登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

那須岳へ その1

朝風呂は、あんまりゆっくり入っちゃうと体がのんびりしてしまい、登る気がなくなってしまうのでザッと出ました。

豪華な朝ごはんで、お腹いっぱーい。
白米はおかわりしないつもりだったのに…
おひついっぱいあったのに…
全部食べてしまった(3回おかわり!)。
昨夜あんなに食べて、そのあとは寝ただけ。
それなのに朝起きると、ぐぅぐぅ。
なんでだろうか。

宿の真ん前に「湯本1丁目」バス停、路線バスを待ちます。
北風が冷たい〜。
歩道のそこかしこから、硫黄の匂いと湯煙が立ち上っています。
あの下は温泉の通り道なんだなぁ。

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9:17にロープウェイ乗り場に着きましたが、けっこう並んでおり、私の前で9:20の便は時間切れ。
次の9:40発になりました。
風速は20mで、もう少し強くなるとロープウェイは運休になるそうです。
運休になったら日帰りの場合、どうやって下るのだろう?
那須ロープウェイ(公式ホームページ)

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今日は、峰の茶屋を通って朝日岳に登る予定でしたが、ロープウェイを下りると風がごぉごぉと唸りをあげています。
風速20mって、台風なみだもんなぁ。
ロープウェイの改札のお姉さんが言っていました。
峰の茶屋で風にあおられて滑落して、血を流しながら下山してくる人もいる、と。
確かに以前歩いたときに、他の場所では大したことなかったのに、峰の茶屋に着いた瞬間に突風が吹いてヒヤッとしたことがあった。
普段から風の通り道で2倍近い風になることもある場所だ、と分かっていて今日歩くのは間違っています。
朝日岳に行けないのは残念だけれど、峰の茶屋を通るのはやめよう。
明日は今日より風が弱まる予報なので、明日の道は、朝になってから考えよう。

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10:00
気温は0℃。
暖か下着+長袖、手袋、ニット帽で出発!
このときはまだ関東平野が見えていました。

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小さな氷の粒が、四方八方からビシビシ飛んできます。
痛いよぅ。
風で寒いより、氷が痛い。
バラクラバ(目出し帽)が必要だったか!
あとメガネも欲しい。
目にまで氷の粒が当たる〜。

ニット帽の上に、長袖のフードをかぶり、ジップを引き上げ鼻まで隠します。
今度は湿度で鼻水が出てくる。
でも痛みには変えられない。

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10:05
分岐
みんな、茶臼岳の山頂に行きますが、私は左の「牛ヶ首」へ。
上はもっとすごい風だろうな…
分岐は地図付きでしっかり分かるようになっています。

茶臼岳の山頂には、もともと行くつもりはなかったけれど噴気孔は見たかった。
でも強風に加えて、雪までちらついてきました。
周辺も白いガスにつつまれ始めます。
う〜ん、いっか。
前回の金峰山みたいだ。

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高雄口」分岐からは、昨日手を合わせた殺生石へ2時間ほどで下ることができます。
明日も風が強かったらこのルートにしよう。

10:30
牛ヶ首
すぐに姥ヶ坂分岐
この道標の後ろから噴煙が少し出ていました。

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ここからしばらく下りです。
5分ほど下った頃、茶臼岳が壁になったのでしょう、嘘のように風がやみました。
風の音は時折ひょぉひょぉ聞こえますが、全く寒くないのでニット帽をしまいます。
雲間から射す陽の光が、黄葉の山にスポットライトを当てている!
う〜ん、秋だなぁ。
氷の粒はふわりふわりと舞っていてきれいだし、ここからは楽しい散歩になりそうです。
ところどころ、粉砂糖のような雪がついています。

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へぇ〜、茶臼岳はハイマツが低いところからあるんだ。
それだけ過酷な環境なんですね。

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10:50
姥ヶ平
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ここは明治におきた茶臼岳の大噴火で、ほとんどの木々が枯れてしまったそうです。
そっか、噴火したのね…と、茶臼岳を振り返ると…
風はやはり強いままなのでしょう、雲はどんどん形を変え青空も見えており、くぼみから蒸気が右に流れています。
期待してなかったのによく見えたからビックリしちゃった。
噴気孔を見に行くより、こっちの方が良かったかも!
茶臼岳全体も見えますし、迫力ありました。

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このあたりは、ツキノワグマが暮らしています。
出会い頭にならぬよう、カーブで先が見通せないところは、目も耳も集中させて慎重に歩きます。

以前は鈴を鳴らしていたけれど、奥多摩で出くわしてしまった経験があるので、今では鳴らして歩きません。
もともとうるさくてイヤだったし。
熊にも個体差があるでしょうし、上高地などの観光地や民家に現れていることを考えると、人を恐れるという説を信用していません。

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葉がぜんぶ落ちた枝先や、足元を彩るカラフルな落ち葉。
晩秋だなぁ…

緑が目にいいとよく言われますが、晩秋のくすんだ色も目に優しいと思います。
葉が落ちた木々の合間に、ぽつんぽつんと山吹色やくすんだ赤がスタンプを押したように山を彩ります。
ここに陽の光が当たると、なんとも柔らかないい色なんです。
だから秋の山も好き!
新緑だって、もちろん美しいですよ。
だから春と夏の山も好き!
冬の白い山も好き!
どの季節の山も好き、ということです。

11:20
姥ヶ平下
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11:45
沢を渡ります。
ここからしばらくは上りですが、距離は短いです。

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12:00
小屋への最後の分岐です。
ここからはだらかないい道。

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朝日岳に行かなかったため、最短ルートで三斗小屋温泉に到着してしまいました。
まだ12:20、早すぎるよなぁ。
この気温でテントの人いるんだ…めっちゃ寒そう…

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煙草屋の前を過ぎ、少し石段を上ると木の鳥居がありました。
温泉神社です。

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少し寒いなぁ。
部屋には入れずとも中で待たせてもらえないだろうか。

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続きます。