9:20
おいしい朝ごはんをいただき、出発。
お腹がおもーい。
スノーシューをお借りしようかと思っていましたが、朝歩いた感じだと、なくてもいいかなと。
使わなければ、荷物になってしまいますしね。
ストックだけ、お借りしまーす。
夏は牛が放たれている牧場ですが、冬はいないので歩いてもいいそうです。
でも、誰も歩いていないところの雪はやわらかくて踏み抜くことがあるので、しばらくふかふかを堪能して、踏みしめられている道に戻りました。
美しの塔に到着です。
うしろには王ヶ頭ホテルが見えます。
9:55 分岐
王ヶ頭ホテルまでは1.8km、王ヶ鼻までは3.1kmです。
雪がなければ王ヶ鼻まで1時間かかりません。
今日は時間もたっぷりあるし、汗をかきたくないし、天気がいいから、ゆ〜っくり歩きます。
雪上車の跡だ。
雪が解けてスケートリンクのようにつるっつるというのが怖いですから、これはガリガリしていて歩きやすい、
雪、けっこう解けてきてますね~。
ほとんどの斜面で、草が見えてるじゃないですか。
暑い…
このあと、氷の模様がおもしろくて、地面にはいつくばってずっと撮っていました。
靴底の模様のまま凍ったようなのもあるし。
ハッと我に返り、あたりを見ましたが誰もいなくてよかった。
雪が解けるところとそうでないところの差って、なんですかね。
境目の差を知りたい。
11:10
王ヶ頭ホテルの真下を通過〜。
アルプス展望コースから歩くことにしたのは、こっちの道はあまり歩かれていないでしょうから、雪が踏みしめられてなさそうなのでズボッと踏み抜くかもしれないと思い、なるべく早い時間にそこを歩ければ雪が少しはしまっていて歩きやすいかと。
で、王ヶ鼻をまわって、王ヶ頭ホテルへ着けばちょうどいいなぁって。
なにがちょうどいいかといいますと…
ランチタイムは11:00からですが、その時間じゃ、私のお腹にはまだまだ餅とピザがいるんですよ。
お、雪解け水。
冷てぇ〜。
感覚、なくなる~。
ひとりだと、こういう遊びを時間を気にせずできます。
11:30 分岐
トイレへ行くなら、ここで王ヶ頭ホテルへ寄ります。
そういえば、宿で聞いたのですが、1月に王ヶ頭ホテルの水が凍ってしまい、お客さんを受け入れられなかったそうです。
それも大変なことですが、従業員が60人もいると聞いて、その人数が生活するのもほんとうに大変だったろうな、と。
分岐からはまた、広い雪道になりました。
歩きやすーい。
おぉ、鉄塔の右に槍ヶ岳が見える。
あの鉄塔の先が、王ヶ鼻です。
車道にぶつかるので、そのまま車道を左へ。
鉄塔へ向かうように進むと、またすぐに雪道になります。
木の影がきれい。
遠くに見えていた鉄塔が、すぐそこに。
11:55
標高2008mの王ヶ鼻に到着〜。
誰もいません。
おとといは雪も降ったり、と気温が低い日もありますが、もう、春ですもんね。
来週は桜の開花だとか。
朝はかろうじてシルエットが見えていた富士山は、雲の向こうへお隠れになりました。
お久しぶりです。
今日も無事に、歩いてこられました。
ありがとうございます。
山で石仏に出会うと、いつのときもここにいてくれるんだな、と思います。
王ヶ鼻の石仏群は、御嶽山をじっと見つめているかのようです。
年齢を重ねて高い山へ登れなくなったら、ここへ来よう。
ここから360度ぐるりの景色を見れば、それまでに登ったたくさんの山を思い出せるだろうから。
ここから見渡せる多くの山々を歩いてこれたこと、これからもずっと歩きたいこと、たくさんの記憶が、思いが、浮かんでは消える。
泣きたくなってきた。
ひとりでよかった。
立ち上がり、もう一度振り返って目に焼き付けます。
写真ではなく、目に。
次にこの景色を見に来るのはいつになるかわからない。
でも、この景色は忘れられないと思います。
12:20
そろそろ行こう。
きりがない。
わりと近く見える王ヶ頭ホテルですが、1kmあるらしいです。
浅間山も見えました。
12:50 王ヶ頭ホテル
カレーと迷いましたが、米よりパンのほうがお腹にたまらないだろうと、ビーフシチューにしました。
夕食もおいしくいっぱい食べたいので!
トイレをお借りしようとしたら、今は館内のトイレを利用していいとのこと。
え、館内に入れるの?
それだけでもウキウキなのに、1階のトイレが清掃中だったので2階に案内されて〜。
清掃中の部屋をチラ見できたし、くつろぎスペースも見学。
ラッキー。
王ヶ頭ホテルはひとりだと泊まれないんです。
だから中を見られることはないと思っていました。
戻ったら、ちょうどビーフシチューができていました。
いただきまーす。
うまい〜。
添えてあるパンがおいしいな、と思ったら説明がありました。
パンがのっているカッティングボードもかわいい。
売ってればいいのにな〜。
売店にオリジナルグッズはたくさんありましたが、私が欲しいものはないなぁ。
重くなるけど、この甘酒はおいしそうだから買おう。
ランプがかわいい。
夜はもっと雰囲気いいんだろうな。
13:35
宿へ向けて出発します。
一番風呂に入るぞ~。
かわいらしい雪だるま。
どこまでも続くかのような道。
ここを今日、歩けたことがとても幸せです。
靴底や雪上車のつくった溝に張る氷がほんとにきれい。
普段は景色を見ていてなかなか進めませんが、今日は足元を見て進めない。
さっき、山の景色は目に焼き付けた。
最高でした。
ほんとに静かです。
これまで、数人としかすれ違っていません。
ザクザクと氷を踏みしめる、自分の足音しか聞こえません。
要塞と雪を頂いた峰々。
何度見ても現実味が…
美しの塔が近づいてきました。
今も、360度ぐるり、誰もいません。
宿が見えているのに、足元の繊細なレースのような氷が気になっちゃって。
14:50
宿へ到着しました。
続きます。