以前は山で寝るとき、設定した時間に振動してくれる腕時計をしていたのですが、ここ数年は、なくてもちゃんと夜明け前に目が覚めるようになりました。
熟睡できていないことが多いせいもありますが、夜中に目が覚めて外に出て星を見るのもいいものです。
夕食のおいしいカレーのおかげか、 大して疲れてもいないのにけっこう眠り、4: 00前にパチっと目が覚めました。
ダウンを着て外に出てみたら、低く沈んだ三日月、満天の星、天の川。
そして、みごとな雲海。
その切れ間に街の灯り。
今日もきっといい日だ。
小屋の前からもご来光を見ることができますが、せっかく目が覚めたことだし、時間的に五竜岳の山頂までは行けないけれど、途中で見ようっと。
目を凝らすと、 すでに登り始めている人たちのヘッドランプが上の方にちらちら見えるので すが、最初の方はどうやら太陽が見えない側に道がついているようです。
ま、いいや。
見えるところで待てばいいし。
4:30
5:00頃、夜明けが近くなってきました。
もうちょっと登れるな。
荒い息遣いになっているのは自覚しているのですが、早く早く、 あの場所へ、と気持ちが急きます。
あそこなら見えそう、と。
岩場はガシガシ、夢中で登れるから好きです。
ただ、夢中になりつつも
「ここを下ることができるか?」
は常に考えながら登ります。
登るのはカンタン、下るのが難しいのですから。
やっと見えた〜。
昨日は全く見えなかったから。
すごくステキな景色で涙が出そうになってしまいます。
ここにしよう。
ダウンを着込み、太陽を待ちます。
あと30分もしないうちに昇るはず。
上空にある雲が、一段と濃い桃色に染まり始めました。
5:35 太陽が昇りました。
振り返ると五竜岳が金色になっていました。
すごくきれい…
でも、ほんっと悔しいです!
そして太陽は、雲海を金色に染めながら、あっという間に低い雲に隠れてしまいました。
太陽が姿を消しても、しばらく放心状態。
それくらい印象的な日の出でした。
たくさん登ってくるし下りてもくるので、ちょっとずらして岩場を黙々と上ります。
すれ違いは、声を掛け合い、譲り合って。
5:50 五竜岳(標高2814m)
良かった、この山に登ることができて。
5分の滞在で下山。
6:45 五竜山荘に戻ってきました。
お腹がぺこぺこです。
お腹の音を聞いてから食べるご飯って、とってもおいしいですよね。
登山者の都合に合わせて朝食を用意してくださるなんて、本当にありがたいです。
おいしく食べて、ゆっくり支度ができました。
これから唐松岳頂上山荘へは天空の散歩道です。
続きます。