登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

北岳 ~ 間ノ岳へ その1

出発前、家で計るとザックの重さ(約1.5kg)込みで8kgでした。

パンやおやつは減っていくとして…

カメラの分だけ、いつもより重い。

水を入れたら10kg超えます。

もっと軽量化をしようと思えばできますが山小屋で快適に過ごすための着替えなど、まだ削らなくてもいいかなぁ、と。

 

広河原を出発し、次に水を補給できるのは白根御池小屋なので2時間半。

4時に出発、今の気温は24℃。

もう、すでに暑い。

5分後には汗をかき始めているでしょう。

2リットルいるか?

う〜ん。

多いような気もするけれど、足りなくなったら本当にヤバいから念のため。

 

風の通らない白根御池小屋までの樹林帯や、すり鉢の底のような地形の大樺沢は気温が上がる前にできれば抜けたいなぁ。

 

3:40 出発 △(標高)1520

星がいっぱい~。

ゲートを抜けて、吊り橋を渡ります。

これ、吊橋の手前にありましたが、暗い中で見るとけっこう怖くないですか?

 

4:05 白根御池小屋分岐

 

4:20

ヘッドランプを消しても歩けるくらいになりました。

暗いときに歩くの、久しぶりでした。

虫がもっと寄ってくるかと思ったけれど、そうでもなかったなー。

 

ベンチに着きました。

ここで△1880ほど。

 

5:10 △2050あたり

少し頭上がひらけます。

風が抜けて気持ちいー。

 

少し行ったところにベンチがあったので、休憩。

 

5:45

平らな道になりました。

一息つけます。

このあたりまで来ると、白根御池小屋まであと少しだなぁと思います。

 

6:10 ~ 6:45 白根御池小屋△2236

2リットル持ってきましたが、飲んだのは1リットルでした。

ここからはもっと飲むでしょうから、補給していきます。

 

パンを食べて休憩。

ここから4時間歩きますからね。

ちょっとゆっくりします。

トイレもお借りして…

ここでも風が強いなぁ。

予報では、北西の風14m/sでした。

今は気持ちのよい風だけれど、稜線出たらすごそう。

このあと、下山してくる方が口々に

「上(稜線)、ヤバかったですよ〜」

 

白根御池小屋から二俣方面へ。

白根御池小屋から稜線に出るまでのルートは2つあります。

これから歩くルートは「左俣」コースで、もうひとつは「草すべり」という標高差500mを上がっていく急登コース。

北岳は何度も歩いていますので「草すべり」も登ったことはもちろんありますが、すべて秋。

それでも暑かった記憶があり、夏の暑いときに登りにつかうのはやめようと思いました。

2日後、ここを下ってくる予定です。

 

平坦な道が30分、続きます。

 

7:10 二俣△

 

雲がビュンビュンです。

レンズ雲がある…

 

雪渓、崩れてきてるなぁ。

太陽を背に暑いのですが、風が上から吹いてきます。

雪渓を通るせいなのか、冷たい風で気持ちいい。

 

あんれ、まぁ。

稜線が黒い雲で覆われていきます…

やだわぁ。

 

キンキンに冷えてる~。

顔洗おう。

 

ずいぶん上がってきましたよ〜。

 

8:30 上部二俣

遠すぎて見えないけど。

 

9:00

北岳山頂まで1時間40分」とあります。

 

ハシゴの始まり~。

下山してくる人も多くなってきたので、ちょっと休憩して誰もいなくなってから進もう。

風の弱めなところを選んで、バットレスを眺めます。

スマホがここでやっとつながる(auは広河原から圏外でした)ので、これからの天気を確認。

昼過ぎには雨か〜。

昨日の昼、甲府駅で確認したときは今日も明日も晴れだったのに、両日とも雨マークがついてしまっていました。

焦らずに急ごう~。

 

風が強いので気温はもっとあるのでしょうが、体感温度は10℃以下。

ハシゴ、まだまだあるなぁ。

お腹空いてきた。

パン食べよ。

水も食べ物もいっぺんではなく、少しずつ補給していくのがいいのです。

 

疲れたら、歩いてきた道を見る。

ちゃんとここまで来れた。

北岳山荘まであと標高差100mちょいです。

足を前に出しさえすれば必ず着くのですから。

 

