和歌山から橋本へ。
途中の駅は、聞いたことのない地名ばかり。
漢字を想像してから見ると「え、この字でそう読むの?」と驚くものが多かった。
橋本で南海高野線に乗り換えて、山の中を高度を上げながら、極楽橋駅へ向かいます。
極楽橋…極楽へ。
ここからケーブルカーに乗ります。
今日は歩いて登るのをやめました。
ガラガラの車内を見て、明日は土曜日ですから、平日の今日、すいているうちにお寺をじっくり巡ろうと決めました。
ケーブルカーは、なかなかの急勾配。
ここを5分で上るのか!
歩いたら、どんだけかかるんだ!
斜面には雪が残っていますが、空気は冷たく感じません。
ケーブルカーを下り、自動改札機でピッと精算をして、バスに乗ります。
小銭を用意しなくていいのは、本当にラク。
ここから女人堂までは、バス専用道路なので歩けません。
女人堂を過ぎると、たまに商店(なんとスナックも!)がありますが、たくさんのお寺。
異世界ですね。
地図によると、3✕1.5キロ四方に高野山はおさまります。
バスの1日乗車券もありますが、歩けそうなので買いませんでした。
蓮花谷(れんげだに)で下車。
本日宿泊する持明院(じみょういん)で、お風呂セットや文庫本などを預け、身軽になって出発です。
まず、宿坊協会中央案内所に寄って、詳しい地図をもらいました。
高野山駅でバスに乗るときにもらった地図は、歩く時間やバスの時刻表が載っていて便利。
どちらももらいましょう。
職員の方にお聞きしたところ、歩いて登ろうと思っていた高野山町石道は除雪されておらず、かなり足元が悪いとのこと。
明日、下ろうかと思っていたけれどやめておこう。
それにしても雪が積もっている、なんて全く想像していませんでした。
確かに先週から冷え込んだけれど、富士山も白い面積が少し増えた程度だったし、1500メートル級の丹沢の山々も白くならなかった。
新幹線に乗っていて、彦根のあたりで真っ白な景色を見たとき、目を疑いましたもん。
その雪は1分もしないうちに視界から消えましたが、新大阪に着いてすぐ宿坊に電話しました。
雪がたくさんあるなら、長靴を買っていかないと…と。
そうかぁ…登山靴で来ていれば、高野山町石道も歩けたんだなぁ。
秋以降、山に登るときは必ず雪の有無を調べるのに怠りました。
標高が900メートルなのに、山と認識していませんでした。
まぁ、いいです。
行きたいお寺には行けるのですから!
まずは、壇上伽藍(だんじょうがらん)へ。
自分勝手ですが、
「良かった。人のいない今、ここに来れて」
と、心底思いました。
根本大塔(こんぽんだいとう)、なんて鮮やかな朱色でしょう。
何度も火災や落雷で消失し再建されているそうですが、大きさは空海さんが建てたときとほぼ同じ。
今でも大きいですが、当時としては本当に大きかったでしょう。
内拝料500円ですが、数ヶ所をまわれるセットの割引券もあるので、向かい側にある御供所にまず寄るといいです。
この中に一歩踏み入れたときの衝撃。
大きすぎて美しすぎて、息がとまりました。
こんな空間に私しかいないなんて。
般若心経を何度も唱える間、誰ひとり来ませんでした。
ただただ、大日如来を見上げている。
静かな時間を過ごしました。
どのくらい時間がたったのかも分からなかった。
時がとまっていました。
撮影禁止なので、この空間にぜひ行ってみてほしいです。
ほんとにすごかったです…
高野山 壇上伽藍・根本大塔
境内は、雪とパッキパキの氷のミックス。
スニーカーなので慎重に歩きます。
20センチ以上積もっていたようですが、前日の雨でだいぶ解けたとのこと。
前日だったらきっと、雪と雨でスニーカーがぐしょぐしょでした。
そして、中門(ちゅうもん)の四天像に興奮!
広目天の胸にはトンボ、増長天の胸にはセミが。
トンボは前にしか飛ばないので邪悪なものから退却しないという決意。
セミの声は遠くまで届くので、邪気への威嚇と広く見渡せる目を表しているそうです。
持国天や多聞天の胸元には、何もありませんでした。
ひだのひとつひとつまで躍動感があります。
松の葉を拾いました。
お守りにしようと思って。
雪の重みでしょうか、見上げていた短時間にもけっこう落ちてきました。
白装束のお遍路さんが数人いました。
今年歩くのは、例年よりも大変だっただろうなぁ。
山をマスクして歩いていると、不織布のマスクは特に、中が水滴でいっぱい濡れて肌が湿気と乾燥にやられます。
でも、来年もマスクを外せないんだろうなぁ…
お腹がちょっとすいたけど、あまりガッツリ食べたくないなぁ。
やきもちを売っていて、食べるスペースがあるお店があったので、そこで休憩。
クルミの入った求肥と、やきもちをいただきました。
焙じ茶、温まる〜。
やきもちは、作っているところが4ヶ所あり、少しずつ味が違うようです。
おやつ用に、違う店でも買いました。
さて、金剛峯寺(こんごうぶじ)へ。
高野山を巡る | 高野山真言宗 総本山金剛峯寺
内拝科は1000円です。
セットの割引券なら含まれています。
高野杉の断面は直径2メートル以上!
すてきな襖絵がずっと続いていますが、撮影・模写は禁止です。
台所の釜がでかい!
ひとつで98キロの米を炊けるんですって!
ほかほかのたくさんのお米〜、見てみたい。
おにぎり、いくつ作れるだろう…
屋根の上の桶は、今は使われていませんが防火用水だそうです。
屋根が茅葺きのため、火の粉程度でも燃え広がってしまうので、以前は水をためていたのだと教えていただきました。
15:00まで、1時間弱あります。
1キロか、女人堂にも行ってみよう。
昔、女性はここまでだったそう。
ほかにも女人堂はありましたが、現存しているのはここだけです。
宿坊へ戻ります。
続きます。