7:15 八合五勺
このあたりから上で昔よく見かけた、ダウンして登山道の両脇に倒れこんでいる人たちがいないなぁ~。
弾丸登山が減ったのでしょうかね。
ん?
あの斜面にいる人、おかしくないか?
あそこは道じゃないよなぁ…と思っていると、落石を起こしました。
すぐにパトロールの人が向かいます。
下を歩いている人たちが危険ですからね。
道の両脇にあるロープや支柱も、つかまって体を支えるためのものではなく、歩くところを示すためのもの。
支柱はグラグラして抜けたり、ロープはピンと張っていないのでつかまっても倒れたりする可能性があります。
岩に手をつく際は、ギザギザ尖っているので軍手などがあると安心です。
こんなに上がってきたんだよ。
途中で吐いている子供たちを何人も見ました。
せっかくここまで登ってきて、という思いも親にはあるでしょうが…
高山病は標高を下げない限り、回復はしません。
つらいね。
早く下山して体を休めてね。
お大事にね。
と、心の中で声をかけます。
もう足が動いていない子供の両脇を大人が抱えて連れていくのも見ました。
下りていくのではなく、上がっているのです。
真っ白な顔をして引きずられているその子が気の毒でなりませんでした。
もし、その子がその状態で登るのを希望したのだとしても…
両脇の大人は2人ともトレランの格好をしていたので、山に慣れているでしょうに。
どうしてそんなことができるのだろう?
そんなんで山頂についても「やったぁ!」なんて思えないのではないか。
自分で歩いたからこその嬉しさだと思うのです。
7:45
九合目の鳥居△3600
「下から見て、あんなに遠いって思っていたところに着いた…」
がんばったね。
頭、痛くない?
吐き気は?
「全然平気です!」
歩いている間、目が合うと笑顔で安心しました。
じゃあ、最後の鳥居を目指そうか。
「見えてるのに遠いです~」
脚もプルプルしているらしいです。
明後日の仕事は、生まれたての小鹿かな?
8:30
吉田口の山頂△3710
「ちゃんと着いた…」
着いたねー!
よくがんばった!
「私、すごいです!」
うんうん、すごいよ。
それにね、ほぼコースタイムどおり。
山頂の自販機に驚いていました。
私も初めて見たときビックリした〜。
お母さんに電話で報告しています。
代わると
「あの子、本当に登れたんですね」
と嬉しそうでした。
そうですよ、娘さんがんばりました。
下山まで気をつけますから。
やっぱり山頂は寒いねー、とダウンを着こみ、本日3度目のもぐもぐタイム。
お腹すいてるから、なんでもおいしいよね!
「ダウンなんて絶対いらないって思ってたけど、あまりに言う(全然信じないから毎日言った!)から持ってきたんです。持ってきて良かったです~」
だろ?
9:00
お鉢めぐりに出発。
山頂の火口周りをぐるっと1周することです。
この火口は深さ200mもえぐれてるんですよ。
過去には転落事故もおきています。
山頂まで登ってきて、足元がフラフラな方はご注意ください。
あと、はしゃぎ過ぎの方も。
フチまで近づくのは本当に危険です。
今日は雲が上がってくるの早いなぁ、と心配していたら案の定!
一帯は雲の中になってしまった。
近くで話しても声が聞き取れないほどの強風が吹き荒れ始めました。
あちゃー。
たどり着いた最高峰、3776mは真っ白。
この下りがいちばん緊張するはず。
登ってくる人たちでさえ、ズルっと足を滑らせてうつ伏せの姿勢のまま、コントのように1mほど滑り落ちてたり。
滑った女性が笑顔でこっち見るもんだから、私も笑ってしまった。
しかし、それを見たその子の足は、かたまってしまいました。
「ここは90°くらいですか?」
垂直ってこと?
人類はそんな斜面に立てないと思うよ。
でも怖いよね。
手をひいて、手すりにつかまらせてゆっくりゆっくり。
平らな道になって、ホッとしたときの顔がかわいかった〜。
10:10
さて、残暑見舞いのはがきを出しましょう。
昔は赤かったような…
世界遺産に登録されたのでこの色になったそうです。
山頂の郵便局、2022年は8/21までの開設です。
https://www.pst.japanpost.jp/notification/pressrelease/2022/08_tokai/0704_01_01.pdf
そうだよなぁ。
足元の石が崩れていくところなんて、普通の生活では歩くことないですもんね。
ここで時間がかかってしまいました。
続きます。