登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

母とふたり旅 その1

父とはけっこう出かけますが、母とふたりで旅行したのはいつだったか…

おばあちゃんの墓参りで鳥取に行った際、三朝温泉や出雲へ寄ったときかな。

だとしたら、20年近く前です。

このとき、島根県足立美術館横山大観などをコレクション)に行きました。

最寄り駅へのバスが出てしまったあとで、天気もいいし歩くことにしたのですが…

まだスマホもなく、バスが通るであろう道をそのまま歩いていくのですが、途中で3回ほど「駅まであとどのくらいでしょうか」と聞くと、毎回「20分くらい」と。

そんなわけない~。

さっき聞いたときから20分は歩いてる。

それなのに減らない…

「ここらの人は歩かんけぇ」

そっかー、徒歩での所要時間がイメージできないんだ。

それなのに!

母は途中で果物や野菜を買い込んでいく。

車じゃねぇんだよ。

歩いてるんだよ、しかもゴールまでどれくらいか分からんのに。

駅に預けた荷物の引き取り時間(16:00までしか預かれないと言われていた)もせまってきている。

重たいビニール袋が両手の指にくいこむ。

リュックがあれば、と思いながら一生懸命歩く。

「お母さんも持つから」

「いいから歩いてくれ!」

ギリギリで駅へ着いたのですが、その数分前にバスに抜かれて。

バスを待っていれば、野菜や果物を重たい思いをして運ぶこともなかったのだなぁ。

ビニール袋をベンチに置いて手を開いたら、よっぽどくいこんでいたのでしょう。

親指以外の皮が真っ赤によじれていて、こわばって指を開けませんでした。

懐かしい、というかなんというか…

母がいまだに

「あのとき、もっと買いたかったけどガマンした」

とトンチンカンなことを言って、私をイラつかせています。

常念岳から槍ヶ岳を歩く予定をやめて、母の湯治に同行しました。

70代後半なので年齢的なものもあるのでしょうが、1年ほど前から「肩が痛い」「背中が痛い」と言い出しまして。

父が一緒に行くつもりだったようですが、マイペースな母と3日間ふたりっきりは無理(別居中。週に2度会う)だと思い出したらしく、白羽の矢が立ちました。

「旅費は出すから一緒に行ってやってくれ」

ふくしま 磐梯熱海温泉 ホテル華の湯 - 公式ホームページ

なぜこの宿?

以前、妹夫婦と両親で福島へ旅行した際に、ここの温泉で体の不調がすっかり治ったからだそうです。

検索してみたらお高い宿でした。

自分では泊まらない(泊まれない)けど、父が出してくれるなら~。

しかも2泊。

「山の疲れを癒やすにもちょうどいいじゃない」

いえいえ、焼岳の疲れはとっくに癒えています。

それに遊びで行っているのだし。

 

バスタ新宿から郡山駅まで高速バス。

スカイツリーも見える車窓からの景色に、母は嬉しそうでした。

 

「バスって長いね〜」

78歳にもなって、それ言う?

 

郡山駅でランチにします。

5分たっても店が決まらない。

うどんにしよ、うどんに。

私は揚げ餅入りのカレーうどん、母は牛すじうどん。

牛すじの少なさったら…

 

明日のおやつに、柏屋でできたて薄皮まんじゅうを。

 

磐梯熱海駅で、宿の迎えを待ちます。

 

駅前に足湯がありました。

 

駅から10分かかりません。

うわぁ!

すてきなロビーです。

大きな窓の向こうの木々が美しい。

 

この日は中秋の名月

雲が多めの夜でした。

 

2日間過ごすので、ちょっといい部屋です。

和室は腰痛持ちにはキツいので。

素足で過ごせてベッドの部屋がいちばん好き。

カメムシが大量発生しているそうで、窓を開けられないのが残念。

今の季節、自然の風がいちばん気持ちいいんですけどね。

 

桃の紅茶だ、あとで飲もう。

 

この椅子、欲しいです。

座面のかたさ、背中のフィット感、頭まですっぽりはまる高さ…

何もかも好み!

聞いてみたら、新潟の伊勢丹でオーダーメイドで作ってもらっているそう。

買えないんだー、残念。

母と「いくらなら買うか」と言い合っていたんですけど。

 

ウェルカムドリンクやスナックも豊富。

べこの乳をゴクゴク。

 

16:00〜、玉こんにゃくもありました。

 

明日のおやつに、さくらと梅と桃を買いました。

明日、おやつばかりじゃね?

 

10階の大浴場入口のからくり時計、かわいい~。

湯上がりに見たい!

 

檜の大きな湯船のほかに、6〜8人で入れるような湯船が5つもあります。

温泉 | ホテル華の湯

 

中に入って驚きました。

外国のお客さんが全くいない。

磐梯熱海温泉は穴場なのか。

 

フェイスタオルは部屋から持参しますが、バスタオルが使い放題。

どちらかというと、フェイスタオルが使い放題がいいなー。

フェイスタオルでほとんど拭いてから脱衣所に行くのでバスタオルって、ほとんど濡れない。

そしてフェイスタオルは、次に使うまで絶対に乾かない。

 

ふたりの名前は、湯助と華子です。

民謡の「会津磐梯山」が流れてきました。

 

汗がとまらなかったので、足湯しながら涼しい風をあびます。

母にはこのとき、誕生日プレゼントとして、人生2回目という足ツボマッサージ40分を贈りました。

 

今夜はビュッフェです。

食べるぞ〜。

 

続きます。