最後にお風呂事情。
実際に現地へ行くまでは「1週間に1度」を覚悟していました。
それまで雨が少なかったからです。
初めてのお風呂は、山小屋に着いてから4日目でした。
初日にめいっぱい汗をかいていますから、嬉しかったなぁ。
「入浴の心得」なるものが扉に貼ってあります。
まず体を洗い、湯船につかる。
公共の浴場なら当たり前の内容でした。
1人ずつしか入れませんから、持ち時間は20分以内。
けっこう急がないと。
体操座りで1人が入れる大きさの浴槽がありました。
その浴槽から湯をすくい、髪と体を洗います。
配慮してくださっていて女性が先でしたが、10番目近くになると…なんだか湯の色が…浮遊物が…。
休みをいただいて最後に入ったときには、ハッキリ言って無色透明ではありませんでしたし、網ですくってもすくいきれない何かが浮いていました。
洗髪などで使って、浴槽から減った分は湯を沸かして足します。
浴槽から湯でをすくい髪を洗うのですが、どうやれば顔にかからないか。
シャワーなら背を向けてあごを上げれば髪だけを洗い流せますが、桶の湯ですから…なかなか難しい。
試行錯誤している間に勤務が終了。
ですので「山小屋で働く その2」で持ち物の紹介をした際に「クレンジングシートを多めに」としたのです。
キレイになるために入浴していますが、これが顔にかかったままだとどうなのかな…のときがあるので。
洗い流すときは、もちろん目はギュッとつぶり呼吸はとめました。
そして、いつも洗髪後にクレンジングシートで顔をこすっていました。
下山後、山小屋で働いた話でみんながいちばん興味津々だったのは、やっぱりお風呂でした。
まず、毎日入れないことに驚き、全員が同じ湯に入ることに驚き…
反応は、女性は全員「ムリーーー!!」でした。
シャンプーは置いてあるものを使用していましたが、私の短髪でも泡立ちが悪い。
でもシャンプーが悪いのではないです。
日常のシャンプーも毎日洗っていれば泡立ちますが、風邪などで2日くらい洗えないと泡立ち悪いですよね。
2回洗いたくなります。
でも上でも書いたように、洗い流すのが大変なので2回洗いたくないんです、時間も限られているし。
だから指の腹でよ~く頭皮をもみ、1回で終了。
入院時に使うような、もみこむだけで洗い流さないシャンプーを持参すれば良かった。
髪が長い人は大変だったことでしょう。
実際、長い人は大きなフケが残ってしまっている人もいました。
仕事中は手ぬぐいを巻いていますので分かりませんが。
心配していた入浴回数でしたが、4~6日に1度の割合で入れていました。
その残り湯で洗濯(古いですが洗濯機アリ!)をしている人もいましたが、果たしてきれいになるのだろうか。
私は肌着だけ、入浴時に手洗いで済ませていました。
「湯がキレイじゃない」とか文句みたいなことを書いてしまいましたが、それでもお風呂は楽しみでした。
沸かす水をポンプであげてくれていた男性陣にも感謝です。
手足の先まで温められるありがたさ、全身を湯に沈めたときのホッとする気持ち…お風呂は文化ですね。
お風呂のある国に生まれて良かったなぁ。
山で入れる温泉、意外とたくさんあるんですよ。
そういう山小屋で働けば、毎日入浴できたんですよね、きっと。
北アルプスでは
- 高天原(たかまがはら)→ どの登山口からもコースタイムは10時間以上 高天原山荘 | 山の最新情報、登山情報 - ヤマレコ
- 白馬鑓(やり)→ 露天風呂に入りながら目の前に雲海が…
- 蓮華温泉 → 車でのアクセスもできますし、白馬岳や朝日岳登山の途中でも、かなり下りますが寄れます
八ヶ岳では
- 本沢温泉
八ヶ岳には、赤岳鉱泉や赤岳展望荘、オーレン小屋など温泉ではないものの、気持ちの良いお風呂を備えている山小屋も多くあります。
ですが入浴できる期間が限られている山小屋もありますので、詳しくは各山小屋のHPでご確認いただければと思います。
山の中の温泉は、自分の足で歩いてたどり着けるホンモノの秘湯です。