「山にクジラがいる!」
ハァハァ荒い息をつきながら振り返ったとき。
山でなくても見ることができたでしょうが、山で出会えた景色ということにします。
今すぐ思い出せるキツイ道が2つあります。
そのひとつが、北アルプスの最北にある蓮華温泉から朝日岳の登りです。
出発した蓮華温泉ロッジがずっと視界に入るのですが、いっこうに遠ざからない。
遮るものがない強い太陽に、ジリジリ焼かれ続けます。
額から汗がぽたぽた地面へ落ちるのですが、地面に吸い込まれた瞬間「ジュッ」って音が聞こえそうなくらい。
休憩中、地面に汗が落ちて染みてもすぐ乾くくらいの暑さでした。
顎が上がるくらいに息があがってしまい「もう疲れたよぅ…」
膝に手をつき立ち止まって呼吸を整え、ふと振り返ったら、この大きな雲が見えたのです。
思わず「うわぁ!」と声が出ていました。
太陽が目のよう。
すぐに形が崩れ、クジラに見えたのはほんの数分でした。
ちなみに、キツイ道もうひとつ。
こちらも北アルプスですが、アルペンルートの終点「室堂(ゴールデンウィークの雪の壁で有名ですね)」から歩いて「五色ヶ原」という景色のいいところに着きます。
そこで泊まってさらに薬師岳へ南下していくのですが、途中で「スゴ乗越(のっこし)小屋」を通過します。
小屋が見えました。
目指す小屋はすでに目線の高さ…ということは、この先には登ったり下ったりの道が…
200m上がって下って、の繰り返し。
地味にキツイ。
でもこの山小屋ごはんが、ダントツで1位なんです。
具たくさんの味噌汁、カレー、すべてが絶品でした。
でもあのアップダウンを歩かないと、あの味にたどり着けないんだな。