登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

都会の庭、椿山荘で散歩

一度は行ってみたいと思っていた、文京区にある「椿山荘(ちんざんそう)」

敷居が高く、別世界と思っていました。

 

お高くて泊まることはできないけれど、近頃女性の間で高級ホテルでのアフタヌーンティーが流行っているという特集をテレビで見まして。

甘いものはあまり食べないのでアフタヌーンティーには興味がないのだけれど、そういうホテルの利用の仕方もあるのか、と。

その特集でも、

「特別な時間を楽しむことができる」

「非日常が味わえる」

ということをみんな欲しているのだなと思いました。

新型コロナウィルスを常に気にしなければならないことが日常となってしまった今、密集している所には行きたくないけれど、場所や時間を選んでお出かけを少し解禁してみます。

 

椿山荘には大きな庭園があります。

六月の夜は蛍を楽しむことができるそうです。

普段は誰でも入れてくれる庭ですが、密を避けるために今はホテル内の施設を利用した人に限って開放しているとのこと。

ロビーに入ろうとすると用件をまず聞かれ、レストランの利用であれば予約の有無を聞かれました。

 

日本料理のランチで利用します。

席もかなり間をあけての着席でした。

少量ずつおいしい料理をゆっくり味わいながらいただきました。

他のテーブルをちょっとだけ観察してみると、うどんを注文している人が多い。

白く艶やかなうどん。

次は頼んでみたいです。

お腹が満たされ、ホテルの調度品を目でも楽しみながら庭園へ向かいます。

 

1歩外を出たら、緑の濃い匂いに包まれました。

あ~、この香りだよ!

いいなぁ、やっぱり。

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アジサイの葉っぱが花を陽に透かして、こんな美しい模様に。

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四国でも見た五百羅漢さんの「羅漢石」

伊藤若冲の下絵によるもののうち、20体を京都伏見の石峰寺から大正の時代にうつされたそうです。

羅漢さんとは、煩悩をすべて断滅し最高の境地に達した人、とありました。

https://blog.hatena.ne.jp/yueguang/yueguang.hatenablog.com/edit?entry=26006613552012369

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風格のある木がたくさん。

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この木は、誰かが彫刻刀で削ったような模様。

おもしろい。

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緑のもみじも大好きです。

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小さな神社で、以前の日常が少しでも取り戻せますように祈ります。

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ずっと見えていた塔を目指すと、けっこう上がります。

それにしても、なんて広いの!

上から見渡すと広さが分かる。

中の天井にも絵が描かれています。

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チャペルの脇に小さな滝がありました。

その滝の裏側に入って行けそうだったので進んでみると…

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蛍が!

昼間はここにいるのね。

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下の黒い 部分にいました。

 

チャペルと塔、という異色の組み合わせです。

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もっと出歩けるようになったら、ここから神楽坂まで歩いて、あんみつでも食べたいな。

 

四国一周 2017/11/20

枕なんてなくても寝れる。

よし、今日も90km以上走るぞ~。

4℃、昼6℃って寒くないか?

…1月の気温らしいです。

鈍色の海、鈍色の空。

昨日と全然違う。

太陽見えないし、雨が降ったりやんだりだし。

今日も「トンネルありがとうの日」でした。

風からも雨からも守ってくれる。

 

おもしろい名前の駅!

海の王を迎える??

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そしてバス停も。

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迎えに行ったけど、いないの?

 

途中、寒すぎてスーパーに寄ってトイレをお借りします。

カツオがいっぱい。

ウツボはいないのかぁ。

以前、スキューバダイビングで高地に来たときに寄ったスーパーは、カツオよりウツボの方が多くてびっくりしたけれど。

ウツボ鍋、おいしかったな。

見た目はやばかった。

鍋のフタをとったら、灰色でとぐろを巻いたウツボがいたもんなぁ。

あれは衝撃だった。

 

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ん? 黒潮一番館ってなんだろう?

寄ってみます。

この柄の手ぬぐい、欲しいわぁ。

11時からのオープン、少し待ちます。

 

正直、今までカツオはあまり好きではありませんでした。

東京で食べるカツオは特に。

でも昨日の夕食に出たカツオは、やっぱり鮮度がいいせいか、今までで食べた中で一番おいしいな、と思っていたのです。

黒潮一番館もカツオをいただける食事処でした。

「せっかくの高知、カツオを好きになろう」と、カツオのたたき定食を注文。

これから藁で焼くとのこと。

 

秋は、一尾一尾ていねいに釣ったカツオをその日のうちに食べるんですって!

