山、はじめます。

自然の中で過ごすって、こんなに幸せな気持ちになります!と伝えたくて。

山を選ぶ

 

「山を選ぶ」
 
登る山を自分で決められることが大切です。
 
先月、まだ雪が残る富士山に登って(7月に山開きをする前、登山口はバリケードでふさがれています)雪で身動きが取れなくなって遭難し、救助を要請した男性がその後自力で下山して帰宅。
下山を知る由もない救助隊がずっと捜索し続けていた、というニュースを目にした方もいらっしゃるかと思います。
自宅へ帰るまで、下山できたことを連絡しない男性の想像力の欠如に驚きました。
自分のために、命をかけて救助に向かってくれている人たちのこと、救助の要請をした時点で分からないのでしょうか。
どこが自宅か知りませんが、下山して自宅へ戻るまでの数時間、いるはずもない遭難者を、まだたくさんの雪が残る道を歩いて(天候が悪くヘリは飛ばせなかったそうです)捜索している人のことを。
人の命を、自分のためにかけさせるようなことなく、山歩きを楽しまなければならないと思いました。
 
 
「登りたい山」ではなく「無事に下山できる山」。
下山した翌日に、元気に会社や学校へ行ける山、です。
私たちは命を懸けて山を登る冒険家ではありません。
山に登る理由は、人それぞれ違うけれど、
「なんとか帰ってこれたな」
という登山を続けてはいけないと思います。

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憧れの山が、いつか登れる山になるといいですね
例えば、岩場が苦手なら、それを少しずつ試せる山で練習を積んでから、岩場が長く続く山に向かったらほうが、気持ちも楽に、楽しく歩ける。
練習するために遠い山まで毎週でかけることは現実的ではないので、ザックを重たくして高尾山を3往復したりしていました。
長時間歩く練習になるし、何かあってもケーブルカーで下れる。
同じルートを同じように歩き続けてもレベルは上がらないので、マスクをつけて歩いたり、タイムを短くすることを目標にしたりして、心肺機能をアップさせるようにしています。
ほかにも、わざと雨の日を選んで、足元が悪いときの歩き方を練習しています。
特に下りが今でも苦手なので、ずっと課題になるでしょう。
 
もちろん、リスク(怪我や、最悪の場合、死に至る原因になりそうなこと)がゼロである山歩きはないと思っていますが、事前にリスクを認識しておくことで、さまざまなことに注意を向けられるはずです。
地形など目に見えるものばかりでなく、何度も歩いている道なのに、たまたましゃべっていて分岐を見落とす、カメラに夢中になり足を踏み外す、などもリスクに含まれます。
 
 
同じ山でも、季節や天候、ルートの選択次第で、難易度はいくらでも変わります。
行きたい山が天気が悪そうならば、天気が良さそうな地域の山に計画を変更することもよくあります。
私がツアーで山に登らないのは、台風にでもならない限り、キャンセルをするしか、こんな変更はできないからです(他人とペースを合わせて登れない、という理由もありますが)。
日頃から全国の登りたい山リスト(移動も含めて、かかる日数を把握できているといいです!)を作っておけば、さっと計画を変更できます。
山小屋に予約を入れていたのならキャンセルの連絡を忘れずに。
到着しないと山小屋の人は本気で心配するんですよ。
 
難易度を上げるとき、例えば雪山が初めてだとしたら、夏に登ったことがある山を選ぶ。
ピッケルや12本爪のアイゼンを使う山でなく、ストックと6本爪で歩けるような山を選び、その環境に慣れてから次のステップへ。
山小屋が営業しているかも事前に調べる。
夏から秋しか営業していないことも。
 
歩く時間(距離)もザックの重さも季節も、とすべての難易度をいっぺんに上げてしまうのは私は怖いです。
 
私は、山岳会やサークルに入って技術を学んだことはないけれど、いきなり歩けるか分からない山に向かうことはしてこなかったつもりです。
登りたい山が決まったら、そのルート上で難しい場所はどこか、そこを無事に歩ききるにはどうしたらいいか。
歩けないとしたら別のルートはあるのか、など。
 
