6:20 風がまだまだ強いので、心して出発します。
6:25 分岐を「岩苔乗越」へ
最初は樹林帯。
なだらかな、歩き始めの体に優しい道で、鼻歌をフンフン♪。
少し登りますが、急坂ではありません。
それにしてもこの辺りのナメクジ、でかいんですけど。
キライな方もいると思うので写真は載せませんが、10cmくらいのって普通ですか?
私はカタツムリのサイズくらいしか見たことありません。
7:10 水晶池への分岐ですが、快晴ではないので空が池に映らないだろうな…とスルー。
分岐から10分ほどで着くようです。
今日はコースタイム8時間。
それもあって、はしょりました。
8:00過ぎ 標高2500mくらいでしょうか。
けっこうな流れの沢が出てきました。
一度離れ、水の音も聞こえなくなりますが、気づくと登山道の両側を流れています。
はじまりの1滴は見つけられなかったけれど、きっと近くに。
このあたりから1時間ほど歩いた場所に「黒部源流の碑」があります。
数年前に、どうしても黒部源流の、はじまりの1滴を見たくて寄りました。
…行かなきゃよかった。
私のすぐあとに若い男性が来たのですが、たぶん私たち、同じ顔をしていました。
立派すぎるんですってば!!
堂々たる大理石。
そうじゃないんだよな~、とすぐ引き返しました。
はじまりの1滴らしく、つつましくあってほしかった。
大理石はないわぁ。
と、昔を思い出しながら標高を上げていきます。
「乗越、って名前のところは風が強いんだよなぁ」
体がひょいと稜線に出ました。
横からの突風!!
グラリと揺れた体を立て直し、手袋を取り出します。
凍えそう。
8:55 岩苔乗越
向かい風と追い風は、立ち向かい、押されていればいいのです。
横からの風は本当に気をつけないと。
幸い、足元が狭い道ではありませんがそれでも、どこまでも「おっとっと」とやれるわけではないので。
9:05 ワリモ北分岐
こういう岩が刺さっているようなのって、どんな年月をかけてできるのでしょう。
いくつか抜いたら崩れるのかな、と考えたりもします。
特に上の部分。
それくらいミルフィーユのようになっています。
登山道は、この右脇の細いところです。
前から歩いてきた男性が
「僕、この先進めるでしょうか」
知らん。
初めまして、ですよね。
一緒に歩いたこともありませんから、分かるわけがない。
「水晶岳に行くんです。気をつける場所ありますか?」
水晶岳は、過去に歩いたことがありますが今日は歩いていません。
なぜ、そんな聞き方をするのでしょう。
私が大丈夫、と言えば大丈夫なの?
水晶小屋は現在営業していないし、今日はこのとおり風が強い。
誰にでも分かる事実しか、私にも分かりません。
ひとりで歩いているなら、ひとりで全てを決めていくしかないんですよ?
判断を他人に委ねちゃだめです。
9:25 ワリモ岳
大好きな鷲羽岳の姿が見えてきた。
カッコイイ…
10:00 鷲羽岳 標高2924m
ボーっと突っ立ってられないほどの風。
予報では風速22m。
ビュウビュウゴゥゴゥ風がうなり、かぶったフードをばたつかせます。
顔が冷たい。
360°の展望ですが、ほとんどの山頂に黒い雲がかかってしまっています。
それでも、この山頂にまた来られたことが嬉しくてなかなか下山できませんでした。
いきなり風が雲を飛ばしてくれました。
10:25 山頂を後にすると、すぐに鷲羽池
この池が見たかった。
以前は雲がかかっていて、見ることができなかったのです。
風で水面に模様ができています。
それにしても寒い。
三俣山荘が見えてきました。
正三角形の石だー、とか思いながら黙々と下ります。
11:20 三俣山荘
今年の営業は変則的で、私が着いた日は、小屋の方はいらっしゃいますが修繕などをされており食堂も宿泊もお休みでした。
ジビエ丼は、また来年の楽しみに。
トイレをお借りして出発しようとしたら、ザーッと雨が降り始めました。
通り雨だとは思ったのですが、軒先をお借りしてポンチョを着ようとしていたら、小屋の方が出てきました。
今年は小屋で飲食を注文しない場合、小屋の中に入ることもできなかったりするので
「支度したらすぐ出発しますので、すみません」
と声をかけたら
「寒いでしょ。少し中にいれば」
と入れてくださいました。
お言葉に甘えました。
本当にありがたかったです。
売店をのぞくと、ワッペンが売っていました。
感謝の気持ちをこめて、あと、少しでも売り上げの足しになるように買いました。
どこにつけよう。
12:00 ポンチョを着こみ、出発しようとしたら…雨がやんでいました。
先月、三俣蓮華岳に登りましたが何も見えなかったので行きたかったのですが、今回もおそらくそうなので、ここもはしょります。
鷲羽岳、やっぱりカッコイイ…
ガスっていて静か。
この世に自分しかいない気分になります。
天国への道、地獄への道。
こういう道を歩くと、そんなことを考えます。
どちらの道も、きっとひとりで歩く道。
緑はあるけれど、岩がゴロゴロしていて周囲が真っ白。
荒涼としているなぁ。
「ライチョウはいねがー」
とナマハゲちっくな独り言をつぶやきながら、歩きます。
晴れて無風になってる。
暑い。
さっきまで凍えそうだったのに。
12:40 三俣峠
悪天候のときは巻道へ。
双六岳も大好きなのですが、なにせだだっ広く、ガスっているときなどは方向を見失いがちです。
槍ヶ岳の展望がいいのに、それが見れないとなれば巻道へなんのためらいもなく行きます。
一度だけガレ場の急な登りがありますが、さすが巻道。
のんびり歩けます。
14:10 双六小屋に到着
三俣山荘のおねえさんとの会話
「今日はどこまでですか?」
「双六小屋です」
「あとちょっとですねー」
2時間ちょいが、あとちょっと。
山を歩く人に、歩行時間を確認しない方がいいですよ。
「すぐそこ」が30分だったりしますから。
すぐ、ってフツー5分くらいじゃね?
続きます。