鮮度抜群、なんてもんじゃないですね。

今、釣って戻ってきたばかりなんですもん。

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なんて分厚いカツオ。

見とれるくらいに美しい身の色。

香ばしい皮。

人生最高のカツオでした。

カツオ嫌いの方にもぜひ、食べてほしい!

好きになっちゃうかもしれませんよ。

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カツオの余韻に浸りながら原付を走らせます。

あーん、もう!

また雨だ。

カッパずっと着てようっと。

雨の日もあるさ。

晴れてほしい日は全部晴れてるんだし。

 

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文旦だいすき!

高知、うまいものの宝庫ですね。

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37番 岩本寺へ。

五佛寶殿は、ご本尊が五体。

真言も五つ。

 

本堂の天井画が見事!

なんてプロっぽい作品ばかりなんだ! と思っていたら…

これらは昭和53年(1975年)に集められたそうですが、はじめは檀家さんに頼んだけれど数が集まらなくて、画家の人が声をかけて577枚(たしか)集めてくれたそうです。

いちばん若い子は小学4年生。

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奥之院の矢負地蔵菩薩

矢で破けた衣を着ていらっしゃいました。

境内の石仏は風化して苔がついていたりして。

石が自然にとけこむのって、どのくらいの歳月がかかるのでしょう。

平成元年(ということは、2017年当時で29年前)の石仏は自然と一体になっていました。

 

本日はここの宿坊に宿泊します。

部屋はきれい。

大浴場もあります。

食事がおいしいと評判らしく、お遍路さんでない宿泊客も多いそう。

 

私の部屋のすぐ横は、なんと線路!

窓を開けたら、1両編成の電車がいきなり走ってきてビックリしました。

なかなか斬新です。

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御杖立が部屋にありました。

私は忘れそう(空海さんの分身だけれど持ち慣れないものは絶対忘れる)だし、原付を購入してしまったこともあり、杖は持っていません。

玄関に杖を置く宿がほとんどだと思いますが、さすが宿坊です。

杖を大事にしています。

 

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いただいた弘法茶を飲んだら

「南無大師遍照金剛」と透けている昆布が入っていて、またビックリ。

 

夕食が豪華~。

魚、おでん、天ぷらなどなど。

旅館じゃん。

今までおじさんとサシの食卓が続いていましたが、久しぶりに女性と話しました。

旅行で来た母娘と、50日で一周する予定だという若い女の子。

若い女の子で歩いているの、初めて見た!

がんばって!

3人とも神戸から来たとのこと。

四国では「お遍路ですか?」から会話がうまれます。

 

ただ、意外と「どこのお寺が良かったですか?」と聞いても

「覚えてない」

「そんなに信仰心はない」

「歩いているだけで楽しい」

「普段は登山やってて、オフシーズンに四国に歩きに来てる」

そういう答えが多いんです。

歩いているだけで楽しい、か…

頭が下がります。

私はすぐ飽きたので。

本当に「お気をつけて」って思います。

 

母娘が「剣山の手前2kmくらいからもう積雪だったよ~」と教えてくれました。

原付で行くのは無理そうだなぁ。

いつか、季節を変えて剣山と石鎚山に登りに来ようかな。

 

おつとめは6時から。

気温は氷点下でした。

どうりで寒いわけだ、ストーブついているけど。

標高が高いわけではないんですよ、200mほどです。

 

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お経を全部読むとこんなに長いのか。

太鼓の音がお腹に響く。

こんなおつとめがいいんです。

お若い住職さんで、話もおもしろかったです。 

 

四国一周 2017/11/19

あったかい手でがっちり握手をして「気をつけてね」と見送ってくれました。

 

晴れの予報がまさかの雨。

しかも走り出してすぐ。

小雨の時点で素早くカッパを着る。

ザックカバーを装着。

すぐに晴れて無駄な気分になっても、まず着る。

山でもこれは守ります。

土砂降りになってから着ようとしても、屋根なんてないですからね~。

ザックを濡らすのは避けたい。

風が強くて怖いよぅ。

 

40番 観自在寺へ。

般若心境の出だしですね。

かんじーざいぼーさー。

このお寺が1番からいちばん遠いそうです。

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しまなみ海道の島々もそうだったけれど、海と家が同じ高さ。

津波の心配をよく聞く地域だけれど、行ってみるとよく分かる。

海の香りが濃い。

 

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はい、高知に入りました~。

みかんの愛媛とサヨナラだ。

食べても食べても減らなかったみかん、もうなくなってしまった。

ここは高知だ、もうもらえないよ!

