登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

高知 柏島でナイトダイビング(2024年)

柏島ダイビングサービス フィンハウス

大潮、新月なのでサンゴの産卵が見られるかも?

と、大阪のご夫婦とこの日程に合わせたのです。

でも、産卵がなくてもナイトダイビングは楽しいよね〜。

行こう行こう。

ってことで、20:00から準備をして、静かに出港です。

いつもの港も、真っ暗だと全然違って見える。

 

新月なので、星がくっきり。

ポイントに着くまでは星空鑑賞のお時間です。

 

「後浜1.5」へ。

黒い海へどぼん。

ライトの光で、ブイにつながるロープを探し潜降していきます。

このあと、水深5mのあたりをずっと泳ぎます。

サンゴを傷つけないよう、中性浮力に気をつけて。

 

サンゴの表面にはピンクの粒がびっしりついていました。

これが卵です。

まもなく産卵すると思われますが、それが今晩なのか、明日なのか…

それこそ、私たちが海から上がった数分後かもしれない。

 

昨年と違うのは、チョウチョウウオがたくさんいること。

これは期待しちゃう。

チョウチョウウオは、産卵後の卵を食べに来るのです。

昨年はほとんどいなかったので、産卵しないんだろうなぁ〜って思っていたら、やっぱりなかったし。

 

チョウチョウウオは、なぜわかるのかな。

においかなぁ。

それぞれ写っているのは1匹ですが、視界にはたくさんのチョウチョウウオがいます。

 

こちらはチョウチョウウオの一種のヤリカタギ。

 

チョウチョウウオは、産卵前の卵を食べたりはしないのかな。

口が長いし、取れそうだけど。

 

サンゴに注意をはらいつつも、夜の海を楽しみます。

昼間より動きが鈍い魚も多く、ゆっくり観察できます。

いちばん下は、ナマコにくっついていたナマコマルガザミ。

えんじ色に黄色い点々のカニです。

ナマコのお尻から出入りするんですって~。

検索してみたら、とても詳しく載っている記事がありました。

ナマコマルガザミ

 

 

潜り始めて、1時間以上がたちました。

水深が浅いのでエアは減らないし、まだまだ潜っていられますが、でもどこかでキリをつけなければいけない。

きっともうすぐ浮上です。

見たいなぁ…

 

漆黒の海に、ぽつりぽつりと濃い桃色の小さな玉が浮かび始めました。

これって…

これって、もしかして…

 

これが、サンゴの産卵なんだ。

と思った瞬間、無数の玉が一気にサンゴから舞い上がりました。

ずっと見たかった景色が今、目の前にある。

 

気づいたら泣いていたんだけれど、マスクしてるから拭けないじゃん!

涙なのか、海水が入ったのか分からないけれど、マスクの中がすごく濡れていたので、とりあえずマスククリアをして中の水分を出し、視界をクリアにして卵たちの行方を見つめます。

 

そういえば生臭くないんだな、と思ったら、生臭さを感じるのはもっと大量に産卵したときだそう。

 

ガイドさん、サンゴの産卵を見せてくれてありがとう。

忘れられないダイビングになりました。

 

しかも、ガイド見習いの女性がお子さんを見ていてくださったので、3人で見ることができたんです。

やったね!!

 

 

続きます。