登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

雨飾山へ その3

笹平で、笹の中に突っ込む前に

「あと40分じゃ、絶対晴れないだろうなぁ」

と思いました。

それでも山頂を目指してしまった。

全部、自分の判断です。

そして今、山頂で

「(左)足、つめたいなぁ」

と思いながら、あんパンをもしょもしょ食べてる。

風がないため、寒さを感じないからマシかな。

 

 

10:45

温泉に入りたい。

足、あっためたい。

 

なんも見えないし、帰ろう。

足、かゆい。

ふやけて皮がむけたら、やだなぁ。

 

あ~。

笹から、つららです。

 

さっき踏み抜いたところ、近くにもそういうとこあるかも。

注意しなきゃ~と、無事通り抜けました。

 

その直後、今度は右足がズボッ。

登山靴の中の不快感は、これで均等になりました。

喜んでるわけではないですけどね。

 

繊細な氷の花です。

 

11:30から、少しの間、雪がチラチラ。

雨じゃなくて、よかった~。

 

 

12:00

いきなり雲がとれ始めました。

うわぁ~。

すごいすごい。

 

今日は、山頂では何も見えなかった。

そういうときもある。

でも、今見えました。

すっごく嬉しいです。

 

そのまま雲がとれていきます。

でも、この時間に山頂にいたら、登山口に着く頃には16:00過ぎて暗くなっているでしょう。

タイミングの問題なんですよね。

そのとき、そこにいるか。

毎回毎回、100%山頂で晴れということはありえなません。

それでも忘れられない景色が、必ずある。

今日はこれでよかったんです。

見られない景色は確かにあったけれど、今、楽しく歩けてる。

転んだりせず、無事に歩ききれればいい。

 

晴れてくれて嬉しい。

真っ白なままだったら、

「靴の中、気持ち悪い…」

って、トボトボ下りてたと思うんです。

幸せ~。

 

12:30 荒菅沢

ここから少し、登り返します。

上着を脱いで、チョコを食べます。

景色がいいもんだから、ぼけーっとしてるだけで、気づくと20分たってました。

 

振り返って思います。

あそこから下りてきたんだな、って。

 

私は下りが苦手です。

午前中登っているとき、こりゃ下りに時間がかかりそう…と思いました。

焦らない。

だって、帰りのバスを気にすることなく、もう1泊できるんですから。

 

13:30 ブナ平

 

 

14:00 

沢の音が大きくなってきました。

いい道。

もうすぐ木道です。

 

14:15 登山口

やっとトイレだ~。

 

15:00までに、登山口に着く計画でした。

山頂での休憩が短かった分、早かったです。

 

そして、ここで女神が降臨。

登山口から宿まで、ゆるやかな下りの舗装路で50分歩かねばなりません。

トイレの前になぜか、車が1台とまっています。

山では誰にも会わなかったのになぜ(キャンプ場も営業終わっているし、とくに見どころがない場所なので)?

 

車から出てきた方に

「山から下りてらしたの?」

はい。

「おひとりで? 何時間歩いたの?」

休憩のぞくと7時間ですね~。

「ここまではどうやって来たの?」

雨飾荘に泊まったので、宿の方が朝、車で送ってくれました。

「今日はこれからどうするの?」

連泊するんです。

「私たちもそこに泊まるのよ。乗っていきなさいよ~」

え…!

嬉しいです。

でも、すごい汗かいてるんです…

シートが汚れたら悪いので。

「気にしなくていいわよ。乗って乗って」

 

神様、ありがとう。

何度も言うけど、靴の中、ほんとに気持ち悪くて。

靴の外の汚れをブラシで落とし、お言葉に甘えます。

 

チェックインの時間より早く到着したので、ちょっと登山口へ寄ってみたそうです。

1分でも下りてくるのが遅かったら、お会いできませんでした。

50分が5分になるなんて。

ありがとうございました~。

 

登った日の夜から翌日の朝にかけて、この時季としては異例の強い寒波が入るとのこと。

標高1000m以上の山域では積雪があるそう。

今日、登れてよかった…

 

続きます。