登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

立山へ その2

地鉄富山駅から、終点の立山駅へ。

1時間20分ほどです。

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雲ひとつない青空。

 山々の稜線がくっきり。

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どきどきしてきます。

緊張ではありません、楽しみでたまらなくて! です。

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立山駅から称名滝まではバス。

アルペンルートは切符売り場に並びますが、このバスは車内精算(500円)です。

4/28~ 称名滝探勝バス(立山駅前~称名滝間)運行開始について|お知らせ|立山黒部アルペンルート

バスの始発が8:30なので、朝はゆっくりでした。

もっと早いバスがあると、こちらから登る人が増えると思うんですけどねぇ。

すごくいい道だからもったいない。

登り出しが9:00になってしまう。

夏は気温がすでに上がっている。

秋は日没が早まりますから、コースタイム6時間はちょっと計画しづらい。

 

日本一の落差、350mの称名滝(しょうみょうだき)。

寄り道したいと思いましたが、往復1時間弱。

本日は大日小屋まで、6時間の予定。

ということは、15:00着。

天候の急変もあるかもしれないし、夕立だって。

またの機会にしよう。

称名滝バス停の標高が970mなので、ここから標高差にして、1500mほど登ります。

標高が高ければ涼しい風も吹くのでしょうが、この標高では炎天下。

登山口から1分も歩かぬうちに、汗が吹き出すほどでした。

途中にある水場が救いです。

水がなくなるのが、いちばんこわい。

 

〈本日の予定〉

  9:00 称名滝バス停(トイレ)△970

  9:30 大日岳登山道入り口

11:30 牛首

12:40 大日平山荘

13:50 水場

15:10 大日小屋△2400

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称名滝行きのバスは、私を含めて3人しか乗車していません。

そうなるよね…

そのうちのおひとりは、私と同じ大日小屋に宿泊しましたが滝を見に行かれていました。

到着時間は16:30過ぎ。

やはり滝を見ないで歩いて正解だったと、私は思っています。

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バスの到着も早かったため、大日岳登山道入り口に9:00には着きました。

緑が濃い!

深呼吸して歩きだします。

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対岸には、高い高い岩の壁。

これから歩いて、あの高さを超えるんだ。

 

はじめがなだらかで、最近、スクワットなどの筋トレをさぼっている体にも歩きやすい道でした。

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ただ、汗はハンパない量で、登山道にぽたぽたと垂れ落ちます。

頭から脚まで出てます。

お風呂上り、タオルで拭く前をイメージしていただくと…

そして無風。

汗を拭いても拭いても、おっつかないので、目の周りだけ拭いていました。

しみるんで。

メリノウールの靴下を履いている足だけはサラサラでした。

 

水分摂取についてですが、いっぺんにどれだけ飲んでも100mlほどしか吸収されないと聞いてから、以前にも増して、こまめに飲むようになりました。

2~3口ずつ、こくこくと。

大切な水を、吸収されずに汗でどっと出すだけではもったいない!

 

登山道には、ところどころベンチがありますが、どれも日当たりいいんですよ~。

暑すぎて、休憩する決心がつきません。

登山口から約1時間、やっと見つけた!

大きな岩の日陰で、15分ほどゆっくり、おにぎりタイム。

なんて涼しいんだろう~。

 

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10:25

牛首

予定より1時間も早い。

ペースを落としても大丈夫だ。

これなら滝を見に行けたな、とは思いません。

結果論です。

登り出しが1時間遅ければ、気温ももっと上がっているでしょうし、気持ちが焦って事故につながることもあるかもしれませんから。

 

静かだな…

こんな山歩きが大好きです。

3日後には、きっと人でいっぱいの室堂に下りていくんですけどね。

今日は、この静けさを満喫します。

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振り向くと、岩壁の高さを超えていました。

うわぁ~、嬉しい。

 

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すぐに木道になりました。

標高1550mくらいから、急に景色がひらけます。

待望の風が吹いてきた。

これだよ、これ!

高山の夏だ。

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ラムサール条約の湿地を歩いています。

大日平山荘までは、ほぼ木道。

歩きやすいですが、雨の日はスリップ注意、気温が下がる秋の朝は凍りそう。

 

11:20

大日平山荘

標高も距離もちょうど半分くらいです。

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ちょっと休憩しよう、と小屋の中へ入ったら、自販機がありました。

山でカルピスが350円で飲める。

荷揚げに感謝です。

15分かけて飲み干しました。

 

称名滝を見なかったので、小屋の裏手にある不動滝を見ようと向かったら…

水の落ちる音はすれど、ガスで真っ白。

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またしばらく木道です。

両脇は笹。

この中に熊の巣があるそうです。

ガサガサと、かなりでっかい音がしていたのは熊だったのかな。

ガサガサしだしたら、手をたたいたり「あーあー」と声を出しながら歩きます。

木道がなだらかすぎ~。

これじゃいつまでたっても着かないじゃないか。

そう思いつつも散歩気分。

この道はアップダウンがないので、ほんとに楽でした。

 

ガスが左から右に、ふわぁ~んと流れていく。

墨絵のような幻想的な世界です。

どうか天気がもちますように!

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やがて岩の道になりました。

歩きやすい。

濡れてなくて良かった。

 

いや~、仕事中にかいてる汗なんて大したことないな、と思えるほどの大量の汗。

早く水場で補給したい。

ごくごく飲み干したい。

 

12:25

待望の水場!

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顔と腕をまず洗う。

冷たくて最高です。

10秒もすると感覚がなくなるほどの冷たさ。

タオルを浸しては首にあてて、背中まで流し込みます。

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う~ん、誰も来ない。

体も拭いちゃえ!

汗拭きシートで拭くより、断然気持ちいいでしょ。

 

小屋まであと、1時間半。

先が見えてきたので、羊羹でおやつタイム。

山での甘いものは、一口羊羹かカステラが好き。

 

水場は、初めに出てきたこの場所が座ってのんびりしやすかったですが、そのあとも何度も出てきました。

この日は5時間で2リットル。

そのほかにカルピスと、この水場で1リットル弱飲んでいます。

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気分爽快、また歩き出します。

雨のにおいはしない。

どうやら間に合いそう。

ガスの中だけど、自分の影が見えるくらいの太陽は頭上にありました。

 

もう少し。

がんばれ。

自分を励ませるのは、今ここには自分しかいないので。

 

14:05

大日小屋に着きました~。

 

続きます。