登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

中央アルプス 宝剣岳(ほうけんだけ)〜空木岳へ その2

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買っておいたおにぎりと味噌汁で朝ごはんを済ませ、6:11のバスに乗りました。
次の「菅の台バスセンター」では…
バス停には100人以上、チケット売り場にも30人以上が列を作っていました。
山岳地帯を走るバスですので補助席は使いますが、立ってギュウギュウということはありません。
このあと臨時バスが何台も出たようです。
 
始発の30分前からチケット売り場は開きますが、始発前は特に、長蛇の列なんですよね。
ロープウェイ乗り場への路線バスも現金のみの支払いですし、ICカードが使えるとスムーズに下車できるんだけどなぁ。
混雑したバスから降りて、またロープウェイの券を買うために窓口に並ぶのイヤじゃないですか。
かといってバスに乗る前に、あんな列のチケット売り場に並ぶのもイヤだ。
事前購入は、
・購入日から3日間有効
・購入日以外払い戻しは一切できない
という条件です。
私は片道だけなので日程は問題なし、ただ、ロープウェイが運休の可能性などもありますので、基本的には当日の購入を勧められします。
でも私は、天候が安定しているなら前日に買う!
並ぶのキライ。
 
いつもは賑やかなバスの車内も無言。
ロープウェイ乗り場(しらび平)へ到着。
普段は30分ごとの運行ですが、学校登山の中学生もおり、始発から9分ごとの運行が開始されていました。
背中のザックの大きさから見て、日帰りの方がほとんどです。
下りのロープウェイ、午後だと乗るまで相当待つんだろうな…
 
私は3つめのロープウェイに乗ることができました。
定員を80%に減らしています。
滝や景色が見えるたび、控えめに歓声をあげる中学生たち。
もっと「うわぁ!」って言えたらいいよね。
私だって、初めてこんな景色に出会ったらすごく興奮するもん。
 
ロープウェイを降りて、千畳敷カールに出ます。
気温は17℃。
もっと涼しくてもいいなぁ。
千畳敷では少しゆっくりした方がいいです。
ロープウェイで急に高所へ上がってきていますから、体調によっては高山病の症状が出ることもあります。
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見たことのある景色なのに、やっぱりどきどきする。
あの扉のむこうだ。

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あぁ〜、きれい!
やっぱりすごいや、ここは。
また妹とも登りたいなぁ。
本当に美しい場所。
剣岳も見える。
今から行きますよ〜。
 

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集合写真を撮る中学生たちも、遠くに見える南アルプスを指したり、この景色に驚いていました。
 
7:30
さて、私は登りましょう。
 
花を見て木曽駒ヶ岳を往復するのでしょうか、ほとんどがカール(氷河で削られた地形)の方に行ってしまうので、静かな山歩きです。
そちらからも宝剣岳は登れますが、混雑しているでしょうから、いつ上にたどり着けるか分からないので、反対から行きます。
 
〈本日の計画〉
7:30 千畳敷カール △2650
8:00 極楽平
8:30 宝剣岳 △2931
9:00 極楽平
10:00 濁沢大峰
11:30 檜尾岳 △2727 近くの避難小屋にトイレあり、休憩 12:00 
13:10 熊沢岳△2778
14:10 東川岳△2671
15:00 木曽殿山荘
 
歩行時間7時間
 
標高だけ見ると、宝剣岳に登る以外はなだらかな散歩だと思いませんか?
ところが実際は、アップダウンの連続なんですよ。
下っては登り返し、また下り。
 
ロープウェイを下りたところからゆっくり登って30分。

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最初にペースを上げてしまうと疲れるので、ひとりなら鼻歌を歌えるくらいのペースで登ります。

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8:00
極楽平
剣岳が混んでいそうだったらやめようと思っていたけれど、ひとりしか歩いていないから行くことにしました。
すいていれば岩場も自分のペースで上り下りできますし。

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極楽平にザックを置いて、手ぶらで向かいます。
途中ですれ違った人に「え? 手ぶら?」と言われましたが、いちばん歩きやすいですよね。

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ストックを使っている人もいましたが、こういった岩場では両手が空いていた方がいいです。
手をつかってよじ登るときにストックは邪魔になるだけです。
奥穂高岳などを歩いたことがあれば、全く恐怖は感じないと思います。
足をしっかりかけられるところがありますし、手でつかむところもあります。
鎖もかけられています。
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右には富士山と南アルプス、左には御嶽山
絶景です~。
事前に見た山の天気予報「てんきとくらす」ではCランクでしたけど、トリプルAランクですよ!
快晴で風もない。
やっぱり来てみないと分からないですね。

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8:35
剣岳に到着~。
ん?
祠しかない。

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10年以上前に来たときは、山頂を示す何かがあったと思ったけど…
記憶違いかな。
ないものは、ない。
戻ります。

 

9:10
極楽平
けっこう人が増えてきたなぁ。
空いているときに行けて良かった。
おにぎりを食べて出発します。
9:25
 
それにしても、ホテル千畳敷はいいところに建っているなぁ。
いつか泊まりたい。
夜も朝も景色すごいに決まってる。

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ところで、花に興味のない私ですが…
ほかの山では見たことのない花があるなぁ、と思っていたらガイドさんらしき人が教えてくれました。
この山域の砂礫地にしか咲いていない固有種の「ヒメウスユキソウ(姫薄雪草)」または「コマウスユキソウ」ともいうそうです。
はかなげな名前ですね。
一生言われない言葉だ。
高山植物って小さな花が多いし、可憐な感じがします。
厳しい気象条件に耐えて咲いている、というイメージがありますが、それは本人(?)にしか分かりませんよね。

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葉っぱが起毛しているよう。
触ったら、もふもふしていそうです。
 
続きます。