 

39番 延光寺へ。

晴れてきた、よかった~。

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仁王さまが鮮やかできれいだったのだけれど、どうしても金網にピントが合ってしまい写真は断念。

 

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なぜ亀の甲羅に鐘が載る?

竜宮城より赤亀が銅の梵鐘を背中に背負って奉納した…マジで?

 

そして、空海さんの胸元には、まさかのアンパンマンのよだれかけ!

誰のセンスなのでしょう。

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この水で目を洗うと眼病に効く井戸。

 

そして今日の楽しみ、足摺(あしずり)サニーロード。

ここを走るから晴れてほしかった。

ここから距離が長いから手袋しよう、と出したら強風で海に飛んでった…買って1日半しかたってないんですが…

ま、仕方ないよね。

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でっかい海を右に40kmの絶景ロード。

ほんときれい。

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ぽこぽこある岩がいい景色。

あー、きれいすぎてなかなか進めないパターンだわ。

 

大嫌いなトンネルで一息つく日がくるとは…

突風におびえなくていいし、今日のトンネルは短いものばかりで怖くなかった。

特に「大浜トンネル」

トンネルの終わりに近づくにつれて、かまぼこ(出口はそう見えますよね)の視界いっぱいに海がキラキラしていました。

 

38番 金剛福寺へ。

四頭身…

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f:id:yueguang:20200606233143j:plain大きなお寺だなぁ!

池に鯉までいる。

ご本尊が見られないのが残念。

本堂の周りには、三面千手観世音がずらーっとすごい迫力。

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表情がとても好き。

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和むわぁ。

 

ゆっくり見てから足摺岬へ。

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展望台から灯台を眺めて海のデカさを実感。

 

足摺テルメでラドン温泉につかります。

排水の音がすごくて落ち着かない…絶景のはずなのに何か惜しい!

パイプや柱で海が遮られている。

15時前後のまだ宿泊客がいない時間帯、温泉を満喫しました。

リゾートホテルのようで、温泉から出たら県外ナンバーの車がずらり並んでいました。

 

宿泊は「足摺はっと」

料理はいい。

清水サバ、ねっとりしていておいしい!

ハラミが特に。

 

でもね…枕カバーから加齢臭。

洗ってないの?

それとも相当強烈な人が使ったカバーなのかしら。

カバー外して手ぬぐいにしようとしたけど、枕からも加齢臭。

いらんわ、この枕。

 

 

 

四国一周 2017/11/18

昨夜からの雨が降り続いています。

9時まで宿で待たせてくれ、「寒いから」とナフタリンの匂いのする長い半纏を着せてくれました。

おばあちゃんの家に行った時を思い出しました。

なんか、いいな。こういうの。

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宿に原付を置かせてもらって、43番に歩いて行こうと思っていたら晴れた~。

「気をつけてお行きなさい」

と見送ってくれました。

 

43番  明石寺(めいせきじ)へ。

地元の方には「あげいしさん」と呼ばれています。

すてきなお寺。

ご本尊が見られないのが残念。

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お寺の前って、こういう一言(誰かの言葉を引用していたり、オリジナルだったり)がけっこうありますよね。

そのときに必要な言葉なんじゃないか、と思って心にとめるようにしています。

今日、仕事帰りに通ったお寺の前には、ノーベル賞湯川博士の一言が書かれていました。

「1日生きるなら 1歩前進したい」

そんなこと、思ったこともなかった。

向上心が全くない私です。

積み重ねていける人は、心構えが全く違うんだな…

 

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天井画、やっぱり好き。

 

今日はゆっくり行くことに決めたんです。

ついさっきまで大雨だったので路面が滑るし。

家族だけでなく、出会う方々がたくさん心配してくれるから。

昨日の別格7番の納経所の女性も

「落ちてる松は凍っているときがあるから、道の端っこ(に落ちている)を走っちゃダメ。原付で怖いかもしれないけれど、堂々と真ん中を走りなさいね」

ありがたいです。

慎重に走ります。

 

ゆずかなぁ。

黄色い果実を荷台いっぱいに積み込んだ軽トラ。

抜かれた瞬間、すんごいいい香り。

ずっと一緒に走りたい!

