登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

天狗温泉 浅間山荘 その1

勤務明け、バスタ新宿へ。
佐久・小諸行きの高速バスに乗ります。
小諸駅から先は路線バス扱いになり、地元の方々が乗ったり降りたり。
私は「浅間登山口」で下車。
宿の予約時に送迎をお願いしてあり、4km先の「天狗温泉 浅間山荘」へ。
今回は連泊します。
ここは3度目。
2度目は、なぜか父とふたり旅でした。
当然、私は山に登るつもりだったので、朝早く出るから一緒にいられないと言ったのですが、父は「ひとりで観光する!」と言い…
でも、私が下山した頃には飽きて、さっさと新宿に帰っていました。
 
玄関でさっそく目についたのは…
天狗柄の手ぬぐい!
前に来たとき、こんなのあったっけ?
あったら絶対に見逃してないはず!

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当然買う!
宿帳の記入より先に
「これください」
職場の手ぬぐい収集仲間(?)のおじちゃんにラインすると「欲しい!」
そうでしょうそうでしょう、買っていきますよ。
タオルもかわいい〜。

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ザックを置き、温泉へ。
扉を開けた瞬間、
「この匂いだよ〜」
と懐かしくなりました。

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鉄の匂い、まぁ、血の匂いとも言いますが。
源泉がとぷとぷ湧いています。
太陽の光が射し込んで、湯の色がきれい。
窓枠でくっきりコントラストになってますね。

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そしてこの湯は、すぐにあったまります。
もっと浸かっていたいのに〜。
タオルで体を拭うとこの色に染まります。
 
先月、浅間山の噴火レベルが1から2に上がったため、登山者も観光客も激減してしまったそうです。
佐久駅あたりから見る浅間山は、ずいぶん雪が少なくなっていて山肌の縦の線がくっきり見えました。
明日はお気に入りの場所でゆっくりするつもりです。
 
夕食まで本を読もう。

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今回は、山を歩くときに不要な荷物は部屋に置いていけます。
ということで、数冊の本を持ってきました。
 
夕食です。
春ならではの山菜や、鹿肉に玉葱を甘く煮たものをあわせてあったり。

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薄い衣でサックリと揚がった行者ニンニク、ふきのとう、干し柿などの天ぷら。
干し柿が天ぷらになってるなんて〜。
普通の干し柿よりも、ギュッとなった食感。
甘い!

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鼻に抜ける香りがなんともいいキノコの鍋。
シメは手打ちそば。
山の幸も大好きです。
 
温泉に浸かり、春の恵みをたくさんいただいて、畳に寝そべって本を読む。
 
本は続きが気になってしまい、2日かけて読むつもりだったのに、読み終えてしまいました。
まもなく死ぬことが分かっている人たちの話です。
結末を書いているので、もし読んでいる途中の方がいらしたらご注意ください。
 
私は以前就いていた仕事で、病気など理由はさまざまですが、人はあっけなく死んでしまうんだ、ということが心に強く刻まれました。
いつか迎えるその日まで、たくさん笑いたくさん泣いて、たくさん「ありがとう」を伝えて、たくさんおいしく食べて眠り、山を歩き、海に潜り、大好きな人と共に暮らそう。
 
人生の最期、主人公は「ごちそうさま」と旅立ちました。
私は「楽しいことがいっぱいだった!ありがとうございました」で死ねたらいいな。
 
明日も楽しく山を歩けますように。
続きます。