部屋割りの関係で、個室とのこと。
ラッキー。
鍵もかかるし、好きな格好でグダグダし放題。
発電機がまわっている間は、スマホの充電もしていいんですって。
山でこんな快適でいいのでしょうか。
トイレもこんなきれいで、水洗。
窓から見える景色が絵画のよう!
通過者は土足のまま入れますから、楽ちん。
宿泊者は、土間にサンダルが用意されています。
しかも羽毛布団じゃないですか。
シーツは毎回すべて交換しているそうです。
山小屋の常識が、コロナ前後で大きく変わりました。
つめこむだけつめこまれて寝返りもうてないほどだったのに、仕切りがあったり、布団ひとつのスペースは確保されていたり。
収容人数もずいぶん余裕をもたせています。
快適に過ごせますが、収入が減って小屋が存続できないのは困る。
布団は干せないのが当たり前。
シーツの交換?
そんなの頻繁にできるわけがない。
湿った布団でもしょうがない、それが普通でした。
だから私はいつもインナーシーツを用意して、保温はしてもらうけれど、なんとなく体には接しないようにしていました。
インナーシーツにくるまるだけで保温力があるので、かなり暖かく眠れます。
今、ほとんどの山小屋ではシュラフかインナーシーツの持参を条件(なければ到着時に購入)にしていますが、水が貴重なこんな稜線の山小屋でシーツを毎回交換していること、本当に驚きました。
ザックの整理を終えて、本を読みながら外のベンチで涼んだり、そのへんをウロウロしたり。
下界は暑いだろうなぁ。
ここは、じっとしていると風が冷たく、ダウンを着ていてちょうどいいくらいです。
雲がたくさんわいている。
周囲がどんどん真っ白けになっていきました。
夕食は18:40~。
山小屋にしては遅い時間ですが、会議で使うような長机に密を避けるためひとり(グループはその単位で)で座ります。
お茶を誰かが全員の分入れてまわし、ご飯を誰かがよそい、味噌汁はまた他の誰かがよそう…
そんなよく見る光景もなくなりました。
あのシステム大嫌いだったので、このままであってほしい。
それに知らない人と、その場限りのおしゃべりしたくないんです。
めんどくさい。
夕食の回数が増えるということは、洗い物もいっぺんにできなかったり、熱々のものを提供しようとしたら何度かに分けて用意をしなければならず、手間がかかります。
小屋で働く人の寝る時間も後ろにずれていく。
本当にありがとうございます。
味噌汁がおいしい!
まず、飲み干しました。
味噌は自家製なんですって。
寝る前だからご飯は少なめにして、味噌汁おかわり!
しかもデザート付き。
ごちそうさまでした。
歯をみがいていたら、あれ?
空の色が一気に変わった。
もしかしてもしかして!!
急いで登山靴に履き替えて、小屋の脇の階段を駆け上がり稜線へ出ると…
染まる空。
刻々と形を変える雲。
日没は見られなかったけれど、マジックアワーの始まりでした。
雲海の切れ間に瞬く街の灯り。
灯りが見えたからでしょうか。
中島みゆき「ヘッドライトテールライト」が聴きたくなりました。
しみる…
そのあとお決まりのサラ・ブライトマン「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」を聴きながら、暗くなるまで過ごしました。
今夜は見られないと思っていたから、夢のような30分間でした。
山の闇は好きだけれど、灯りのともる小屋に戻るとホッとします。
今日は久しぶりに泊まりの荷物が入ったザックで重たかった。
いつもより立ち休憩も多く、暑いし、4時間以上も樹林帯でペースが上がりませんでした。
でも
「足を前に、前に。そうすれば着くんだから」
ずっと出し続けていたら、ちゃんと着いた。
だからこの景色を見ることができた。
気持ちのいい布団でコテンと寝ました。
夜明けは4:30過ぎ。
仕事の日に起きる時間に起きればいいや~と思っていたら、いつもの時間に目がパチッ!
習慣ってすごい。
空が白み始めていました。
疲れていたのか夜中、まったく目が覚めなかったので星を見にいかなかったけれど、晴れてるのかな。
ダウンと厚手の靴下で防寒して外に出ます。
うわぁ…
雲が多いのだけれど、それがまた!
雲海も染まっています。
雲海が静かに広がって太陽がぽこん、と出てくる朝も好きだけれど、雲が燃えるような色になる今日みたいな朝も好き。
ひとつとして同じ朝はないんです。
何度見ても、いいもんはいい!
おのおの好きな場所で、静かに太陽を待つ。
いい時間です。
ひとりだけど、ひとりじゃない。
ひとりがいいんだけれど、この景色を一緒に見ている人がいる。
雲から出てきた太陽は、みるみる輝きを増して直視できなくなります。
空をぐるりと仰いだら、さてストーブが暖かい食堂へ。
5:05〜、朝ごはんです。
今日は長丁場だけど、食べ過ぎても苦しいからな。
ご飯のおかわりはやめとこう。
味噌汁だけおかわり!
続きます。