登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

富士山へ その2

今回ルートを考えたとき、長時間歩くのは初めてでしょうし、スバルライン五合目ピストンにしようと思ったのですが、下山したあとに温泉でゆっくりしたいという希望を組み入れました。

 

スバルライン五合目から山頂へ。

お鉢めぐりをして最高峰まで行き、山頂郵便局で残暑見舞いはがきを投函。

御殿場ルートの大砂走をザクザク下り、御殿場駅からシャトルバスで時之栖(温泉)へ。

 

というルートです。

山頂で疲れているようならお鉢巡りはやめて、スバルライン五合目に戻るつもりです。

御殿場の五合目は標高が1450mと、ほかの登山口よりダントツ低いのが特徴。

下りの距離が長いため、膝への負担も増します。

このロングコースを登ってくる人たち、本当にすごい!

コースと施設|御殿場ルート|富士登山オフィシャルサイト

 

1:45 △2305

真っ暗な中、ヘッドランプをつけて歩き始めます。

1分たった頃、その子の持っているライトがふっと消えました。

「このために買ったのに…」

接触不良かと何度か試すも、つかない。

しょうがないね、ちょっとそっちに光を向けるから気をつけて歩いてね。

しばらくは広い道なので、横に並んで歩いても全く問題ないのです。

 

2:05 分岐

山頂まで5.2km。

がんばろう。

 

2:20 安全指導センター(六合目)△2390

ここまでは、なだらかな道。

ここからはジグザグにつけられた道で標高を上げていきます。

 

心がけることは何だっけ?

・会話ができる または 鼻歌が歌えるくらいのペースを守る

・かかとからではなく、足裏全体で地面につくように、太ももを上げて歩く

・大股でなく、小股で1歩を小さく(段差も一気に上がるのでなく、回り道でも数歩かけて上がれるとラク

 

見上げると、山小屋の灯りのほかに、小さな灯りが揺れている。

歩き始めている人たちのヘッドランプが、山頂でのご来光を目指して上へ向かっています。

私は初心者には、真っ暗な中、ゴツゴツした急な斜面を上がるのはストレスだと思うので、相談されれば必ず五合目での仮眠を勧めています。

山頂でご来光を待つのも寒いですし。

今回は温泉に行くという予定があったために少し早めの出発としましたが、五合目を4:00に出ればいいんです。

なだらかな道を歩いているうちに、明るくなってきてご来光。

ゴツゴツ斜面に到達する頃は、とっくに太陽が昇っているので格段に歩きやすいですから。

 

3:20 花小屋(七合目の手前)

気温は14℃。

風は4~5mといったところでしょうか。

けっこう強いです。

ここから足元がゴツゴツし始めます。

 

3:30 トモエ館

ここで15分休憩。

体が冷える前にすぐダウンを着ます。

 

このすぐあとの鎌岩館は、とてもきれいでした。

どうせなら、きれいな使いやすい小屋に泊まりたいです。

寝床も工夫されていそうだし。

 

空の色が変わり始めました。

眼下には街の灯り。

 

4:20 鳥居△2900

見上げてハッとしました。

月と鳥居が重なってる…

 

4:30 東洋館

ここも、すごくきれい~。

 

もうヘッドランプは消します。

日の出は30分ほど後ですが、足元は見えます。

美しい夜明けの始まり。

振り返るたび、刻々と変わる景色に励まされます。

その子も何度も「きれい…」と呟いていました。

 

山中湖が染まりました。

 

今朝は、雲海があまり広がりませんでした。

雲海からポコンという日の出にはなりそうにありません。

 

今歩いているのは、こんな道。

出発して約3時間、△3000まで上がってきました。

順調だね。

頭は痛くないかな?

高山病 - Wikipedia

 

5:00頃、ご来光。

ビックリしたような顔で太陽を見つめるその子が、どんどん暖かな色に染まります。

「写真撮るばかりじゃなくて、目で見るとずっと覚えてられるよ」

と声をかけると、スマホをすぐにしまって、じぃっと見つめてました。

素直すぎるだろう。

 

5:10 △3270

ここから長い長い八合目の始まりです。

みんな、必ず泣き言いうんですもん。

「本八合目って、なに~~~」

ここからほんとの八合目、って意味じゃねーの?

「八合五勺って、なに~~~」

8.5じゃね?

小数点、習ったじゃん。

「七合目には、勺なんてなかったもん~」

んなこと言われても、知らんがな。

つれていくたび、デジャヴのように繰り返される会話。

だから、今回は先に

「八合目は長いんだよ」

って教えておきました。

 

「お腹すきました」

そうね、もう起きてから4時間たってるもんね。

休憩しよっか。

パンをお腹におさめます。

 

ショットガンで流す、初めてのトイレ。

お金を入れる人がほとんどいない(山小屋の赤字の原因のひとつはトイレの糞尿処理なんですよ~、ちゃんと入れてください)なか、チャリンチャリンと入れている後ろ姿に、また「素直ないい子だなぁ~」

富士山のトイレは、きれいだと思います。

小屋によってペーパーの処理方法は違いますので、注意書きを読んで捨ててくださいね。

 

20分ほどの休憩でずいぶん元気になったようです。

食べると元気でるよね!

 

6:05 白雲荘

気温は10℃。

風があるため、少し寒さを感じました。

 

 

6:40 本八合目△3370

このあたりから、少しきつそう。

先に歩かせ、本人のペースにまかせていましたが

「後ろについていく方が歩きやすいです」

と言うので交代。

速くなりすぎないよう、気をつけねば。

10分ほど休憩。

 

次はいよいよ、頂上へ!

続きます。