 

昨日買った爪先用のホッカイロ、あったかいな。

ホッカイロのおかげもあるけれど、昨日の疲れは昨日すっかりとれたから快調に走れる。

毎日ちゃんと休めるおかげで元気でいられます。

たくさんの人のお世話になっていると感じます。

 

42番 佛木寺(ぶつもくじ)へ。

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仁王門と空海さんが出迎えてくれます。

仁王像、たくましいけれど、ちょっとかわいめ。

衣装が華やか。

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茅葺の鐘楼、初めて見ました!

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ここもなんだか落ち着くなぁ。

よかった、ゆっくり見られる日で。

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道の駅「みま」で金魚が売っていました。

子どもの頃、何度か育てたけれど死なせてしまった。

きれいで見とれたけれど、見るだけで我慢。

そもそも持ち歩けないし。

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ポンジュースのTシャツにも注目。

今思えば、買うべきだった。

すごく悔やまれる。

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41番 龍光寺へ。

原付をとめてヘルメットをぬいでいたら、駐車場の脇の急斜面の狭い坂道を、たくさんの人が下ってきました。

思わず凝視していると、その方々も私のナンバーを見て

「え? 東京から?」

「私、ジブリ美術館行ったことあるのよ~」

など話しかけてくれました。

お墓が急斜面の上にあるとのことでビックリ!

おばあちゃんに「いい顔してる」となぜか褒めていただき、親戚20人ほどに

「気をつけてね~」と見送ってもらいました。

なんか幸せ。

 

さて境内へ。

境内には神社もあります。

おまいりしたあと、お寺のすぐ下の和菓子屋さんで、お茶とおまんじゅうをごちそうになりました。

コップにかかっていた手ぬぐいがかわいかったので、お寺のかなと思い

「その手ぬぐい、すてきですね。どちらのなんですか?」

と聞いてみたら

「うちのなのよー」

と、いただいてしまった。

シンプルな小鳥の図柄に「一期一会」と書いてありました。

「かわいいって言ってもらえて嬉しかったから」と。

大切に使います。

 

別格6番 龍光院へ。

さっきは龍光寺でした。

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大師堂の上ぐるりに干支の彫り物があります。

ねずみが特にかわいい!

米俵と小判です。

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今夜の宿「三好旅館」へ行く前に、近くの満願寺へ。

名前がいいじゃないですか!

おもしろい表情の薬師如来像があるらしいのに、見えないってどういうこと!

見たいです。

子宝の寺らしいので

「世界中の子供たちが、明るい笑顔で毎日過ごせますように」

と祈りました。

般若心経は毎日唱えているせいか、全部覚えられました。

 

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品川、多摩ナンバーの車ともけっこうすれ違います。

東京からも四国を目指す人はたくさんいるんですね。

 

三好旅館…ほんとに7,500円(2017年当時)でいいの?

鰻と伊勢海老が出るとは思いませんでした…

食事は別館へ移動。

お客は私を含めて2人でした。

まさかのサシでお膳が用意してあって「うぅ」と思ったけれど…

知らない人とその場限りの話を互いに気を使って繰り広げるのが苦手で…

しかし、60代のいいおじちゃんで、甲府でぶどうを作っている話をしてくれました。

流行りのシャインマスカットより、セトジャイアンという品種がオススメだよ、と。

皮ごと食べられ、種はナシ。

酸味のバランスがいいそうです。

いつか食べてみよう。

でも見たことないなぁ、東京にも出回るのかしら。

 

農業の合間に、区切って歩きに来ているそうです。

歩いても歩いてもお寺に着かない日はつらかった、って。

やっぱり歩きのお遍路さんはみなさん、そう言いますね。

何日かそういう日があるんですよね。

私はそこを歩いたとしたら、どんな思いで歩き続けただろう。

海を眺めながら歩ける日もあるのだけれど、きっとすぐに飽きてるんだろうな。

 

 

四国一周 2017/11/17

朝の気温は4℃。

けっこう冷え込むようになりました。

ホッカイロが必需品です。

7時にゲストハウスを出発し、宿に着いたのが17時30分。

148km走り、8つのお寺へ。

 

50番 繁多寺(はんだじ)

鐘楼の天井画がきれい…

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四国のお寺をまわるようになってから、天井を見上げるクセがつきました。

静かで落ち着くお寺。

ここ好き。

 

49番 浄土寺へ。

力強くてかっこいい!