 
山に1週間行くとき、今でも「毎日10時間歩く」など無茶な計画はたてません。
山にいる日数が長ければ長いほど、天気の崩れも心配ですし、疲労もたまります。
1日歩けなかったとしても、予備日をもうけてあれば、山をゆったり楽しめる気持ちをもてます。
全ては自分でたてる計画次第、準備次第、下調べ次第、です。
 

山小屋でアルバイト

2018年の夏、北アルプスの山小屋でアルバイトをしました。

そのとき一緒に働いた方が、今年は南アルプスにご夫婦で働きに行くとのこと。

これから秋までの期間だそうで、とても楽しみな様子にこちらまで楽しくなりました。

 

あれから1年たって、つらかったこと、楽しかったことを振り返ってみました。

ついこの間のように、全てが印象的で強烈な思い出です。

つらかった、と書きましたが「やってみなかったら後悔する」と思って自分で決めたこと。

今では本当に全てがいい思い出です。

「きっと一生に一度のことだから」と、飛び込めてよかった。

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こんな景色の中に、毎日いられるんですよ~

 

つらかったこと第三位

生魚が食べられないこと(甘露煮など加工された魚はありますが)

回転寿司大好きな私にとっては、下山の日を指折り数えてしまうくらいでした。

「いわし…」「サバ…」

食生活は思ったよりはいいですが、やはり野菜不足は否めません。

あと、牛乳も飲みたくなりました。

 

つらかったこと第二位

アルバイトの申し込みをしたときに「料理が苦手(というか、ほぼできない)」とお伝えして了承されていたので、てっきり受付をするとばかり思っていました。

ところがまさかの厨房。

大量の調理器具、40歳の脳はその収納場所すらすぐに覚えられない。

ほかには、3日目くらいから始まったスマホ指紋認証が不可能な手荒れも、まかないのメニュを考えるのも…

 

つらかったこと第一位

ダントツで、トイレ掃除。

昼間でも暗いトイレに、ヘッドランプを装着し完全装備で向かいます。

外のトイレも含めると、男女合わせて20ほどあります。

おそらく、みなさんが想像するより、丁寧な作業です。

3時間以上かかるんですよ。

汚れ具合によってはもっと長く。

ブラシで落としきれない、こびりついたモノをはいつくばって雑巾でこする。

水洗ではないので、レバーでジャーというわけにはいきません。

いかに自宅のトイレ掃除がラクチンか。

 

お尻のポケットに入れたスマホを落っことしてしまうお客さまへ。

「どうしても拾ってください!!!」

気持ちは分かります。

そうおっしゃるのであれば「承知しました…」と気合を入れて、糞便の中へ文字通り、完全装備の体ひとつで飛び込んでいきます。

底から見上げればいくつもの便器がぽっかりと口をあけ、窓のように光が入ります。

何百人もの糞便の中に、スマホがぽとり。

これをお客さまは一体どうするのでしょうか。

強力な消毒液に浸せば、耳に当てて通話する気になるのでしょうか。

 

つらかったこと番外編

早起きがつらい人は、これがいちばんかも?

私は仕事であれば、目覚ましナシで起きることが多いくらいなので、全く苦になりませんでしたがつらそうな人は多かったです。

 

 

楽しかったこと♪第三位

トロールの方を含め、いろんな方と話ができたこと。

年代も、普段の職業(下界での仕事)も、今まで出会ったことがないような方が多く、話をしているだけでおもしろかった。

 

楽しかったこと♪第二位

10日~2週間の間に半日しか休みはありませんが、早起きすれば往復10時間までの山には行けます。

軽い荷(中身はでっかいおにぎりと麦茶と雨具だけ)で、贅沢なお散歩気分でした。

 

楽しかったこと♪第一位

皿洗いをしていても、床を磨いていても、何をしていても、ふと顔を上げれば大好きな景色がそこにある。

何日たっても、「自分がここにいる」ということが夢のようでした。

 

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何日もいるから、絶景に出会える確率もぐんと上がります

もし、ご興味があればこちらもどうぞ。

その1~7まで。

https://blog.hatena.ne.jp/yueguang/yueguang.hatenablog.com/edit?entry=98012380841770603

 

 

