ここも毎年のように見たくなる景色です。
標高は2,764mです。
北岳の登山口である広河原へは、甲府駅から2時間ほどバスでかかりますが、その途中1時間半ほどのところに「夜叉神峠(やしゃじんとうげ)」バス停があります。
薬師岳の白砂の景色も、なんだか急に別世界に来たようで好きですが、
「鳳凰三山のなかで、どれかひとつ!」
となると、やっぱり地蔵岳なんですよね~。
合掌したような形の岩はオベリスクと呼ばれています。
稜線を歩いていて、このオベリスクが見えてどんどん近づいてくると、何度も見ているのにいつもドキドキします。
とっても大きな岩です。
このてっぺんに登っている人をたまに見かけますが、もし登る技術があっても、私はここには絶対登らない。
私には、ここは祈りの場にしか見えないんです。
ひとり静かに見ることができるときだけ、ゆっくり眺めて過ごします。
本当に好きな場所。
そして、大切な場所。
手前に映っているお地蔵さまについてです。
このあたりは「賽の河原」と呼ばれているので、なんとなくですが、亡くなった人のためのお地蔵さまなのかと思っていました。
違っていました。
子どもを授かるためのお地蔵さまだったのです。
「1体を持ち帰れば子どもが授かり、2体をお返しすれば健やかに育つ」
相当重いでしょう…願う人すべてができることではありません。
新しいものもあれば、長い年月を経て崩れているものもあります。
お地蔵さまの数だけ、新しい命が誕生したということ。
この賽の河原は、命がうまれたことを喜ぶ場所にもなるんだ。
トイレがあったら、きっと、もっと長居してしまう。
ここからは長い下りが待っています。