登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

北岳 ~ 間ノ岳へ その4

5:55

昨日、真っ白けっけ~だった北岳の山頂へ行って来よう。

朝陽の時よりも、柔らかな光になりました。

 

振り返っても絶景。

甲斐駒もまた歩きたいなぁ~。

来年、仙丈ヶ岳とあわせて歩こうかな。

仙塩尾根から間ノ岳農鳥岳、で奈良田へ下るのもいいなぁ。

地図ひとつあれば、どのルートを歩くか想像するだけで数時間楽しめます。

 

こちらが大きなカールを抱いた仙丈ヶ岳です。

南アルプスの入門の山ですね。

山頂直下には仙丈小屋があります。

仙丈小屋 | 山小屋

 

6:35 北岳△3193

昨日、見えなかった分、喜びも大きい!

予定より早く出たから、その分ゆっくりしよう。

こんな贅沢な時間、あります?

本当に幸せです。

 

三角点があるとタッチしたくなるのは、なぜだろう。

必ずする。

 

雲海に浮かぶ富士山。

言葉が出ません、この美しさ。

 

昨日歩いた、間ノ岳への稜線がずっと見えます。

 

甲斐駒のうしろには八ヶ岳

 

7 :30

さて…

もう1時間もいたんだな。

名残惜しいけれど下山しますか…

 

何度も何度も、振り返る。

何度も立ち止まる。

 

肩の小屋が見えてきました。

8:00 肩の小屋

 

8:20 

もっと、ここにいたいけれど…

預けてあったザックを背負って出発

20分ほどですが、ここからの稜線歩きもとてもいい道です。

ゆっくりゆっくり歩こう。

こんなに天気がいい日、そうそうない。

 

8:25 小太郎山分岐

どんなにゆっくり歩いても、稜線歩きの終わりがきてしまう。

ここを少し下ったところは広場のようになっており、登ってきたときの休憩に最適です。

 

あー、富士山も見おさめ。

 

ここから標高差500mの急坂を下ります。

下る者にとっても登る者にとっても、太陽がジリジリと暑い道。

私、夏はここ登れない。

みなさん、すごいです…

登ってくる人が多く、すれ違いで待つのでなかなかペースが上がらない。

下りのケガが多いので、焦らずゆっくり。

 

今日も花を見てみよう。

赤いつぼみが白い花になるの?

 

なんかね、色が好きです。

 

おしべ?

めしべ?

わかんないけど、真ん中には実みたいのがあって星型に広がってるし、先っぽの黄色いのがきれい。

見れば見るほど、変わった形。

 

この色のはけっこう見た。

 

でも、白いのは初めてな気がする。

そう思いながら見ていたら、登ってきたおじさまが

「白いタカネナデシコは珍しいよ」

さりげなく、花の名前を教えてくれました。

 

10:00

白根御池が眼下に見えました。

お花がいっぱいの道だったけれど、ここを登りじゃ写真を撮る余裕はきっとなかったと思います。

すれ違う人たち、みんなゼェゼェハァハァでした。

2日前に左俣ルートを登っていた私と同じ~。

どちらを登っても息が切れるのです。

 

10:25~11:00 白根御池小屋△2236

ランチは11:30~かぁ。

待てない。

今日までとっておいたカステラを食べて、水を補給させてもらって、広河原へ下ろうとしたら…

6年前に退職した職場で一緒に働いていた子が、旦那さんと一緒に目の前にいた!

「え~~~~~」

再会を驚き合い、これからこの急坂を登るというふたりと別れました。

暑いよ、がんばって!

気をつけて。

 

ここからは樹林帯。

風が抜けずに暑い、と思っていた樹林帯ですが木陰で涼しいや。

森のいい香りがする〜。

それにしてもすごい偶然ってあるもんだなぁ、と思いながら歩いていたら、木々の間にちらちらと真っ赤なウェアの上下を着た人が見えます。

「この人、ウェアもザックも赤じゃん、〇〇さん(職場の上司)みたいだわぁ」

サングラスをかけてて顔は分からないけど、記憶にある髪型と全然違うし、まさか上司じゃないだろう。

上司といっても本社勤務なので、普段は会っていません。

登ってきたその男性が、ふと顔を上げました。

「え?」

つられて私も「え?」

私たちの間の位置を歩いていた、上司の連れの女性もキョロキョロして「え?」

全員がその場に立ち止まりました。

サングラスをとったその顔を見たら…

上司じゃん!

「なんで?」

なんで、って言われてもなぁ。

私もそれ、先に言いたかったわ。

それにしてもすごい偶然です。

同じ日に、同じ山を、同じルートで。

 

12:00 ベンチ

登りのときは暗かった森の中を、のんびり下ります。

もう先が見えてますからね。

バスに余裕で間に合うし。

 

沢の音が大きくなってきました。

広河原着いたら、シャワーあびるぞ~。

 

12:30 白根御池小屋分岐

 

この段差で足を下ろすと「終わったなぁ」と思います。

 

ほんとにあと少し。

 

無事に下山できました。

ゆらゆら吊橋で対岸へ。

 

出発時、暗い時間に見てビクッとなったやつ…

明るい時間でもビミョー。

 

また、いつか。

 

バス停の前に、ザックを置いていきます。

それが座席に座る順番になるのが、暗黙のルールのようです。

これはずいぶん前から変わりません。

甲府駅へ行くならこのバスですが、芦安の駐車場を利用の場合、人数が集まれば乗り合いタクシーで時間に関係なくいけます。

下山してくると「芦安?」と運転手さんに聞かれるので「甲府駅です」と答えると「そっちね~」とバス停を指されます。

 

バス停にザックを置いたら、一昨日の朝出発した広河原山荘へ入り、預けておいた着替えを受け取り、シャワー券を購入。

乗り合いタクシーを利用して芦安まで行き温泉で汗を流して、あとからくる甲府駅行きのバスに乗ることもできます。

温泉は汗がひかなそうだし、広河原山荘でランチもしてみたいので、今回はシャワーでさっぱりすることにしました。

 

山菜そば〜。

 

足りない。

すると、ジュージューおいしそうな音と匂い。

それ、なんですか?

ジビエフランクですよ〜、けっこう評判よくて」

1300円か、けっこうするなぁ。

それ、お腹ふくれる?

食べてみます!

食べてみて驚きました。

とてもおいしい!

そして、ガツンと肉肉しくてお腹もふくれた!

売り切れになることもあるんですって。

 

「天気がよくてよかったねぇ〜」と、みなさんに見送っていただき、バスに乗り込みました。

バス酔いして長かった〜、甲府駅まで。

 

次は、どこの山へ行こうかな。

おしまい。