暑い…高尾山へ

梅雨入りしましたが、昨日と今日は気持ちの良い天気でした。

 

毎年、今はどれだけの速さで歩けるかを高尾山(から先の山まで)で計っています。

本当は5月に歩きたかったのですが、転職したばかりで体力温存に努めており、余裕がありませんでした。

結果は…昨年より、どこのタイムをとっても、少しずつ遅い。

暑かったですが、これまではマスクを二重にして歩いていました(花粉症のため)し、今回の方が条件が良かったはずなのです。

体力が落ちたと実感していたので、やっぱりな…という感じですが、これから鍛え直していきたいです。

 

私の好きな花、シャガが少しだけ残っていました。

4月からけっこう長く咲いています。

凝った模様ですよね。

とても根気がいりそうな柄。

優雅な花です。

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今日は、嬉しいことがありました。

私より10歳ほど上でしょうか、女性2人組。

休憩していたら、話し声が聞こえました。

「買ったとき、店員さんにやってもらったらピッタリだったけどねぇ」

「自分でやるとうまくいかないわね」

振り向くとザックを背負うところでした。

あ、ミレーじゃん。

2人で色違いなんだ~、すてき。

2018年、改良されたサースフェーの30リットル。

今日は違うけど、私も同じザックの山吹色を持ってます。

大して重量は違いませんし、私はカメラを持って行くので40リットルが欲しかったけれど、30リットルにしか、この山吹色がなかったのです。

迷いましたが「日帰りに使えばいいや」と購入。

結局、4日程度の山小屋泊には、このザックで出かけています。

 

「もし、お時間あるようでしたらお手伝いしてもいいですか?」

と声をかけました。

「えー? いいんですか?」

「店員さんなの?」

はい、過去に少しだけ。

そのとき、ザックを売るのが一番おもしろかったのです。

時間をかけて、体にフィットしたザックを見つけた瞬間のお客さんの嬉しそうな顔。

しっくりくる感じ、わかります!!

同じ重量を背負うのでも、体に合ったザックだと軽く感じると思います。

ザックは長く使えますからね。

妥協してはいけません。

靴と同じですよ。

 

大体の手順は5つ。

「そのときの店員さんも教えてくれたんだけど、忘れちゃって」

何回もやっているうちに、考えなくても背負えるようになりますよ。

合わなく感じる原因は、いろいろな箇所を締めたまま、再び背負ってしまうことです。

キュッと締めてフィットさせて背負っていたものを、休憩のときはパチンとバックルを外して体から離すのだけの方が多いです。

そうすると、特に腰のフィット感が悪くなります。


背負うときに緩めるのは面倒なので、肩と腰の部分を緩めてから下ろすクセをつけてしまうと、楽チンです。

長時間のフィットのために、たった数秒でできますから。

 

そんなことや、締める順番を説明しながらフィッティングしていたとき。

お2人がヒソヒソ話しています。

「人違いだったらごめんなさい。神田の〇〇の店員さんじゃないかしら?」

今は転職していますけど、去年そこにいました。

「私たち、あなたに説明してもらってこれを買ったの!」

ビックリです。

フィッティングするときは、かなり近づきますからね。

そのときの顔の角度で覚えてくださっていたのでしょう。

それからは、このザックを背負って登った山の話をしたり、お菓子を分けてもらったり、楽しい時間を過ごしました。

「あのときみたいに、体にぴったり!」と言ってくださり、本当に嬉しかったです。

数あるザックの中で一緒にこれを選び、山で過ごす時間のお手伝いができたんだと思うと、短い期間ではありましたが、あの仕事ができて良かったと思いました。

 

2018年、ミレーのサースフェーは4色でした。

紺色、山吹色、えんじ色、濃い目の水色。

一緒に来店されて、背中が合うと色違いで購入することはけっこう多いです。

若い女性が4人でザックを探しに来て、4人ともが背中にしっくりきて色違いで買ってくれました。

「この子たちと山の中で会いたいなぁ」と思いました。

だって、かわいいと思いませんか?

お揃いでカラフルな後ろ姿。

 

ザックを選ぶときのお手伝いになれば幸いです。

https://www.海山香月.net/entry/2018/12/21/142744