登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

北アルプス 焼岳へ

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何度も何度も、数えきれないくらい上高地に来ているのに、焼岳は登ったことがありませんでした。
次に来るときに1日休みがプラスできれば登れる…と思いながら、何年も過ぎてしまって。
すぐ登れると思うから「またいつか」と先送りしてしまうものかもしれません。

中の湯に連泊することにしたとき、「焼岳、登ってもいいかな?」とツレに申し出ました。
地図のコースタイムでは6時間ほどですが、ザックの重さがいつもと全然違う。
軽いのですから、紅葉シーズンで混んでいるであろうことを差し引いても、おそらく4~5時間で登れるのではないか、と。

「いいよ~」と言ってもらえたので、ツレと少しだけ、別行動をすることにしました。
ツレの昼食に、と名物の蕎麦を注文していましたが、私も食べられるんじゃないか?
と、2人前に変更しようとしましたが、フロントでちょっと難色を示されました。
「朝食を食べてから出発すると、13:00までに戻ってくるのは難しいんじゃないかなぁ」
もし私が時間に間に合わなかったら、ツレが2人前食べる、と申しておりますので。
オッケーをもらえました。

宿のスロープを下りると
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7:40 いってらっしゃーい、と見送ってもらいました。
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途中、昨日軽く酔いながら登ってきたヘアピンカーブのひとつとぶつかります。
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7:50 道路沿いにある駐車場が登山口
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松本市の最低気温が10℃。
ここは少し低いと思うのですが…
部屋の窓を開けたときの冷気で判断を誤った〜。
無風、太陽が元気で雲ひとつない。
歩いたら暑い!
汗が滴り落ちます。

ここらは、まだまだ紅葉していません。

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背中が軽いなぁ。
何も背負ってないみたい。
やっぱり軽いってすごい。
ただ、ザックより、自分本体の重さを軽くする必要もある、と自覚します。

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急な登りはないのですが、30分せずに標高を200m上げていました。
このペースなら、きっと蕎麦を食べられる。

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クモの巣がドーム状になっていました。
太陽の光を受けて輝いています。
クモは苦手なんだけど、クモの巣って芸術的だなぁと思うのです。
個体差があるのか、なんだか雑な巣をつくっているのがいたり、目を見張るほどの隙間のなさだったり。
あまり歩かれていない山では、もろに顔面に巣をくっつけてしまうこともあるのですが…

木の股(?)から、木が。
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標高2000mあたりから、硫黄の匂いがきつくなってきました。
火山だということを主張しています。

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いきなり秋が始まりました。
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9:00 広場
視界も開け、焼岳が見えます。
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10年近く前になります。
閉山祭間際の11月半ばに、ツレと上高地に夜行バスで行きました。
5時過ぎにバスを降りると、そこはもう冬でした。
周囲を散策しましたが、猿の集団にビビり、あまりの寒さに凍えていました。
そのうち太陽が昇ってきて、正面にある焼岳を金色に染め始めました。
「焼岳、あったかそう…」
声ちっちゃ!
目を細めて見上げながら、心底うらやましそうに言うツレに噴き出してしまいました。
焼岳を見ると、いつも思い出します。

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振り返ると、けっこう登ってきたことがわかります。
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9:45 火口湖
硫黄の匂いがますます強くなりました。
そこかしこから、蒸気が噴き出しています。
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9:55 焼岳北峰 標高2444m
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10:05
宿で頼んでおいたおにぎり弁当を山頂で食べたかったけれど、人がけっこう多く、これから中の湯からも、上高地からも、どんどん登ってくるでしょうから、秋晴れの360°ぐるりの景色を堪能してすぐ下山しました。
昼食の蕎麦は11:00〜13:00の間にいただけます。
一緒に食べれそうだね。
それを楽しみに、テンポよく歩きます。
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10:55 広場
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緑って、ほんっとキラッキラしています。
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車の残骸があります。
なんで?
いつから?
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11:50
中の湯に帰ってまいりました~。
危ないところも、歩きにくいところもなく、初心者でも安心して中の湯からは往復できると思います。

蕎麦の前に、温泉で汗を流しました。
おいしい蕎麦を食べながら、写真を見せてたくさん話をします。
誰かが下で待っていてくれる登山もいいものだなぁ。
ツレも私を見送ったあと、1時間ほど森の中をゆっくり散歩したそうで
「すごく気持ちよかったし、すごく楽しかった」
なんだか嬉しかったです。
私の勝手かもしれないけれど、それぞれが違う時間を過ごしても、それぞれが楽しさを感じ、それを相手に話したくてたまらなくなる。

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中の湯からは豊かな森。
上高地からは荒々しい溶岩。
焼岳は、登山口によってまったく別の顔を見せます。
次は上高地から歩いてみよう。

宿でいただいた手作りの地図。
とっても分かりやすかったです。
登る人はぜひ、手に入れてくださいね。

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翌日は上高地を散歩。
続きます。