登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

職場の新人さんたち、初めての富士山へ その4

これから長い下りが始まります。

最初に言ってしまうと、今までの富士山でいちばんキツかった。

「吉田口に下山しよう」とキッパリ言わなかった自分を責めながら下ることになりました。

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何度もブルドーザーを見かけます。

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夏らしい空だなー。

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11:45 本八合目 △3400

ゲイターをつけて、下る準備を整えました。

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うわー、真っ赤。

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下りが苦手な人にとっては、とても歩きにくいようです。

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ここまでのへっぴり腰を見て、なんで判断しなかったんだろう。

この分岐でも、吉田口に下ろうと言うことができたのに…

最後のチャンスだった。

何やってるんだよ。

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「すごい下ってきましたよね!」

そうだね、がんばろう。

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根っこ、なんで出てるんだー。

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12:45 本七合目 △3200

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ブルドーザー、乗りたいって思っちゃダメですか?

思うだけならいいよね。

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13:05 七合目

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雲が多めになってきました。

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ずっとこの景色が続きます。

「夢に出てきそう…」

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何度も何度も尻もちをつきながら、健気に下っていく。

膝に手をついて息を整える。

がんばれ。

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須走ルートの砂走(すなばしり)ってこんななの?

御殿場の方が下りやすかったなぁ。

もっとふかふかな感じで。

ここは石なんだよなー、かたくて滑りが悪い。

足をついてみないと、下がかたいのが分からないことが多くて、それも怖い。

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登りはペースを合わせられましたが、下りをとてもゆっくりなペースに合わせるのは、踏ん張る時間が長くなってつらいということに気づきました。

「速すぎます、焦っちゃいます」と言われて、途中まで一生懸命合わせていましたが、私の太ももがもちそうにない。

 

ごめん。

私も疲れていて合わせられない。

姿が見えるところで必ず待つから、歩くスピードはそれぞれのペースにさせて…

 

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振り返って2人を励ます。

自分を励ます。

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「剣ヶ峰に行かないって決めてくれてありがとうございました」

うん。

「行ってたら、下れなかったと思います」

そっか、納得してもらえたらよかったよ。

行けたらよかったんだけどね。

 

木々が増えてきました。

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上から見えていた「吉野屋」がやっと近づいてきた。

ほんとに遠かった…

でもここがゴールじゃない。

気を緩めさせないようにしなければ。

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登りでも感じたことですが、8割が海外の方ですね。

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15:10 砂払五合目

ねぇ、正しい標高はどっちですか?

2300mと2230m。

疲れている身にとっては大きな問題ですよ。

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「あと30分なんですね!」

そんなわけないでしょ。

なんでここだけ時間どおりなのよー。

須走五合目(バス停)までは、標高差が260mもあるんだよ。

1時間って思おう。

30分って思っていて30分で着けないと心が折れるだろうが!

 

15:30

行くよ。

がんばろうね。

「もう… もう… 脚がガクガクです。さっき、トイレでもしゃがめなかった…」

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さっきの道の続きかぁ。

でも終わりが見えてきた。

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あと2kmらしいです。

このあとは樹林帯で歩きやすくなりました。

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16:15 

無事に下ってこられました。

本当にありがとうございます。

泣きそう…

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この階段が終われば…

終われば…

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16:25

5時間半、よくがんばったね。

1日で1400m登って1700m下ってきました。

大したもんです。

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すぐに御殿場駅行きのバス停がありました。

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山ではこれがいちばんうまい。

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「一緒に行く」と「連れて行く」は違う。

もともと1人で歩くことが多いですが、妹と行くときは「一緒に行く」、そのほかは「連れて行く」ですね。

「連れて行く」は、1人で行くよりもはるかに、何日も前から緊張します。

今回もそう。

来週は北アルプスへ行くのですが、キツイ登りや下りがあっても「この前の富士山の方がキツかった」と思えそうなくらい、気持ちも体もキツかった。

 

須走五合目からバスに揺られて1時間。

御殿場駅へ着きました。

「お腹ぺこぺこです」という2人と居酒屋で乾杯。

眠いー。

ここからが遠いんだわー。

3時間弱かけて自宅へ到着。

 

下りでザックカバーをかけるのを忘れたんだよなぁ。

ザックが砂だらけ。

バスに乗る前に払ってきたものの、手触りはザラザラです。

 

日焼けして痛いので水シャワーを浴びている間に、湯船にためたぬるま湯に沈めてしばらく放置。

ベランダに干して、布団に倒れた瞬間寝てました。

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2日後、職場で2人に会いました。

1人は日焼けの痛さがつらく、1人は脚がプルプルで変な歩き方になっていました。

それでもいい経験にはなったようです。

 

私は水曜日に焼いた顔の肌が土曜日の夜、水シャワー(お湯はまだ痛い)を浴びた際に、アカスリしたみたいに黒く丸まった状態で剥け始めました。

面白くてこすりすぎて、ヒリヒリしてます。

赤みが気になっていた鼻の下から唇の上は突っ張り感のあるツルツルテカテカ状態になっており、やっぱり焼き過ぎは失敗だったかなー。

この年齢でやっちゃダメなやつだった。

 

腕は何度も何度も焼かれているので耐性があるのか、顔よりも2日遅れてたくさんの水ぶくれとなり剥け始めました。

 

おしまい。