登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

北アルプス 白馬山荘

美しい展望レストラン…こんなところで食べるご飯はおいしいに決まってる!

ランプの灯りがやわらか。

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美しいと思いませんか?

軽食のカレー、お肉がごろっ。

冷えた体が暖まります。 

この食堂の一角で、お菓子やオリジナルグッズが販売されています。

手ぬぐいがどれも欲しい…欲望に負けます。

白馬山荘 アーカイブ | 白馬館

 

白馬山荘は、800人収容の大きな山小屋です。

近くにある400人収容の頂上宿舎と合わせれば、1200人が泊まれる。

すごくないですか?

3000メートルに、1200人も泊まっているんですよ?

もちろん部屋もたくさんあります。迷いそう。

 

 

私はそれまで、白馬村を応援したい(地震もありましたし)と思い、村営の頂上宿舎を利用していました。

ある年、1週間以上歩いていたら台風になりました。

その山域を全部歩くつもりだったので、予備日を設けてあり日程には余裕がありました。

台風が通過する時間帯によっては、停滞(天候が悪いとき無理に進まないこと)すればいいと思っていました。

夕食時に確認すると、夜中から明け方にかけて暴風域の予報。

風の音で眠れずこんな頑丈な建物が揺れるのか、とドキドキしたくらい吹き荒れました。

山では、雨より風がずっと怖いです。

翌朝、暴風域から外れてもすぐに風は収まりません。

前日の夕食時に「みなさん、そんなに早く出発しないでしょうから明日の朝食は(通常は5時)6時でよろしいですか?」と聞かれたので、その場にいた全員承知していました。

そして6時から朝食をいただきました。

食べ終わり、部屋へ戻ると「もう1泊される方はそのままでけっこうですが、しない方は6時40分には部屋を出てください」と放送が。

今、6時30分ですけど? あと10分しかない。みんな慌てて布団をたたんだり着替えたり。

朝食を6時からにしたのはそちらでしょ? 今いきなりそんなこと言います?

せめて昨日言って?

こんな天気だから早く出発しないですよね、ってことで6時にしたんじゃないんですか?

2泊するほど夕方までずっと荒れるわけではありませんから、少し待って下山したい。

こんな気持ち、分かってほしいというのはすごくワガママなことでしょうか

あと2時間ほど、どこかにいさせてもらえませんか? とお願いしてもダメでした~。

 

天候の回復を待たせてもらえるはずもなく、そのまま暴風が吹き荒れる中を出ました。

玄関にさえ、いられない雰囲気なんですもん。

男性2人連れは「村営だから毎回泊まってたけど(私と同じ理由ですね)、もう二度と来ねーから!!」と言って出ていきました。

私も同じ気持ちでした。

泊まった人数、ヒトケタですよ?

男女全員が同じ部屋に泊まったのだから、使用した部屋は1部屋。

掃除にかかる時間、どれだけなのでしょう。

そんなに邪魔ですかね。

ただグズグズしているわけではありません。今は風が強すぎて、外に出るのが怖いからお願いしているんです。

遭対協が常駐している(それをウリにしていましたよね?)のに、この天候の中出てくださいって…。

雨も次第にやみましたが、出たときは横なぐり状態。

暴風域のときに、安全な室内に泊めてもらえたことと温かい食事には感謝しますね。

 

もともと大雪渓を歩く予定ではなかったので、軽アイゼンを持参していませんでした。ストックもない。

4本爪アイゼンを1000円で購入させてもらいました。

視界が悪いことをのぞけば、大雪渓は地形的に風を遮ってくれ、アイゼンの刃があまりきかない怖さは多少ありましたが、安全に下山ができました。

 

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ガチガチに凍っていて、ストックがなかったので少し怖かったです

稜線歩きを楽しみにしていましたが、今日は歩けないとなると…明日には確実に風は収まっているでしょうが、今回はあきらめましょう。

こんなとこに連泊したくない。

無事に下山できれば、また来られますから。

 

 

白馬(はくば)山荘の方が、白馬(しろうま)岳の山頂に近いことも人気の理由だと思いますが、小屋番さんたちの気遣いが好きです。

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スマホの待ち受け画面、これです

ある年、山頂でゆっくりしたために白馬山荘に14時ちょうどに到着したときのこと。

軽食(冒頭のステキなレストランでいただけます)は14時までだそうで、受付の女性が「食べますか?」と聞いてくれました。

厨房の段取りもあるでしょうし、時間が過ぎているのは確かですから「いえいえ」と答えたものの、コントのようにお腹がでっかい音でグ~。

恥ずかしい…「作れるか聞いてみますよ」と言ってくださりましたが、手持ちの食材がありましたし丁寧にお礼を言って終わりました。

翌朝、天気予報が外れて強風になっていました。

大雪渓は風の影響を受けにくい地形ということは分かっていたので、そのルートで下山するつもりでしたが「(天候が)落ち着くまで、お部屋は清掃しますが他の場所ならいていただけますので」と言ってくださいました。

そのまま下山できましたが、親切が嬉しかったです。

実際、待っていた方々いましたし。

 

この違い、なんなんですかね。

山に限らず、いいお客さんでいたい(その方が、相手も親切にしてくれることが多いから)と思っていますが、比べちゃいますね。