい水が無料です。
ゴクゴク飲みます。
山で水は貴重。
水不足の小屋がほとんどです。
沢からポンプで汲み上げたり、と本当に大変なことなのです。
沢に浸した手ぬぐいで体も拭いちゃおう。
汗拭きシートもいいけれど、やっぱり水が最高。
さっぱりした。
夜、目が覚めたので外で星を眺めます。
かなり風が出てきて、月も星も見えるけれどサッと姿を消してしまったり。
明日は予報通り(20m以上)、風が強そうだなぁ。
水の流れる音がざーざー聞こえるのですが、それも心地いい音となり、深く眠ることができました。
夕食をいっぱい食べたのに、お腹が空いて目を覚ます。
なんて健康的なのでしょう…
以前のブログに書いた本の作者のおねえさんが、今年も働いていらっしゃいます。
釣りのお客さんと話している姿が楽しそうでした。
続きます。