先日、ツレと歩いた山梨の徳和渓谷。

後ろから見ていて、疲れているのでしょうが、ゆっくりでも歩き続けるのをすごいって思いました。

いくつかのガンや心筋梗塞になってアルプスには一緒に登れなくなりましたが、一緒に散歩はできる。

ツレにとっての徳和渓谷が、私にとっての北岳への道。

あと少しだ、がんばろう。

 

なんだっけ、これ。

空木岳でも似たのを見た気がする…

淡い緑色がきれい。

 

9:50 八本歯のコル

「ボーコン沢ノ頭」

樋口明雄さんの本に「ボーコン」を漢字で書くと「亡魂」だとありました。

今まで何も思わずに「ボーコン」という字を見ていたけれど「亡くなった魂」は強烈なインパクトです。

 

池山吊尾根の向こうに富士山が見えるはずなんだけど…

今日は見えないや。

けっこう上がってきましたが、寒く感じません。

風はあるけれど、熱い体が冷えて気持ちいい。

 

なんか、可憐だなぁ。

 

はしご、まだありました。

 

花びらの先だけ、ほんのり赤い。

すてき。

 

真っ赤じゃなくて、渋い色味がいい。

 

振り返れば、歩いてきた道。

 

10:25 トラバース分岐点△2980くらいでしょうか。

 

二俣からここまでずっと、ザレ場とガレ場でした。

ガレ場・ザレ場とは? 山道の安全な歩き方を身につけよう Alpen Group Magazine | アルペングループマガジン

疲れて休み休み歩いていたので、けっこう時間かかっちゃったなー。

 

雪渓の横をハァハァ登っているとき、のび太くんが50代になったらきっとこんなおじちゃんになってるだろうなぁって人が岩に腰かけて休んでいました。

「疲れちゃったー、暑いねぇ」とニコニコ。

私も麦茶を飲みながら、立ち休憩。

「今日は北岳山荘(に泊まる)?」

はい。

「同じだね~。今日は下(広河原)から?」

昨日、広河原山荘に泊まって、暗いうちに出てきました。

「トラバース道、行くんでしょ?」

風もあるし、天気もイマイチだから北岳は明日にして、トラバース道です。

「今、お花いっぱい咲いてるよ。そのペースなら、上まで天気もつだろうからお花を見ながら最後、ゆっくり歩きなよ~」

なんか素直に「ハイ」と言えました。

花に興味なんてないのに。

ニコニコしていておしつけがましくなくて、やっぱり言い方なんだなぁ~、って。

伝えたいことがいくら正しくても、言い方によっては受け入れられないことってあると思うのです。

 

雫も美しい。

 

小さなヒマワリだ。

 

ここからは足元に咲く花をゆっくり見ながら歩くことにしました。

写真も撮ってみよう。

そういえば私、7月に北岳へ来たことないや。

今まで何度登ったか覚えていませんが、8月下旬に一度だけ、あとは秋ばかり。

 

北岳は固有種のキタダケソウをはじめ、花を目当てに登る人が多いというのを思い出しました。

キタダケソウは梅雨頃の花らしいので、今、見ることはできませんがたくさんの花が咲いていました。

全部を撮ることはできませんでしたが、いくつかご覧ください。

名前はわかりません!

ほんとに花の山なんだなぁ、と実感しました。

 

花束だ〜。

 

花の中に星がある。

 

白と黄緑の組み合わせって好き。

真ん中にたくさんの花火。

 

こういうところもありますが、足元はしっかりしています。

登山道を整備してくださる方に感謝の気持ちを持ちながら歩きたいと思います。

 

水色の小さな小さな花。

 

蕾は赤いのに。

 

淡い紫がいいですね〜。

 

あ、バナナみたい。

 

咲くとこうなるのね。

 

ふさふさ。

 

真ん中に、小さなヒトデ。

 

11:05 稜線との分岐

北岳山荘が見えています。

あと30分かかりません。

熱中症にならなくてよかった〜。

両神山熱中症になってから、それが心配で。

 

11:30 北岳山荘△2900

白根御池小屋からここまで、1.5リットル飲みました。

でも全然足りていない。

これから補給しないと。

 

続きます。