北八ヶ岳…雨でも楽しく歩ける苔の森です。
屋久島の苔も美しかったですが、東京からはなんせ遠い。
北八ヶ岳は、苔のほかにも「ニュウ」や「白駒池」などのんびり巡れる癒しの森です。
標高2100メートルほど、みどり池のほとりに佇む山小屋。
なんだか絵のよう。
東天狗岳が池にうつります。
周囲には薪がたくさん積んでありました。
それでも「そんなにもたないんだよ」と。
訪れたのは梅雨入りしてしばらくたった頃ですが、灯油ストーブもまだ活躍中でした。
山小屋にいると、山の中でこんなふうに快適に(雨や風から守ってもらい、布団にくるまって眠れ、温かな食事まで…)過ごせることを夢みたいだと思う一方、その現実を支えるために毎日を暮らしている山小屋の方たちの努力に頭が下がります。
それに優しく温かで、笑顔がすてきな方が多いんです。
しらびそ小屋や船窪小屋のご夫婦のお人柄が大好きでした。
「明日の予約は40人だけど、今日はあなた1人だけよ~」
ほんとですか?
2日とも雨予報だったけど来て良かった(そして予報は外れ、翌日は快晴! 雨と晴、両方楽しめて得しちゃいました)。
作業の合間のおやつにもお呼ばれして、紅茶を飲みながらのんびりおしゃべり。
リスが窓際に置いたヒマワリの種を食べに頻繁に来る。
窓1枚へだてているだけなのに、一心不乱にかじっていてこちらには無関心。
小刻みに動く口元と瞳が、かわいくてたまらない。
厚切りトーストが名物だそうで、希望であれば予約時と到着時に申し出るとのこと。
知らなかったけど、そう教えてもらったのでトーストをお願いすることにしました。
大正解!!
おやつのあとは、ダウンを着て池のほとりで持参した文庫本を読んで過ごします。
ふと顔を上げると東天狗岳。
本の世界と、目の前の山の世界を行ったり来たり。
至福のときです。
夕食は、オカノリの天ぷらなど地元の食材が豊富なプレートでした。
こんなに幸せでいいのか、私…
翌朝、4時30頃に池のほとりへ。
日の出は見えませんが、東天狗岳が真っ赤に焼けて池にもうつりこみます。
暖炉に火がつき、煙突からもくもくと煙があがります。
「寒いから、こっちにおいで」とご主人が呼んでくださいました。
明るくなってきた窓際、ストーブの暖かさが届くイスに座り、また本の世界と行ったり来たり。
いい香りがする、と思ったら薪ストーブで厚切りトーストがこんがり焼かれていました。
こちらの手ぬぐい、山小屋で宿泊するときにいつも枕に載せているのですが、よく「かわいいですね、どこの?」と聞かれます。
山の手ぬぐいの記念すべき1枚目です。