登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

白馬鑓温泉小屋

白馬鑓温泉小屋について(山小屋のご案内)| 白馬岳だより(株)白馬館 (hakuba-sanso.co.jp)

雪崩の通り道のため毎年解体されて、夏のシーズン前に再び建てられる山小屋です。

解体は徐々に行うので1~2週間だそうですが、組み立てには3週間かかるんですって。

たくさんの人が生活する建物を建てるんだもの。

そりゃあ、かかりますよね。

それを毎年毎年…

ありがとうございます。

 

寝床を確保して、まずは温泉へ~♨

ごほうびジュースも忘れません。

ここは女性専用のお風呂です。

開放感はそりゃ、混浴に比べたら…

ですけど、混浴の湯船は透明なんですよ。

水着を着て入ってもいいそうですが、お風呂は裸で入りたいし。

夜に1時間だけ、女性専用になります。

それまで起きてられない。

 

あ~~~、サッパリした!

湯がある山小屋、最高です。

もし、もし、また山小屋で働くことがあるとしたら、こういう山小屋で働きたいと思っています。

湯が熱めなので、私は長湯できず。

なので、1~2時間ごとに10分くらいずつ入っていました。

 

山には必ず、お気に入りの手ぬぐいを持っていきます。

今回は穂高岳山荘で買った、ジャンダルムの手ぬぐいでした。

何回もお風呂に入ったからかな…

しみついたみたい。

帰ってから2度洗濯しましたが、まだ硫黄のにおいがします。

柔軟剤をつかわないからかも。

あ、そうだ!

つかうたびに鑓温泉を思い出せばいいんだ。

鑓温泉小屋でももちろん、手ぬぐいを買いました。

迷わず2枚とも。

だって、やっぱり欲しいってなったとき、登山口までだって遠いし、登山口からも4時間以上歩かなくちゃいけないんですよ。

今、買う。

 

少しだけ雨が降りました。

上は雲の中でまったく見えません。

 

乾燥室はありませんでした。

外に干せるのですが、今日のようなガスが多い日は、干したらよけいにしっとりしてしまった…

たぶんそうなるだろう、と思っていたので、乾けばラッキーというものしか干さなかったから支障はありませんが、ずぶ濡れになっても乾かせないと思った方がいいかもしれません。

 

気温は13℃です。

温泉で温まった体にはちょうどいい。

周りを歩いてみると、温泉が出ていました。

手で感じた温度は…

う〜ん、40℃くらい?

 

足湯も熱いです。

 

今日、抜きつ抜かれつここまで歩いてきた、九州からだというおじちゃん3人組の入浴シーンを撮影してあげました。

振り向いて、湯からの景色をついでに撮ってみた。

いい景色ですよね〜。

3人ともすごくいい笑顔で、本当に仲良しなんだなぁと思いました。

喜んでもらえて、私も嬉しかった。

なんか、かわいいー。

「帰ったら、女の子がこれ撮ってくれたんだぞ~、って自慢する」

自慢になりますか、それ?

 

17:00

ハヤシライスだー。

おかわり!

味噌汁もおかわり!

うまい!

食堂が暑いので早食いしたら、お腹が痛くなりました。

 

寝床も暑いので、外でずっとぼんやり。

雲を見ているだけで飽きません。

 

ガスとれてきたー。

雲に、三日月の模様が浮かびました。

妙高山火打山

行きたいな。

昨年の秋に登った雨飾山も、はじっこに見えているようです。

 

地熱ですかね…

ストーブついていないのに、室内が暖かすぎます。

布団はかけずに、インナーシーツにくるまるだけで寝ました。

 

2時頃、ふと目が覚めました。

誰かが歩くと振動で一瞬、目が覚めるけれど温泉効果なのかぐっすり眠ったので、目覚めはスッキリ。

私、硫黄くさいわぁ。

インナーシーツをくんくん嗅いでみると、硫黄のにおいでいっぱい。

あ、混浴の湯船にいってみよう。

今なら誰もいないんじゃない?

それに、入っていても気づかないくらいの闇ですもん。

見えなきゃいい。

 

あ~、最高。

頭上には満天の星。

こんな贅沢があるだろうか。

 

あと1時間くらい、うとうとしよう。

 

4:30頃、外に出ると…

雲海だ。

いい空だなぁ。

 

5:00

気温は8℃です。

朝ごはん。

具沢山の味噌汁、いいですね~。

 

5:15

今日の夜明けも本当に美しく、ここまで来られたことを感謝するとともに、自分はなんて幸せなんだろう、と思いました。

昨日の白馬岳では、ひとりで静かに迎えた夜明け。

今日は周りに何人もいて、こんな朝を迎えられたことを喜びあいました。

同志なんだ、と思いました。

山が好き、山で過ごす時間が好き。

息が上がってつらくても、今日、ここでしか見られない景色を求めて登ってくるのです。

私はひとりで歩くのが好きです。

自分のペースで歩き、景色がいいところでちょいちょい立ち止まる。

小屋でどれだけ意気投合して一緒に行こうと誘われても、一緒に歩くことはありません。

でも、この時間を一緒に過ごせたのは、なんだかすごく良かった。

名前も年齢も知りません。

お互い聞かない。

それでもきっと、忘れないと思います。

 

 

これから猿倉へ下山です。

続きます。