登って潜って、月をみて。

生きていれば、こんな景色に出会うことができる。こんなに幸せな気持ちにさせてくれる。

北茨城へ 

先日、両親と北茨城へ旅行しました。

父が運転する車で行く、最後の旅行です。

父はとっくに後期高齢者になっている年齢です。

ここ最近、高齢者ドライバーの運転がたびたびニュースになります。

父はずっと運転手の仕事をしていました。

「休日だけハンドルを握るドライバーに比べたら、まだまだ!」

という思いもあったかと思います。

しかし、私たちからすると、やはり判断速度が以前に比べて鈍ってきていると感じていました。

こういうことを伝えるのは難しい。

「トシだから運転やめて」

なんて言い方では、うまくいくわけがありません。

自分で決心してもらわないと、きっと「取り上げられた」という思いがずっと残ってしまう。

いつも売り言葉に買い言葉のようにケンカになってしまう父と私なので、手紙を書きました。

 

父(もちろん母もです)がずっと運転手でがんばってくれたから、私たちは学校や習い事に通えたこと。

家を買えたこと。

山に行くとき、JRの始発に乗れるように送ってくれたこと。

体長が悪くなったとき、職場まで迎えに来てくれて病院へ連れて行ってくれたこと。

 

思いつく限り、たくさんの感謝を書きました。

そして、その感謝を悲しいものに変えたくないこと。

体の動きや判断の衰えは、年齢を重ねれば当たり前のことであり、こういうことは徐々にではなく、階段を駆け下りるように、あるとき一気にきてしまうこと。

 

手紙を渡し、それ以上は何も言わずに待とうと思いました。

1週間ほどたち、父から

「次の免許の更新はしない」

と言ってきました。

更新日まで、まだまだ期間があります。

でも、私も伝えたいことは伝えましたし、父が決めたこと。

「そっか」とだけ言い、もう一度「今までたくさんありがとう」と伝えました。

 

 

「免許返納は先にするけれど、車は売る」

驚きました。

「借りてまで運転することは、しないから」

もう運転しない、と決めたんだ。

 

「じゃあ、最後にどこか行こうよ。どこがいい?」

と聞くと、茨城がいいと。

「海の幸を食べたい」

袋田の滝に行きたい」

というリクエストに従って計画を立てました。

 

1泊目は五浦(いづら)観光ホテルへ。

五浦観光ホテル別館 大観荘【公式】

海が見えない部屋に泊まっていても大丈夫です。

屋上から大きな景色を見ることができます。

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仲居さんは外国の方も多いのですが、少し聞こえが悪くなっている両親には、たどたどしいながらもゆっくりはっきり発音してくれる彼女たちの言葉の方がずっと聞きやすかったようです。

料理もおいしくて大満足。

大浴場までは長い廊下を歩いていくので、行くのが少しめんどくさくなってしまいました。

あんこうの季節にも行きたいなぁ。

 

翌日は、ホテルから見えていた「岡倉天心」ゆかりの六角堂へ。

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紅葉の美しさで有名な「花貫渓谷」の汐見滝吊橋へ。

汐見滝吊り橋 | 高萩市観光協会公式ホームページ

私は緑も大好きです。

ゆらゆら往復しました。

 

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次は「竜神大吊橋」へ。

滝とか橋が好きなんです、両親は。

けっこうな長さ。

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鯉のぼりの季節の写真を見ましたが、すごい!

竜神大吊橋 公式サイト - 茨城県常陸太田市にある長さ本州一の吊橋です

バンジージャンプもできるんですよ、ここから。

腰痛の心配がなければ、やってみたいのですが。

 

待望の袋田の滝へ。

袋田の滝・生瀬滝(国名勝) | 大子町公式ホームページ

凍っている滝も迫力あるだろうなぁ。

 

ここでまさかの「来たことあった」

そうでしたか…

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ここを通り、エレベーターで上の展望台にも行けます。

この日は、水量が少なかったそうです。

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滝のそばの土産店で購入したら、見学している間、駐車場に車を置かせてもらえました。

 

この日は、袋田の滝近くの宿をとりました。

雰囲気がよく、ホテルの中も外も探検しました。 

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茨城県奥久慈|袋田温泉 思い出浪漫館【公式】

ここもなぁ…お風呂がおしい!

大きくて気持ちのいい露天風呂だったのですが。

部屋から遠い…のは仕方ないとして、ちょっと物騒な感じがします。

宿の敷地ではありますが、外から入ってこられそう。

スリッパを脱ぐ場所が外から丸見えなので、何人入っているか分かってしまう。

宿の性質上、開放しておかなくてはいけないのでしょうが、確かにこれだと暗くなってから1人では入れないかなぁ。

 

大浴場の入口にあるこの鏡、のれんをくぐれば自分がうつります。

名だたる美人と並べます。

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餃子が好きな両親。

翌日は宇都宮に寄って、餃子の食べ比べ。

同じフロアに2つ店があり、1つは1時間以上の行列、1つは少しだけ行列。

少しだけの方に並び、20分後くらいに無事に食べられました。

いろんなお店の餃子が1皿に1個ずつ載っています。

どの1皿を選ぶか…迷います。

これの他にもまだメニューがあるんですよ。

前は30個くらいペロっといけたのに…12個しか食べられなかった。

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そして、今夏にオープンしたばかりの蓮田サービスエリアへ。

果物や野菜がとてもおいしそう!

道の駅で大量に野菜などを買うのが趣味な母。

楽しそうに選んでいました。

 

無事に我が家へ到着。

車は翌日、無事に売られていきました。

ところで、「茨城」は「いばらぎ」ではなく、「いばらき」と読むことを今まで知りませんでした。

大阪の「茨木」は「いばらき」で、茨城県は「いばらぎけん」だと…

恥ずかしいです。

だって同じように「城」がつく「宮城県」は「みやぎけん」ではないですか。

 

父の運転で行った最後の旅行、とても楽しいものでした。