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数人の地元の方が清掃されていて、本当にきれいな境内でした。

だからでしょう、とてもいい雰囲気です。

それにみなさん、声をかけてくださって。

5番の地蔵寺もそうでした。

毎朝、境内を清めるのが日課なんて。

すてきだなと思いました。

 

48番 西林寺へ。

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橋がかかっていて数段下りてお寺へと入ります。

地元のおばちゃんが「時間ある?」と、お寺の説明をしてくださいました。

「ここからのアングルがいちばんきれいなのよ~(参拝者が多すぎて写真は撮れませんでした)」などなど。

ここを大好きなことがすっごく伝わってきて楽しかったです。

十一面観音さまがきれい。

 

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やっぱりシンプルでスッキリした佇まいのお寺が落ち着くなぁ。

空気がきれいな気がするんです。

自分の部屋と同じですね。

ガチャガチャしていると気持ちが落ち着かないってことがよーく分かりました。

この四国の旅から帰って、いちばんにやったことは「部屋をスッキリさせること」でした。

整理整頓が苦手な私ですが、せめて床にモノを置かない生活に変えることができました。

 

別格9番 文殊院へ。

御朱印を書いてくれる間、でかい硯に目が釘付け。

厚みが4cmほどあり、側面の柄も凝っていました。

 

47番 八坂寺へ。

えんま堂があったけれど、やっぱり86番の志渡寺が好きだなぁ。

地獄絵図や極楽浄土を歩けます。

 

46番 浄瑠璃寺へ。

大きなもみの木がありました。

憩いの場って感じ。

素足で乗れる仏足跡には老人ホームの散歩中のみなさんが列を作っていたので、以前、取星寺でも乗れたことだし、次へ。

 

おなかがぐぅぐぅいっているけれど、次の目的地の別格8番まで55km。

行ってしまおう! と走り出すも…寒すぎてあと10km地点で、たらいうどんのランチ。

暖まり出発しましたが、Googleマップが不調でまた迷う。

田んぼの中にぽつり。

どうしよう、と見回すと遠くに人影が!

追いついてたずねると、毎日別格8番にお参りに行っているというおばちゃんでした。

「東京から? よぅ来なさったなぁ~」

って、にこにこして教えてくれました。

「田んぼをずーっと走っていくとある」

了解!

 

別格8番 十夜ヶ橋(とよがはし)へ。

計画段階で、ここがいちばん行ってみたかった別格。

原付を買う前は、あまりに寄り道になるため難しいな…と思っていたところです。

行けて良かった!

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車がバンバン通る国道56号沿いに唐突にあります。

 

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いろいろな説があるようですが…

修行中の空海さんが、一晩の宿を頼んだところ農作業が忙しい時期でもあり、断られてしまった。

そこで橋の下で一夜を明かすことになったのですが、あまりに寒く一夜が十夜にも感じられた。

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欄干にも寝姿。

橋の下の空海さんには、暖かそうなお布団がかかっていました。

  

「杖の音で空海さんの安眠を妨げてはいけない」

という理由で、お遍路さんはここに限らず、橋の上では杖を突いてはいけないという風習ができたそうです。

 

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別格7番 出石寺(しゅっせきじ)へ。

思っていたよりずっと遠い…

どんどん標高が上がっていきます。

見通しが悪い車道が10km以上続きます。

この道は、車でも大変そう。

原付は小回りがきくから楽ですが、大きな車はスムーズに上がれていませんでした。

下りの道は広くて走りやすかったので、広い舗装路の方を往復するといいかと。

 

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境内の奥からの山並みがすごくきれい。

海と空の境が溶けている。

空の色に癒されます。

とてもやわらかい。

ここでもっともっとゆっくりしたかったなぁ。

明日が雨予報だったため、今日に組み込んだのです。

 

今夜の宿「まつちや旅館」へ向かおう。

どんどん暗くなる。

心細い。

晩秋ですねぇ。

でも「土器ドキ街道」というネーミングに目を奪われたり、マンモスの親子の像がいきなり畑の中に出現(線路の向こうにあったので確かめられたなかった!)したりで、おもしろかった。 

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途中で靴下用のホッカイロも購入。

ハンドルカバーだけでは手がかじかむようになったので手袋と、毛のタイツも。

 

暖かい部屋とお風呂、おいしいご飯。

幸せです。

洗濯と乾燥も「お接待」としてやってくださり、朝は麦茶まで持たせてくれました。

女将さんは明るく元気いっぱいで話していて楽しかったなぁ。