昨夜からの雨が降り続いています。
9時まで宿で待たせてくれ、「寒いから」とナフタリンの匂いのする長い半纏を着せてくれました。
おばあちゃんの家に行った時を思い出しました。
なんか、いいな。こういうの。
宿に原付を置かせてもらって、43番に歩いて行こうと思っていたら晴れた~。
「気をつけてお行きなさい」
と見送ってくれました。
43番 明石寺(めいせきじ)へ。
地元の方には「あげいしさん」と呼ばれています。
すてきなお寺。
ご本尊が見られないのが残念。
お寺の前って、こういう一言(誰かの言葉を引用していたり、オリジナルだったり)がけっこうありますよね。
そのときに必要な言葉なんじゃないか、と思って心にとめるようにしています。
今日、仕事帰りに通ったお寺の前には、ノーベル賞の湯川博士の一言が書かれていました。
「1日生きるなら 1歩前進したい」
そんなこと、思ったこともなかった。
向上心が全くない私です。
積み重ねていける人は、心構えが全く違うんだな…
天井画、やっぱり好き。
今日はゆっくり行くことに決めたんです。
ついさっきまで大雨だったので路面が滑るし。
家族だけでなく、出会う方々がたくさん心配してくれるから。
昨日の別格7番の納経所の女性も
「落ちてる松は凍っているときがあるから、道の端っこ(に落ちている)を走っちゃダメ。原付で怖いかもしれないけれど、堂々と真ん中を走りなさいね」
ありがたいです。
慎重に走ります。
ゆずかなぁ。
黄色い果実を荷台いっぱいに積み込んだ軽トラ。
抜かれた瞬間、すんごいいい香り。
ずっと一緒に走りたい!
昨日買った爪先用のホッカイロ、あったかいな。
ホッカイロのおかげもあるけれど、昨日の疲れは昨日すっかりとれたから快調に走れる。
毎日ちゃんと休めるおかげで元気でいられます。
たくさんの人のお世話になっていると感じます。
42番 佛木寺(ぶつもくじ)へ。
仁王門と空海さんが出迎えてくれます。
仁王像、たくましいけれど、ちょっとかわいめ。
衣装が華やか。
茅葺の鐘楼、初めて見ました!
ここもなんだか落ち着くなぁ。
よかった、ゆっくり見られる日で。
道の駅「みま」で金魚が売っていました。
子どもの頃、何度か育てたけれど死なせてしまった。
きれいで見とれたけれど、見るだけで我慢。
そもそも持ち歩けないし。
ポンジュースのTシャツにも注目。
今思えば、買うべきだった。
すごく悔やまれる。
41番 龍光寺へ。
原付をとめてヘルメットをぬいでいたら、駐車場の脇の急斜面の狭い坂道を、たくさんの人が下ってきました。
思わず凝視していると、その方々も私のナンバーを見て
「え? 東京から?」
「私、ジブリ美術館行ったことあるのよ~」
など話しかけてくれました。
お墓が急斜面の上にあるとのことでビックリ!
おばあちゃんに「いい顔してる」となぜか褒めていただき、親戚20人ほどに
「気をつけてね~」と見送ってもらいました。
なんか幸せ。
さて境内へ。
境内には神社もあります。
おまいりしたあと、お寺のすぐ下の和菓子屋さんで、お茶とおまんじゅうをごちそうになりました。
コップにかかっていた手ぬぐいがかわいかったので、お寺のかなと思い
「その手ぬぐい、すてきですね。どちらのなんですか?」
と聞いてみたら
「うちのなのよー」
と、いただいてしまった。
シンプルな小鳥の図柄に「一期一会」と書いてありました。
「かわいいって言ってもらえて嬉しかったから」と。
大切に使います。
別格6番 龍光院へ。
さっきは龍光寺でした。
大師堂の上ぐるりに干支の彫り物があります。
ねずみが特にかわいい!
米俵と小判です。
今夜の宿「三好旅館」へ行く前に、近くの満願寺へ。
名前がいいじゃないですか!
おもしろい表情の薬師如来像があるらしいのに、見えないってどういうこと!
見たいです。
子宝の寺らしいので
「世界中の子供たちが、明るい笑顔で毎日過ごせますように」
と祈りました。
般若心経は毎日唱えているせいか、全部覚えられました。
品川、多摩ナンバーの車ともけっこうすれ違います。
東京からも四国を目指す人はたくさんいるんですね。
三好旅館…ほんとに7,500円(2017年当時)でいいの?
鰻と伊勢海老が出るとは思いませんでした…
食事は別館へ移動。
お客は私を含めて2人でした。
まさかのサシでお膳が用意してあって「うぅ」と思ったけれど…
知らない人とその場限りの話を互いに気を使って繰り広げるのが苦手で…
しかし、60代のいいおじちゃんで、甲府でぶどうを作っている話をしてくれました。
流行りのシャインマスカットより、セトジャイアンという品種がオススメだよ、と。
皮ごと食べられ、種はナシ。
酸味のバランスがいいそうです。
いつか食べてみよう。
でも見たことないなぁ、東京にも出回るのかしら。
農業の合間に、区切って歩きに来ているそうです。
歩いても歩いてもお寺に着かない日はつらかった、って。
やっぱり歩きのお遍路さんはみなさん、そう言いますね。
何日かそういう日があるんですよね。
私はそこを歩いたとしたら、どんな思いで歩き続けただろう。
海を眺めながら歩ける日もあるのだけれど、きっとすぐに飽きてるんだろうな。